2023.02.12 22:00

三浦風雅、3カ所を巡るツアー開催発表　心に響くラブバラードも披露したバレンタインSPライブをレポート

文＝風間珠妃

　三浦風雅が2月11日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催されたイベント『VOICE Valentine Special LIVE』に出演した。

　この日のライブではタイトル通り、各アーティストがバレンタインにちなんだラブソングを中心に披露。キーボードとドラムスがショーの始まりを告げると、楽しげなオーラをまとい登場した三浦は、その瞬間から人々の目を惹きつけていた。「まずは立って一緒に盛り上がってクラップしていきましょう！」と観客に呼びかけ、会場全体を巻き込んでいくフランクさと笑顔が印象的だ。2021年放送のフジテレビ系・月9ドラマ『ナイト・ドクター』のオリジナルナンバーとしても注目を集めた「Start」では、「皆さん一緒に声出していきましょう！　初めましての方も一緒に思いっきり」と誘い、この日初めて彼のライブを見たであろう観客も自ずとクラップで盛り上げる。一曲目から繋ぐ形で続けて披露したのは、自身も作詞を手がける応援ソングであり、フジテレビ系『奇跡体験！アンビリバボー』のエンディングにも選出された「CANVAS」。ステージ下手側まで移動しながら観客と視線を交わしていく三浦を見ていると、まるで音の中で自由に泳いでいるような感触を覚える。〈何回躓いたって／自分だけの色が見つかるはずさ〉〈特別なキャンバス／僕だけの色に染めてやれ〉というカラフルな情景をイメージさせる歌詞と虹色の照明に照らされるステージがリンクし、ライブハウスの隅から隅まで響き渡る三浦の歌声が観る者を五感すべてで惹き込んでいた。

　曲が明けると、瞬時に聞こえてくるファンのコールにも「ありがとうございます、改めましての方も初めましての方も」と応え、丁寧に挨拶。DEEP、舟津真翔といった二組と共演するこのライブを楽しみにしていたと言い、「皆さんも楽しみにしていましたよね？」と常にオーディエンスを巻き込むことも忘れない。さらに、現在1月の福岡を皮切りに北から南まで全国各地で路上ライブを行っていることにも言及し、「明日は神奈川県の海老名、来週は北海道」と忙しなく飛び回りながらファンとの交流を充実させている様子を窺わせた。しかし、今回のように屋内でライブを行うのは、実に1カ月ぶり。これには「全力で歌っていきたいなと思いますのでよろしくお願いいたします！」と一層気合いを見せた。

　続いて披露する楽曲は、スタンドマイクを用いてしっとりと、かつエモーショナルに歌い上げるラブバラード「思い出に花を添えたら」。今回この曲を選んだきっかけは、路上ライブ用のオリジナルハッシュタグ「#三浦風雅全国路上ライブの旅」をつけたファンの投稿を覗いていた時の出来事だったという。「二日前くらいに、ファンの方が3年付き合った彼とお別れしたという（Instagramの）ストーリーを見たんです。“三浦風雅の「思い出に花を添えたら」を聴いて、この曲が今の私にぴったりです”というのを見て、今日歌おうかなと思いました」と語ると、「一旦、付き合って別れた体で聴いていただけたら」と伝え、感情を乗せて歌い上げた。気づけばスタンドマイクから外されたマイクを片手に熱唱する三浦の歌声と、これまでの幸せな恋模様に想いを馳せながらも〈今日までありがとう〉と前を向こうとするストレートな歌詞が、失恋したリスナーはもちろん、その場にいた観客の心にもまっすぐ届いたのではないだろうか。路上ライブでは聞いたことのある曲に足を止めてもらうため、オリジナル曲よりもカバーソングを歌う機会の方が多いと言うが、今回は久しぶりの箱ライブということもあり、「皆さんの心に届いたらと思って歌わせていただきました」と話して曲を終えた。

　さらに、「インスタとTwitterの方でカウントダウンを密かにやっておりまして、今日このライブ会場で発表しようかなと思っていたことがあります」とここでインスタライブの生配信を行うことを発表。「3月に三浦風雅、なんとライブツアー決定しました！」と嬉しい情報を初解禁した。ホワイトデーの時期ということもあり、三浦風雅からのささやかな贈り物＝『Gift for you』と名付けられたこのミニツアーは、3月10日に大阪、19日に北海道、25日に横浜と全国3カ所で開催予定だ。三浦は「皆さんぜひぜひよかったら遊びに来ていただけたら」とした上で、「初めましての方が来られるような、FCの会員じゃない方も招待できるような形にしたいと思っている」と予告。ツアー初日となる3月10日にはまた大きな発表があるようなので要注目だ。

　ラストスパートに流れたのは、メジャー1stアルバムのタイトル曲であり、映画『海岸通りのネコミミ探偵』の主題歌に起用された「君が君でいられるように」。曲中にバンドメンバーの紹介を挟みながら、〈君が今／理想通りの君じゃなくても／間違いなんて一つもありはしない〉と歌う三浦は、初めて彼を知ったのが今日この瞬間だとしても、全ての“誰か”の背中を押してくれるシンガーなのだろうと感じさせた。そして、あっという間のタイムリミットに際し、「ラストの曲です。ここで盛り上がって最高の空気でDEEPさんに繋ぎたいと思います。盛り上がっていけますか？」とこの日トリを務めたDEEPへのリスペクトを忘れない姿勢も、彼の人柄そのものだ。ステージの最後を飾るアップテンポでエネルギッシュなナンバー「Call my name」では、サビで観客と一体となり拳を突き上げて熱唱。最初から最後まで会場を一体化させていく三浦のポジティブなパワーは、出会った人の明日をより一層豊かに彩っていくだろう。