TWICEメンバー分析 第3回：ツウィ、メンバーにもファンにも愛されるピュアな存在感　“末っ子”から“頼もしい”メンバーに

　2022年7月、メンバー全員が所属事務所との契約更新を行なったことが発表されたTWICE。2015年のデビュー以来、韓国国内はもちろん日本をはじめ世界中の人々の心を掴み、K-POPシーンを代表するビッググループに成長した彼女たち一人ひとりの魅力を、改めて捉えたい。本稿ではグループの“末っ子”メンバー、ツウィに焦点を当てる。

　昨年、ツウィの「ME！」（テイラー・スウィフト）カバー歌唱映像が公開された際、その様子を見るナヨンとモモの何とも優しい表情が印象的だった。ままるでファンのように「かわいい」を連発するふたりが、鑑賞中絶え間なく寵愛の言葉を送り続けていたのは、TWICEのかわいい“末っ子”による晴れ舞台だからということもあっただろう。

　しかしスター然とした華やかなオーラを振りまきながらも、肩を少し揺らせてみせるその仕草や、はにかんだ笑顔、そして温もりを感じさせる真っ直ぐな歌声には、“末っ子”というグループ内の立場だけに留まらない、人々が彼女を愛すべき理由が示されているように感じる。

　普段は他のメンバーに比べ言葉少ななツウィだが、時折彼女から発せられる言葉は、受け手に耳を傾けさせ、それぞれの思いを巡らせるような力を持っている。例えば2019年、彼女が公式インスタグラム上に「他者の言葉で他者や自分自身を評価しないでください。この言葉をみんなに伝えたかったし、重要なことだとも思います。私がこんな投稿をしたのは、みんなを元気づけたいからで、たくさんの人がこの意見に賛同してくれると思ったからです」とのキャプションを添えて、その頃自身が抱いていたであろう率直な思いが綴られたメモを投稿。その最後には、こんな文章もあった。

「自分の気持ちを知っているのは私だけなのです。私と同じような考えを持つ人はいますか？ ONCE（TWICEファンの呼称）も落ち込んだことがあると思いますが、解決方法が見つかることを祈っています。ファイティン」（※1）

　ここで本人が言うとおり、当時のツウィが抱いていた気持ちがどんなものだったのか、その正しい輪郭を捉えることは、誰にもできないことだろう。しかしこれらの言葉から伝えられる誠実さや思慮深さ、そして何より「みんなを元気づけたいから」という理由から、自らが抱える複雑な感情を言葉にして発信したところに、彼女が人々へ、また自分自身へ向けた大きな愛情が表されているように思う。