「テンション上げたい時には、絶対に特撮ソングを聴いたほうがいい」

――音楽面で遡ってみるといかがでしょうか？

篠宮：『カーレンジャー』のファンには「だよね！」と同意していただけると思うんですけど、「だから戦うカーレンジャー」が真っ先に思い浮かびます。爆弾をつけられたRVロボを取り戻す回（第32話（「RVロボ大逆走！」）で、レッドレーサーが奮闘する場面で選曲されていたんですけど、夕景バックで戦うシーンと相まって、めちゃくちゃ好きですね。あと、ロボ好きとしてはロボソングも欠かせません。昔のスーパー戦隊シリーズは、ロボを格納する母艦があって、母艦からメカが発進するシーンでほぼ必ず曲が流れていたんですよ。僕の世代だと「ファイト！チェンジロボ」は影山さんでしたけど、「輝け！フラッシュキング」や「バイオロボの歌」など、ロボソングと言えば、宮内タカユキさんのイメージが強いですね。他の挿入歌でも、『デンジマン』主題歌（「ああ電子戦隊デンジマン」）の成田賢さんが歌った「戦う電子戦隊デンジマン」は印象深いし、今みたいにキャラソンが定番化する前の時代ですが、『ジェットマン』で、結城凱役の若松俊秀さんが歌われた「炎のコンドル」も好きな1曲です。歌手も本当に多彩な方々が参加されていて、MoJoさんや速水けんたろうさん、サイキックラバーや高取ヒデアキさん、最近だとやっぱり『キラメイジャー』の大西洋平さんでしょうか。こうして話していると、特にどれが好きと言えなくなってくる（笑）。もうみんな好きですよ！

――（笑）。『キングオージャー』の音楽はどういったところに注目されていますか？

篠宮：挿入歌が国ごとに作られているのが斬新で、第8話（「王と王子の決闘裁判」）でギラとラクレス（・ハスティー）が戦う場面に「INFERNO」が流れたのは、めっちゃ効果的な使い方だったんじゃないかなと思っています。あとは、ンコソパでも「Try & Fight」というテーマソングが第2話（「誰がための王」）で流れていたけど、ヤンマ（・ガスト）がギラと対面した際にはコンポから聴いたことない曲が流れていて、あれが何の曲なのか、めっちゃ気になってます（笑）。

――主題歌「全力キング」はどうでしょう？

篠宮：最高ですね！　それこそ、さっき話したようにイントロが魅力的。ドラムが入るところの高揚感がいいですよねぇ。「誰が作ってるんだろ？」と気になって調べたら、園田健太郎さんという方だったんですけど、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』（2019年）や『ゼンカイジャー』の主題歌を手掛けられた方だと知りました。それぞれ曲調は違うけど「全部好きやん！」って。そうやって作詞や作曲している人から辿っていくのも面白いところですよね。挿入歌でもトウフのテーマソング「宴じゃオージャー！」を作曲されたKoTaさんは『キラメイジャー』の主題歌を手掛けられた方ですよね。確かに、通じるエモさがあるなと思いました。

――長く続くシリーズだけに膨大な戦隊ソングがありますが、ファンに向けて、どのように聴いてもらいたいですか？

篠宮：特撮ソングって、確かにひとつのジャンルではあるんだけど、別にJ-POPと変わらないし、境界線が低いと思うんですよね。だから本当に気軽な感覚で楽しんでもらいたいし、テンションを上げたいと思った時には絶対に聴いたほうがいいですよ！

　振り返ると、僕が子どもの頃はまだカセットの時代だったし、「全曲集」もなくて、手軽に聴けるのは直近の2～3作品くらいだったんです。それが今や配信やCDなど色々なメディアでいつでも全ての曲が聴ける環境にあるわけじゃないですか。自分が小さい頃の戦隊ソングを懐かしさと共に聴いてもらっても構わないし、最近の戦隊ソングと聴き比べて「こんなにアップデートされているんだ」と感じてもらうのも面白いし、もちろん作品を観てから曲を好きになるのも全然アリですよね。今、自由に音楽を聴けるこの時代は、めちゃくちゃ最高だと思いますよ。

――今回、スーパー戦隊について色々語っていただきましたが、最後に篠宮さんから今一度、スーパー戦隊シリーズへの想いをお聞かせいただければと思います。

篠宮：やっぱり作品を観て面白くて興奮するから止められないんですよ。スーパー戦隊シリーズを観てなかったら、人生で興奮する回数、喜べる回数がこんなに多くなかったと思うし、自分にとって、スーパー戦隊シリーズを観てなかった人生なんて考えられないことですね。今、芸人の仕事をしていても、昔テレビで観ていたヒーロー役の方々にお目にかかる機会があったり、こうした取材を受けるのも、スーパー戦隊シリーズが作ってくれた大切なご縁だし。海外でも「Power Rangers」として人気じゃないですか。以前、仕事で海外に行った際にウィーン少年合唱団の方々と会ったことがあるんですけど、僕はたまたま全身青い服を着てたんです。そうしたら、合唱団の子どもたちが僕のことを「Blue Ranger!」って呼んだんですね（笑）。もうそれだけで、共通の話題が生まれてコミュニケーションが取れてしまう。大人と子どもが一緒に楽しめる最高のエンターテインメントだと思いますよ。うちの子どもは今、『キングオージャー』を夢中で観ているんですけど、『ゼンカイジャー』のことは「なんかふざけすぎや」なんて言っていて（笑）。僕からしたら、「むしろ『ドンブラザーズ』の方がよっぽどふざけてるだろ！」と思うけど（笑）、そこでまた大人が気づかない、子どもならではの視点が見え隠れしていると思うし、そうやって語り合えるのもまた面白いんです。これからもスーパー戦隊シリーズを観続けていきたいし、応援していきたいですね。

※1：https://youtu.be/JfpiYFnicX0

■リリース情報
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ 全曲集』
価格：￥4,400（税込）

＜収録内容＞
Disc1-1　「俺こそオンリーワン」
歌：MORISAKI WIN　作詞：及川眠子　作曲/編曲：フワリ
Disc1-2　「キララ・スマイル」
歌：吉良きらら（和泉風花）　 作詞：金子麻友美　作曲：久下真音、金子麻友美　編曲：久下真音
Disc1-3　「A Battle World」
歌：大西洋平　作詞/作曲：大西洋平　編曲：渡部チェル
Disc1-4　「出陣！ドンオニタイジン」
歌：濱野大輝　作詞：八手三郎　作曲/編曲：山下康介
Disc1-5　「君のヒーロー」
歌：谷本貴義　作詞：及川眠子　作曲/編曲：山下康介
Disc1-6　「月ノミゾ知ル。」
歌：ドンモモタロウ／桃井タロウ（樋口幸平）、ソノイ（富永勇也）　演奏：ZETKI　作詞/作曲：高取ヒデアキ　編曲：籠島裕昌
Disc1-7　「燃えろ！虎龍攻神！」
歌：NewJack 拓郎　作詞：八手三郎　作曲：山下康介　編曲：亀山耕一郎
Disc1-8　「わっしょいしょい！」
歌/作詞/作曲/編曲：岩崎貴文
Disc1-9　「アバターパーティー！ドンブラザーズ！」
歌：ドンモモタロウ／桃井タロウ（樋口幸平）、サルブラザー／猿原真一（別府由来）、オニシスター／鬼頭はるか（志田こはく）、イヌブラザー／犬塚翼（柊太朗）、キジブラザー／雉野つよし（鈴木浩文）、ドンドラゴクウ／ドントラボルト／桃谷ジロウ（石川雷蔵）、ソノイ（富永勇也）、ソノニ（宮崎あみさ）、ソノザ（タカハシシンノスケ）　作詞：八手三郎　作曲/編曲：大石憲一郎
Disc1-10　「Dark・Shark・Rock」
歌：ドンムラサメ（CV:村瀬歩）　作詞/作曲/編曲：フワリ
Disc1-11　「永縁フェスティバル」
歌：ドンモモタロウ／桃井タロウ（樋口幸平）　作詞：ミズノゲンキ　作曲/編曲：馬渕直純
Disc1-12　「空想談義」
歌：サルブラザー／猿原真一（別府由来）　作詞：ミズノゲンキ　作曲/編曲：設楽哲也
Disc1-13　「Try it!」
歌：オニシスター／鬼頭はるか（志田こはく）　作詞：eNu　作曲/編曲：馬渕直純
Disc1-14　「朧」
歌：イヌブラザー／犬塚翼（柊太朗）　作詞：eNu　作曲/編曲：設楽哲也
Disc1-15　「マイワイフ is マイライフ」
歌：キジブラザー／雉野つよし（鈴木浩文）　作詞：ミズノゲンキ　作曲/編曲：Tak Miyazawa
Disc1-16　「トライ！グッドライバル！」
歌：ドンドラゴクウ／ドントラボルト／桃谷ジロウ（石川雷蔵）　作詞：ミズノゲンキ　作曲/編曲：設楽哲也
Disc1-17　「Blue Moon」
歌：ソノイ（富永勇也）　作詞：ミズノゲンキ　作曲/編曲：馬渕直純
Disc1-18　「Jewel Pieces」
歌：ソノニ（宮崎あみさ）　作詞：eNu　作曲/編曲：馬渕直純
Disc1-19　「What's EMO」
歌：ソノザ（タカハシシンノスケ）　作詞：ミズノゲンキ　作曲/編曲：Tak Miyazawa
Disc1-20　「Don't Boo！ドンブラザーズ」
歌：MORISAKI WIN　作詞：渡部紫緒　作曲/編曲：坂部剛

Disc2-1　「俺こそオンリーワン（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-2　「キララ・スマイル（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-3　「A Battle World（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-4　「出陣！ドンオニタイジン（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-5　「君のヒーロー（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-6　「月ノミゾ知ル。（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-7　「燃えろ！虎龍攻神！（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-8　「わっしょいしょい！（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-9　「アバターパーティー！ドンブラザーズ！（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-10　「Dark・Shark・Rock（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-11　「永縁フェスティバル（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-12　「空想談義（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-13　「Try it!（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-14　「朧（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-15　「マイワイフ is マイライフ（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-16　「トライ！グッドライバル！（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-17　「Blue Moon（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-18　「Jewel Pieces（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-19　「What's EMO（オリジナル・カラオケ）」
Disc2-20　「Don't Boo！ドンブラザーズ（オリジナル・カラオケ）」

■リリース情報2
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ　オリジナル・サウンドトラック』
価格：￥4,950 （税込）
収録内容：作曲家 山下康介氏が手掛けた『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のBGMやOP&EDと挿入歌のショートサイズも含む全144曲をCD3枚組に一挙収録

■リリース情報3
『王様戦隊キングオージャー 主題歌CD』
発売日：2023年4月5日（水）
価格：￥2,750円（税込）

＜収録内容＞
1　「全力キング」＜『王様戦隊キングオージャー』オープニングテーマ＞
歌：古川貴之　作詩：古川貴之　作曲/編曲：園田健太郎
2　「INFERNO」＜シュゴッダム テーマソング＞
歌：ナノ　作詩：ナノ　作曲/編曲：坂部 剛
3　「Try & Fight」＜ンコソパ テーマソング＞
歌：鎌田章吾　作詩：藤原優樹　作曲/編曲：長谷川大介
4　「World Is Mine!」＜イシャバーナ テーマソング＞
歌：Machico　作詩/作曲/編曲：木下龍平
5　「Ignorantia juris nocet」＜ゴッカン テーマソング＞
歌：ゴッカンクワイア　作曲/編曲：滝澤みのり
6　「宴じゃオージャー！」＜トウフ テーマソング＞
歌：高橋秀幸&伊勢大貴　作詩/作曲/編曲：KoTa
各オリジナル・カラオケを収録