盟友たちがバトンを繋いだ『FOMARE大陸』を振り返る 群馬を代表するフェスになるべく踏み出した大きな第一歩
先輩や盟友たちのバトンを受け取り、ステージに姿を表したこの日の主役 FOMARE。「高崎の、群馬の、FOMARE始めます!」とアマダが堂々と宣言し、ライブがスタートした。序盤から「君と夜明け」「Frozen」「新しい歌」とアッパーなナンバーを畳み掛け、オーディエンスも待ってましたと言わんばかりに手を挙げて盛り上がる。MCではアマダが「自分らが計画したことなのに、自分らの想像以上の景色と空気と音楽と人と愛が溢れている」と述べ、嬉しさと感動を存分に噛み締めていた。
中盤には「80%」「stay with me」をプレイ。ホールならではの広さや音の響きはあれど、しっかりとライブハウスらしさを残すパフォーマンスだ。これまで幾度となくステージに立ってきたライブバンドだからこその味が出ている。「REMEMBER」ではアマダが「わがまま言ってもいいですか」と前置きをし、オーディエンスがスマホのライトで会場を照らす演出を促した。「『FOMARE大陸』をみんなで作りましょう」とは各アーティストが言っていたが、まさに会場にいる全員でひとつのハイライトを作った瞬間だったと思う。また、群馬のことを歌った「夕暮れ」は日頃からよくライブで披露している曲だが、舞台である群馬の地で聴くことで、いつも以上に胸に響くものがあった。本編ラストの「タバコ」やアンコールの「愛する人」を含め14曲を愛と熱量たっぷりに届け、この日の公演は幕を閉じた。
2014年の結成以降、歩みを止めることなく活動を続けて来たFOMARE。音源リリースやライブを軸としつつも、自主企画『FOMAREの実験』シリーズやSNSでの発信など、あらゆる方面からFOMAREという名を世に知らしめてきた。そしてついに今回、主催フェスというバンド史上最大のイベントを開催。メジャーデビューから約2年で、まだまだ若手と言える世代だが、それでも地元を堂々と背負ってフェスを成功させられたのは、「自分たちのやりたい音楽は何か」「どうしたらもっと多くの人に知ってもらえるか」を考え、愚直に音楽に向き合ってきた結果だ。今回の出演者の中には、FOMAREがリスペクトする先輩バンドも多く出演していたが、それもFOMAREの実力を認める気持ちとこれからへの期待を込めてのことだろう。
FOMAREは、MCだけでなく、曲中でも「群馬が大好きです!」と並々ならぬ群馬愛を叫んでいた。音楽で成功することを夢見て地方から上京するバンドは多いが、結果を出せるバンドが一部である世の中で、さらに成功して地元に還元するバンドはほんの一握りだと思う。FOMAREは名実ともに群馬を代表するバンドになり、群馬の若いバンドマンたちにとって憧れになった。今回、きっとこれから何度も開催されるであろうフェスの第1回に立ち会えたことを心から誇りに思う。