Snow Man、2ndアルバムが2週連続チャート首位 格好よさとコミカルさの両立に表れるキャパシティの広さ

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2022-10-10/

 K-POPの国際的な躍進がもたらしたもの。もちろん枚挙にいとまがない話ですが、J-POPの、ことボーイズグループ界隈に限って言えば、「歌って踊って元気を与える」だけの役割に甘んじない、音楽クオリティの爆発的な向上が挙げられます。先月のBE:FIRSTに続き、今回もそのことを実感しました。

 本稿の主役はSnow Man。ちょうど一年前、1stアルバムが1位になった時に、このグループが「令和という新時代」を担っていくと書きました(※1)。理由としては、“ジャニーズ王道”を踏襲しつつも、ビート感覚が驚くほど研ぎ澄まされていること。同時にK-POP/国際的なサウンドプロダクションに限りなく肉薄していること。さらにはアルバム一作目から初週84.1万枚と、確固たるファンベースを築いていること。死角はどこにも見当たりませんでした。

 そして一年後の今。2ndアルバム『Snow Labo. S2』に再びの衝撃。9月21日に発表され、初週89.1万枚セールスを叩き出した本作は、今週はさらに3.6万枚とセールスを伸ばして2週連続1位を記録。累計売り上げは92.7万枚です。すごい。しかしこれが人気のピークとも思えず、次の3rdアルバムはいきなり初週ミリオンからスタートしていても不思議ではない。このこと、先に予言しておきたいと思います。

Snow Man 2nd ALBUM「Snow Labo. S2」- introductory video-

 『Snow Labo. S2』は、一言で言うならお楽しみの幅を広げた可能性のアルバム。たとえば1曲目「ブラザービート」は軽快なエレキギターから始まる初のパーティーロック。メンバーが主演も務めた映画『おそ松さん』主題歌だったので、ここはコミカルな面を出していくのも一興ですね。ただ格好いいだけでは面白くない。音楽だけがすべてとは言わず、コメディやバラエティでも全力投球。これがジャニーズの伝統でもあります。

Snow Man「ブラザービート」Music Video

 しかし、そういう一曲で逆に際立つのはラップの巧さ。具体的に書くと〈朝なんだからちゃんと歯磨いて/Hurry upしてくれ〉部分の見事な滑舌、〈僕ちゃうよ証拠は?/ってちょっと待って/この間ショートケーキ〉の部分に生まれる自然なフロウ、何度聴いても気持ちがいい。踊ること(体でビートを感じること)と歌うことが分かち難く結びついている人たちだなと改めて感じました。相変わらず、ほとんどの曲で際立つのはキックの強さとリズム感の良さです。

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