エッジの効いた言葉が印象的な猪狩。バラエティでは少々やんちゃなイメージがあるかもしれないが、一方で真面目さや情熱も伝わってくる。『内村と相棒』では、作間のピアノ弾き語りと猪狩が得意とするラップを組み合わせ、歌詞には事務所の先輩たちへのリスペクトはもちろん、Kis-My-Ft2の玉森裕太と、SixTONESの田中樹に関する具体的なエピソードをストレートに、そして巧みに盛り込んだ。彼らとの関係性を知るファンとしてはほろりとさせられる一節だったのではないだろうか。2019年8月に行われたジャニーズJr.による東京ドーム単独公演『8・8祭り～東京ドームから始まる～』でのコラボステージでは、最後に猪狩が“Team樹”と発して話題を集めたように、わずかな一言でもリスペクトが感じられる言葉に心を奪われたファンも多かっただろう。

　今年1月、20歳を迎えたジャニーズタレント11人が赤坂氷川神社で成人式を行った。そこで猪狩はひときわ目を引く、ブラウンのスーツ姿で登場。会見でそのスーツは彼の祖父からプレゼントされたことが明かされた。心温まる唯一無二な内容が彼らしく、そっと挿し込まれたエピソードから感じられる熱い心が魅力のひとつだ。

　4月からは朝の情報番組『ZIP!』（日本テレビ系）のワンコーナー「キテルネ！」のリポーターに就任し、これからは朝の顔としても活躍する。はっきりものを言うコメント力と、その根底に宿るリスペクトの気持ちがあれば、きっとどんな場所でも歓迎されるだろう。猪狩をはじめ、グループのパフォーマンスの熱からは、デビューを目指すというよりはデビューを足がかりに自分たちのパフォーマンスやメッセージを届ける、というその先への強い意志を感じる。HiHi Jetsのパフォーマンス、そして、猪狩が綴るリリックに“刮目せよ！”である。