さらに興味深いのが、先日公開された「Scream」の関連映像だ。MVではアトリエで座り込み、頭を抱えて悩むような仕草を見せていたSHUNTOだが、後日公開された「Scream -SHUNTO at the atelier-」と題した映像では、まるでずっと探し求めていた色を見つけたような表情で絵具を手にし、衝動的にキャンバスにアートを描き出す様子が映し出されている。これは、アーティストを目指してゴールの見えない努力を続けていたSHUNTOが、自分だけの彩り、すなわち“自分だけの個性”に気づいたことを示唆しているのではないかと考察できる。

　オーディション最終審査でメンバーに選出されると、SKY-HIから「爆発的な開花がまだきていない段階」としつつ「さらに高いレベルで揉まれることで、大輪の花を咲かせることを確信している」と伝えられたSHUNTO。その際、安心したような屈託のない笑顔で「今までの努力が報われた気がした」と話していたことからも読み取れるように、なぜ音楽をやっているのかという意志に迷いがない今のSHUNTOは、各々が高い音楽性を持ったメンバーと切磋琢磨する中でアーティシズムを一層明確なものにし、遠くないうちに大きな花を咲かせることだろう。

※1：『日経エンタテインメント！』2022年9月号