「『TWO OF US』は2人だけで演奏するアコースティックセットなんだけど、今回はもう1つ、どうしても一緒に重ねたい音があって仲間を呼んでいます」とKUMI。「最高のヴァイオリンプレイヤー、美央！」と二人が呼び込み、美央の登場に会場から温かい拍手が湧き起こる。

　美央はこれまで星野源やSUPER BEAVER、大塚愛などジャンルを問わず様々なアーティストの作品や劇伴、CM音楽などを手掛けてきた。彼女がLOVE PSYCHEDELICOと共演したのは2017年。『ARABAKI ROCK FEST.』での企画ライブ「LOVE PSYCHEDELICO SING BOB DYLAN」に参加したのがきっかけだった。

「美央ちゃんは、ジャンルの垣根がそもそもないし、たまたまバイオリンを弾いているけど、きっと頭の中での発想は『バイオリンを弾いている』という感覚ともちょっと違うんじゃないかと思う。足元に並んでいるペダルエフェクターの数とか、ギタリストの俺よりも多いくらいだし（笑）」

　前述のインタビューでそうNAOKIが話していたように、美しく伸びやかな音色で楽曲を包み込んだかと思えば、まるでKUMIとデュエットするかのように歌に寄り添いながらカウンターメロディを奏で、あるいはアイリッシュ民謡やケルト民謡を彷彿とさせるフィドル奏法で、LOVE PSYCHEDELICOの楽曲に内包されているカントリー／フォークミュージックの要素を引き出していく。エフェクターも駆使し、時にはアンビエントなサウンドスケープを構築するなど、1人で音を出しているとは思えないほどバラエティ豊かな美央の表現に、隣で演奏するKUMIもNAOKIも嬉しそうだ。

　ステージ後方の巨大なスクリーンには、まるでThe Velvet Undergroundのライブのように、3人のシルエットを妖しく投影させたり、極彩色の幾何学的なCG映像を映し出したり、曲によってはイメージを増幅させる演出を施していた。が、基本的には2人（もしくは3人）の歌と演奏にフォーカスした、無骨でストイックなステージング。「Last Smile」ではNAOKIが咽び泣くようなギターソロをたっぷりと弾き倒し、「Your Song」ではKUMIとNAOKIが向かい合ってギターをかき鳴らす。「LADY MADONNA～憂鬱なるスパイダー～」では、NAOKIがスライドギターでオーディエンスとコール＆レスポンスをする一幕もあった。

　新曲「All the best to you」は美央を迎えた3人編成で演奏。ピアノの印象的なリフを、美央の情感たっぷりなヴァイオリンと、KUMIの煌めくようなマンドリンが交互に再現し、エンディングに向けて盛り上げていく。最後はオーディエンスとともに「Na na na」の合唱。まるでThe Beatlesの「Hey Jude」や、John Lennon & Yoko Onoの「Give Peace a Chance」を彷彿とさせるような一体感に包まれた。

　「世の中には悲しい事がたくさんあるけど、こうやって音楽があって、みんながいてくれて、こういう時が過ごせたら、大丈夫だなって思う」思わず声を詰まらせながら、KUMIがそう語るシーンもあった。LOVE PSYCHEDELICOの楽曲の魅力はもちろん、歌や演奏のアーティキュレーション、そして彼らが持っているメッセージの強さまで、生々しく臨場感たっぷりに伝えるアコースティックツアー『TWO OF US』こそが、LOVE PSYCHEDELICOの真髄といえるのかもしれない。

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※：https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=698384

＜ライブ情報＞
11月4日（土） 北海道　共済ホール　17:00 開場 / 18:00 開演
11月12日（日） 新潟県　りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場17:00 開場 / 18:00 開演
11月23日（木祝） 大阪府　枚方市総合文化芸術センター　17:00 開場 / 18:00 開演
11月24日（金） 香川県　高松国分寺ホール　18:00 開場 / 19:00 開演
12月16日（土） 宮城県　日立システムズホール仙台 シアターホール　17:00 開場 / 18:00 開演

チケット先行受付＆一般発売中
【ローチケ】
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【イープラス】
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【チケットぴあ】
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