リアクション ザ ブッタ、バンド苦境のコロナ禍で動員を伸ばした理由 TikTokで手にした“楽曲を見つめる新たな視点”

男性目線の失恋ソングが女性から支持を集めた理由

 楽曲の一人称は“僕”。徹底して男性目線で恋の後悔が描かれたこの楽曲は、多くの女性リスナーの共感を呼んだ。なぜ佐々木が書いた男性目線の楽曲が女性から支持を集めることになったのか。

『After drama』

 歌い出しの歌詞〈今日も399円の弁当をレジまで運ぶ21時/最近は滅多なことがなければ自炊なんてしない〉は、佐々木が同年代のサラリーマンを想像しながら書いた一節。当時実家暮らしだった彼は同年代の友人たちのエピソードなどをもとにしながら、20代中盤に差しかかる年代の男性サラリーマンの日常を歌詞にしたためた。この一節は男性のみならず多くのOLや学生にも響く言葉であり、冒頭の歌詞を読んだ人の中には「“僕”という言葉が出てくるまで、女性が主人公だと思っていた」という反応もあった。しかし、性別や世代を超えて共感を呼ぶ歌詞というものを佐々木自身は意識していない。佐々木の書く歌詞は基本的に男性が主人公のものが多く、彼は誰にでも当てはまる歌詞を書くことを意識して言葉を選んでいない。あくまで1人のサラリーマンの生活を事細かに描くことに集中して完成したのが「ドラマのあとで」の主人公だった。そこに多くの人が共感したのは彼の歌詞の書き方に理由があるのかもしれない。佐々木は過去のインタビューで「曲を作ろうとすると、世の中に広く使われている言葉が出てきがち。でも日常のなかで感情は動いているわけだから、そういう出来事を見逃さないように生きていたい」(※1)と語っており、生活の半径を縮めた“身の回りのこと”を細かく描写することで、聴き手との距離を縮める努力をしていた。

 「ドラマのあとで」の主人公は架空の人物ではあるが、佐々木は歌詞のすべてを想像でしたためたわけではない。サラリーマンの日常を描いた描写は想像に由来するものだが、恋愛におけるメンタリティに関しては本人の実体験をもとにしながら歌詞に落とし込んでいるという。〈このままいけば多分ドラマみたいな再会もないし〉〈勘違いを避けたくて 君についた小さな嘘が〉などは、佐々木という若者の純朴な一面が垣間見える一節だろう。さらに彼は「ドラマのあとで」という楽曲のコンセプトについて、1つ種明かしをしてくれた。

「この曲は“別れの歌”のようではあるけど、ただ後悔するだけの歌じゃなくて。恋人と一緒に過ごした“あの時間”へのラブソングなんですよね」

キャリア15年の新たなスタート

 高校時代からすでに15年にわたってバンドを続けてきた佐々木。彼にとって「ドラマのあとで」のヒットはどのような意味を持つものになったのだろうか。

「バンドを続けることの意味を感じさせてくれた曲になりました。もしバンドを辞めていたら、この曲がこんなに聴かれることもなかったし、聴いてくれた人にいろんな感情を芽生えさせることもなかったわけですから。僕らにとって、新たなスタートを切るような思いにさせてくれた楽曲です」

 TikTokを活用することで生まれた後押しを背に、彼らは新たなスタートを切った。5月31日にはバンドとしては久しぶりの恋愛ソング「あいかぎ」をシングルカットして配信リリースする。若い世代に注目されたブッタが今後どのような展開を見せるのか、期待が高まる。

※1:https://rockinon.com/feat/reactionthebuddha_201701/page:1

『あいかぎ』

■リリース情報
Digital Single『あいかぎ』
5月31日(水)より各配信サイトにて配信開始

■ライブ情報
『リアクション ザ ブッタ Tour 2023』
5月20日(土)埼玉 西川口Live House Hearts
※ワンマン

6月9日(金)大阪 福島LIVE SQUARE 2nd LINE 
with : the quiet room

6月16日(金)広島 セカンドクラッチ
with : ゼロカル / LOCAL CONNECT

6月23日(金)愛知 名古屋ell.FITS ALL
with : ケプラ

7月7日(金)宮城 仙台enn 2nd
with : Lenny code fiction / Laughing Hick

7月14日(金)東京 shibuya eggman
with : サバシスター

■関連リンク
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レギュラー番組
ZIP-FM『BUTTAMAGE!!!』
毎週木曜日深夜1時から放送中
パーソナリティ:リアクション ザ ブッタ
WEBサイト:https://zip-fm.co.jp/program/buttamage/

『インターネットラジオステーション・BSCラジオ「英語を深掘り・海外ヒットソング」』
第1・3月曜日20:00から配信中
パーソナリティ:ニコラス・エドワーズ、佐々木直人(リアクション ザ ブッタ)
auうたパス:https://au.utapass.auone.jp/
BSC ラジオ:https://backstagecafe.jp/radio/player/backstagecafe

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