じっくりと彼女たちの軌跡を振り返ったのちには、3人を中心とした未来を見据えるように「SING」、「心に空を」へ。振り返るだけでなく進んでいくのだという決意が見られるような、ポップで前向きなステージを作り上げていく。「書きかけの未来」では本ツアーに向けた3人の練習風景などもスクリーンに放映されながら、弾むようなハーモニーが奏でられた。

　かれんより、「今回、自分たち一人ひとりに深く向き合うきっかけにもなりました。その上で3人は、これからもリトグリとして歌っていきたいと強く思います」さらに「私たちにどんなことがあっても、どんな形になっても、リトグリとして歌い続けていきたいということ。リトグリの可能性を広げるためにも、新しい仲間が必要です」と決意表明がされると、本編最後に「WONDERLAND」を披露。バイオリンの音色がゴージャスなバンドの音色と3人の歌声が、未来への扉を開くような高揚感を生み出した。

　オーディエンスとともにタオルや拳を振り上げながら「SAY!!!」、「全力REAL LIFE」のメドレーを披露しアンコールを終えた3人だったが、ダブルアンコールの拍手に導かれて再登場。公演の最後を飾った「世界はあなたに笑いかけている」では再び5人の映像と歌声で、幸福な一体感に満ちた会場を作り上げた。

　これまでのグループの軌跡、これからを担うメンバーの魅力、そして、今この瞬間を楽しませようという思いに溢れた、明るくもエモーショナルな演出とセットリスト。自身の気持ちやファンの存在と真摯に向き合い、華やかなステージを作り上げた彼女たちの今後を追わないわけにはいかないと思わせてくれる公演であった。