サンドリオン、初アニメ主題歌や『ANIMAX MUSIX 2023』出演の夢を達成 メジャー以降の快進撃を語る

本番前に撮った写真も、全部顔が強張ってた(黒木)

左から汐入あすか、黒木ほの香、小山百代、小峯愛未

ーーおっしゃるように、この曲は1番をほぼユニゾンで歌う演出がサンドリオンの楽曲としては新鮮でした。

黒木:1番はソロがないですからね。

ーー声が複数重なることで力強さが生じるかと思えば、ハーモニーとも違った繊細さや気持ちよさも感じられて。4人の声の相性の良さを感じるユニゾンだなと思いました。

小山:うれしい。普段のサンドリオンの楽曲だと一人ひとりの声優としての声を活かしながら、いろんな歌い方を通して4人の個性を見せていく曲が多かったんですけど、「天体図」に関しては個性というよりは調和性、協調性というか。お互いに歩み寄るように歌うことを意識して、温かさを一番に、自分だけが目立ちすぎないように歌うことを心がけました。

黒木:クセが少なめだよね。特に今回は『星屑テレパス』という作品を表現するひとつになるわけだから、「そういう責任を持って歌うぞ」みたいにみんなが気合いを入れてレコーディングに臨めたのもよかったのかなと思います。

小峯:かつ、自分の感情よりもキャラクターたちや作品の絵を想像して、キャラクターたちのことを思い浮かべて歌った記憶があります。

黒木:どのフレーズも丁寧にレコーディングして、テイクをたくさん重ねました。

小峯:そうだね、時間をかけて。

汐入:静かだけどキーが高めなので、力みすぎないように気をつけて歌って。特に2番からはガラッと雰囲気が変わって壮大になるので、そのオケに引っ張られすぎないようにと、いろいろ考えながら挑んだレコーディングでした。

ーーアレンジに合わせてか、1番と2番とで声の表情が変化していますよね。

小山:前半は静けさの中の美しさ、後半は壮大な美しさというイメージで。歌割りは一応あるんですけど、レコーディングでは全員フルで録っているので、どこが収録されてもいいように全部大切に歌っています。

ーーこの曲はリリースに先駆け、9月8日開催のイベント『ANIMAX MUSIX NEXTAGE 2023』で初披露されました。

汐入:緊張したね。

小山:めっちゃ緊張した!

小峯:最近で一番緊張したかも。

小山:私、あのライブの数日後に首を痛めて。寝違えたみたいな感じだったので、整体に行ったんですね。そうしたら、整体の先生に「最近、緊張することありました?」と聞かれて。首の左側を痛めていたんですけど、心臓が近いから「踊っていて怪我をしたのではないなら、緊張からきてますよ」と先生から言われたんです。

黒木:となると、間違いなくあのライブだね。

小山:「しましたしました! 最近めっちゃ緊張しました!」って即答しましたもん(笑)。ライブの数日後に首が痛くなるほどの緊張だったんですね。

汐入:その話を聞いたら、急に首が痛くなってきた……。

黒木:みんな急に首をほぐし始めたし(笑)。

ーーそんなに緊張したんですね。

小山:そうなんです。もちろん普段のライブもめちゃくちゃ緊張するんですけど、『ANIMAX MUSIX NEXTAGE 2023』は違うジャンルの緊張感があって。

汐入:お客さんが私たちだけのファンというわけではない中で、横アリという大切なステージがかかっていて、しかもアニメ主題歌の初披露もあり。

小峯:なおかつ、そのパフォーマンスを観た方に、横アリに立つために投票もしてもらわなくちゃいけないし。

小山:生配信もされるし。

黒木:アーカイブも残るからミスできないし。

汐入:そういういろんな要素が合わさって。みんな数日前から緊張してたよね。

小峯:本番が金曜日だったんですけど、火曜日からお腹が痛くなって。当日なんてごはんも食べられないくらいで、このまま世界が終わるんじゃないかと思ってました(笑)。

黒木:本番前に撮った写真も、全部顔が強張ってたし。

小山:終わったあとは汗だくだから本番前に撮ろうってことになったんですけど、顔が強張っていたから使える写真があまりなかったという(笑)。

ーー僕もアーカイブ映像を拝見しましたが、確かに「天体図」のときは緊張感が伝わってきました。

小山:伝わっちゃいますよね(笑)。

汐入:あとから自分で観ても「う、うわぁ……」ってなったし(笑)。

小峯:「もうちょっと肩の力を抜いて!」って。

黒木:「落ち着いて!」ってね。私たちは本来もっとダンスもできるし、歌えるはずなのにさ……「おい、お前たち!」ってなったよね(笑)。

小峯:でも、今振り返るといい緊張ではあったよね。

小山:5年後ぐらいには余裕で歌えるようになってるかな?

黒木:けん玉とかしながら歌えるくらいになりたいよね(笑)。

小山:寝起き2秒で歌えるとか(笑)。

小峯:それぐらいにならないとね。

ーーMVも衣装の白をベースにした世界観が本当に綺麗でした。

小山:映像では昼と夜を演出していただいていて。

小峯:ちゃんと時間経過が描かれているんだよね。今回は室内だけでのシンプルな撮影だったけど、歌割りどおりに「昼組:小峯、小山」「夜組:黒木、汐入」と分かれて撮影したのは新しかったし、さすがナカジマセイト監督だなと思いました。

小山:ダンスパフォーマンスがないMVも初めてだったので、それも新鮮でした。本当に歌で勝負したいという思いがMVからも伝わるかなと思います。

ーー一方、カップリングの「ゆびきりの唄」は「天体図」から打って変わって、力強さの際立つ1曲です。

汐入:初めて堀江晶太さんに楽曲を作っていただいたんですけど、「会ったことあったっけ?」ってぐらい私たちに寄り添った歌詞を書いてくださって。すごく素敵なフレーズがいっぱいあって、お気に入りです。

黒木:突き抜けて明るい曲というわけではないんですけど、バックトラックとメロディラインがすごくハマっていて、歌っていてめちゃくちゃ楽しい曲でした。もちろん難しい部分もあったんですけど、だからこそ何回かテイクを重ねて、うまく歌えたなと思ったときはうれしかったし気持ちよかったです。

ーーどういうところが難しかったですか?

黒木:〈確かめよう ゆびきりの唄 また出逢おう 変わり往くまま〉ってフレーズが特に難しかったです。

小山:それはリズムが?

黒木:リズムもそうだし、アクセントをちゃんと入れて歌わないと流れていっちゃうし。ここは1フレーズずつメンバーにバトンを渡していくパートで、私は第2走者なんです。これ、ライブだと「入っていけるかな?」みたいな不安もあって。「ライブでもちゃんと歌えるように、このレコーディングでしっかり形を作っておかないとな」という意味でも気合いを入れて、難しいながらも頑張って歌いました。

小峯:私も「ロックシンガーか、お前?」ってぐらい気持ちよく(笑)、最終的にノリノリで歌わせていただきました。サンドリオンには今までも私たちの気持ちを歌詞に乗せてくださった楽曲が多かったですが、今回もその流れにあるものの、「自分たちの気持ちをぶつけるけど、みんなのこともちゃんと見つけるよ!」みたいにみんなと思い合える歌詞になっていて、すごく熱い曲だなと思いました。

小山:実際に歌ってみるとメロディラインが特殊なところを行ったり来たりしていて、技術的な面ではすごく難しい曲ではあったんですけど、4人の声がひとつになった完成版を聴いたときに、疾走感があっておしゃれでエモーショナルなロックに仕上がっていたので安心しました。あと、サビに〈だから今 ちゃんと私を見ていて〉というフレーズが何回も出てくるんですけど、数回聴いただけで口ずさめるようなキャッチーなメロディなので、皆さんも何回も聴いて、ライブで披露されるのを楽しみにしていただけたらと思います。

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