星街すいせい、角巻わためらを見て踏み出した音楽活動への道

ーー改めて今回、どんな思いでアルバムをつくっていきましたか？

夜空：ワンマンライブをやることが私の夢のひとつなんですけど、それを目指すためにも自分のオリジナル曲がたくさんほしいなと思ったのが、まずアルバムをつくることになったきっかけでした。元々音楽を聴くのも歌を歌うのも好きだったので、音楽を頑張っていきたいという思いはあって。

　あとはやっぱり周りの子たち、星街すいせいちゃんや角巻わためちゃん、天音かなたちゃん、AZKiちゃんのように音楽活動を頑張っている子たちを見て、自分もやってみたいなという気持ちになりましたね。

ーー1曲目は「流れ星☆キラキラ」で始まります。

夜空：「流れ星☆キラキラ」はふわっとしたかわいらしい曲で、今回の『Twinkle Star Magic』というアルバムタイトルにもぴったりだし、物語の始まりに合う曲かなと思って最初に持ってきました。

　多分みんながイメージしているメルって、かわいい感じなんじゃないかなと思うんですよね。そういう、“みんながイメージしているであろう夜空メル”から始まって、聴いていくとかっこいいメルとか、しっとりしたメルとか、どんどん新しい面が出てくる一つの物語のようなものを目指していました。この1枚を通して、「みんなにいろんなメルを見てほしいな」と思っています。

ーー夜空さんの初めてのオリジナル曲「かぷっとNight☆Sky」も収録されています。この曲をつくっていたときのことは覚えていますか？

夜空：元々Junkyさんの「Happy Halloween」というボカロ曲が大好きで、ハロウィンの曲といえばこの曲ってくらい聴いていたんです。だから曲をつくるときは絶対Junkyさんにお願いしたいと思って、お願いさせていただきました。

　ハロウィンって結構ダークなイメージを持たれがちですけど、私は楽しいパーティーのイメージを持っていて。それであんまりダークすぎないハロウィン曲をお願いしたら、もう本当にイメージぴったりのインスト音源が届いて。かっこいいところもあるし、かわいいところもある音源をつくっていただいて、「めちゃくちゃいいなあ」と思ったのを覚えています。あとは合いの手を入れたり、ラップをやってみたいと思ったので、それも私からお願いしましたね。

ーーJunkyさんやナナホシ管弦楽団さん、夏代孝明さん、一二三さんなどボカロシーンでも活躍されてる方々が今回作家として参加されています。

夜空：そうですね。私はもともとアニソンやボカロを聴くのが大好きで。こんな曲つくりたいな、だったら好きな作家さんの中のこの人がいいな、というイメージからお願いしていきました。

ーーちょうど先日ナナホシ管弦楽団さんのインタビューがあって、「キャラメル・デビル」を通して感じた夜空さんの歌の魅力についてもたくさん語っていただきました。夜空さんもツイートしてくださっていましたね。

夜空：「めちゃくちゃ褒めてくれてる！」ってうれしくなりましたね。元々ナナホシさんの「お願いダーリン」が大好きなので、それをイメージしてつくっていただいた曲なんです。

　ナナホシさんは本当に天才だと思っているので、そんな方にたくさん褒めていただいて光栄だなと思いましたし、やっぱり作曲者さんの着眼点って普通の人とは違うんだなあと。「歌声の伸びが」とか、「マイク乗りがいい」とかってなかなか普段言われることじゃないので、「そうか、自分の歌ってそうなんだ」とナナホシさんに言われて気付けた部分もありました。

ーーセリフもたくさん入っていますが、レコーディングでは試行錯誤されましたか？

夜空：曲のテンポがすごく速いので、ちょっと噛んでしまったテイクもありましたし、感情をのせるのも難しかったですね。お芝居をするときは声がメインなのでどんな声量でもいいんですけど、曲の中のセリフとなると、ある程度の声量を出さないとオケに埋もれてニュアンスが消えてしまったりするんですよ。だから聞こえるくらいの声量で、ニュアンスも乗せて、リズムも合わせて……みたいなことを考えながら撮るので、難しかったですね。

ーー「Show Stopper」「L.T.M」は、夜空さんの歌としては新鮮に感じる曲調でした。

夜空：この二つはかっこいいメルだったり、強いメルをイメージして作ってもらいました。歌も結構低音な感じで、ドスの効いているような箇所もあります。「Show Stopper」は低音で男の子っぽい感じ。「L.T.M」はヴァンパイアとしての強さを意識して歌うようにしていました。

ーー「かぷうぃん中毒」も盛り上がる要素がたくさんで、ぜひライブでも聴きたい曲だなと思いました。

夜空：「かぷうぃん中毒」はちょっと電波な感じで、セリフもラップも合いの手も入っている楽しい曲ですね。実は途中で歌詞が変わった部分があるんです。すごく言い回しが難しい所があって、収録時に私がめちゃくちゃ噛んでしまうから、やしきんさんがその場で別のワードに変えてくださったんです。「逢魔が時の大物ぞろい」っていう所なんですけど、元の歌詞なんだったっけ……忘れちゃった（笑）。