同曲はNiziU初のウィンターバラードで、ドーム公演でサプライズ披露された楽曲だ。「奇跡」という意味合いも持つ「Blue Moon」という言葉。この楽曲の歌詞を見るとコロナ禍にデビューし、なかなか思うようにライブの開催ができず、ファンとの交流が難しかった苦しい時期を乗り越え、今年になりやっと大型のツアーでたくさんのファンの顔を見ることができた想いを「奇跡」になぞらえているように思える。

　このような経緯を考えると〈巡りあった頃を思い出していて／あれから季節を重ねたね〉〈初めてわかったよ、一緒に過ごせる〉〈輝いてる、ふたりを繋ぐ同じ Blue Moon〉のような一節一節も、NiziUとファンの関係に重ねると痛いほどの想いが胸に去来する。楽曲に目を向けると、これまでデビューシングル曲「Step and a step」に代表されるチアフルでポジティブな踊らせるサウンドが印象的だったNiziUだが、ダンスはもちろん歌唱力も非常に高いメンバーが揃っているだけあって、今回のようなバラード曲であっても歌唱パフォーマンスの完成度や強度は申し分ない。そして「Blue Moon」は、TikTokでもすでに広く拡散されている。NiziU公式アカウントでは、メンバーの歌唱とカラオケ音源が交互になっているデュエット投稿用の動画をアップしており、多くのオリジナルデュエット動画が引用投稿され話題となっている。

　真価が問われるデビュー3年目に、楽曲リリースやライブ活動と多彩な活動を見せ、1年間を通して話題に事欠かなかったNiziU。「Blue Moon」は、そんな彼女たちにとって重要な1年の締めくくりにふさわしい1曲だ。NiziUとファンとの「奇跡」的な出会いが、これから時を重ね「必然」だったと思える日が来るのもそう遠くなさそうである。

※1：https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=tiktok&year=2022&month=12&day=05