2023.02.22 18:00

丁、ミニハープを弾き語る新たな才能　SNSから新風を吹き込む比類なき音楽性

文＝荻原梓

　丁は2月22日、ついに待望のメジャーデビューを果たす。本作は、1月から放送開始のTVアニメ『ツルネ ―つながりの一射―』のエンディング主題歌「ヒトミナカ」を表題に据えた新曲4曲を収録。これを機に丁に注がれる熱い視線は、より一層大きくなっていくだろう。

　とりわけこの「ヒトミナカ」という楽曲は、美しく音世界を彩るミニハープの流れるようなアルペジオ、躍動感のあるトライバルなリズム、広大な景色を描くオーケストレーションによって、未知の体験に連れて行かれる約4分間の極上のタイムトラベルだ。ハープという弦楽器は起源が古く、クラシックやヨーロッパの民謡などで用いられてきたが、J-POPの世界ではあまり使用されてこなかった。それゆえ現代のポップスのフォーマットの枠内で鳴るハープの音色は、まったく新しい存在感を放っている。そうした新鮮な響きを持ったハープのサウンドと、丁の歌声とが融合することで生まれる素晴らしい化学反応を楽しめる。

ヒトミナカ / 丁【MV】(TVアニメ『ツルネ－つながりの一射－』エンディング主題歌)

　カップリング曲には英詞で紡がれる素朴な弾き語り調の「Whispering Lights」、ドラマチックなストリングスと歌声の絡み合いがどこか切ない「蟲森」、丁のコーラスが幾重にも重なることで幻惑的な世界が広がる「必」と様々な方向性の楽曲が用意されている。前作の“羽化”と同じく、これらの楽曲も全て丁による作詞・作曲・編曲だという。

　多くの楽器を弾きこなし、楽曲も一人で作ることができる。比類なき音楽性を持った丁という新たな才能が、音楽シーンに新たな風を吹き込むだろう。