そして、8月19日にリリースされた「Brand New Day」は前述したとおり、夏のイメージを前面に押し出したナンバーだ。トラックの基調はダンスホールレゲエ。心地よく飛び跳ねるビート、心地よい風を感じさせるメロディ、〈新しい希望 解き放って／遠く遠く踏み出す先に／流れるGood melody〉というフレーズが響き合い、聴く者を前向きなバイブスへと導いてくれる。サックス、パーカッションを加えた祝祭的なアレンジ、女性シンガー・羽純の滑らかなコーラスもこの楽曲の爽やかさを際立たせている。

　楽曲の中心を担っているのはKAJAのボーカルで、独特のハスキーボイスを豪快にグルーヴさせるスタイルはやはり唯一無二。〈くだらない奴等に使うな命〉〈どこまでも行こうか音の旅〉といったパンチの効いたラインは、彼の声だからこそ成立するのだと思う。軽快なカッティングと色彩豊かなフレーズで、楽曲に彩りを与えるYamashiRollのギタープレイにも注目してほしい。

　また、9月9日に公開されたMVでは、“海、青空、仲間たちとの最高の時間”をストレートに表現。YamashiRoll 、KAJAはもちろん、楽曲に参加した羽純（Cho）、森本啓太郎（Sax／K-106）、Wakana（Key／no entry）、那須健二（Ba／Pablo）、古屋悠（Dr／Pablo）、マスダリョウ（Per／no entry）もフィーチャーされ、ミュージシャン同士の自然な関係性が伝わってくる。音楽仲間との心地いいバイブレーションこそ、YamashiRoll & KAJAの核。そのことが改めて実感できるMVだと思う。

　ダンスホールレゲエのファンはもちろん、J-POPからヒップホップのリスナーまで、幅広く魅了する音楽性を備えたYamashiRoll & KAJA。このユニットの個性とド派手なポピュラリティを共存させた「Brand New Day」は、彼らの大きなブレイクポイントになるだろう。この曲を体感すれば、誰もがそう感じるはずだ。

※1：https://realsound.jp/2022/07/post-1086085.html

■楽曲情報
YamashiRoll & KAJA
「Brand New Day」
2022年8月19日（金）リリース
レーベル：TPS-RECORDS