能條愛未、1st写真集を機に振り返る乃木坂46時代と役者としての活動 発売イベントでのエピソードも
乃木坂46の1期生として7年間のアイドル人生を貫き、現在は女優として、舞台を中心に活動している能條愛未。そんな彼女の1st写真集『カーテンコール』(blueprint)が6月30日に発売された。2泊3日の沖縄旅。開放的な自然のなか、彼女らしい表情にたくさん出会える一冊となっている。
アイドル時代を知る人からすると、意外な一面かもしれない。けれども今、彼女は「これが本来の私なんだ」と満足そうに笑っている。ピュアさが光る無邪気な笑顔。ときおり見せる真剣な目。大人になる道中で探し当てた、汚れのない27歳の童心。本作を読めば、きっと新たな彼女の魅力に気付けるはずだ。
発売から、もうすぐで1カ月が経つ。彼女のもとにも、続々と感想が届いている頃だろうか。ファンにも見せたことがない新たな顔、本音を語った約1万字のロングインタビュー。全てを曝け出した一冊を、彼女はどう振り返るのか。撮影時のエピソード含め、改めて本作にまつわる話を聞いてみた。(とり)
初めて知れた素直な自分
――本作のお話をいただいたときは、どんな心境でした?
能條愛未(以下、能條):ただただ信じられなかったですね。「えっ、本当に私でいいの?」って。いつかは写真集を出してみたいと思ってはいましたが、ぼんやりとした憧れでしかなかったので、まさか本当に出せる日が来るなんて想像もしていなかったんです。お話をいただいてからも、ずっと夢のような感覚でした。撮影を通して、ようやくって感じでしたね。撮っていただいた素敵な写真を見て、これらが一冊にまとまるんだと思うと、次第に実感も湧いてきました。
――制作にあたり、能條さんから何か要望は出されたんですか?
能條:乃木坂46にいた頃の私って、率先してふざけてはみんなを笑わせる、面白いヤツみたいなイメージだったと思うんですね。でも本来は、小心者な一面もあるし、常におちゃらけているわけではない。そういう私も知ってもらいたかったので、沖縄での撮影とはいえ、あえて明るい太陽の下ではなく、薄暗い室内でのしっとりしたカットを多めに撮っていただきました。一度手にとって見てもらえれば、きっと私に対するイメージも変わるんじゃないかな。
――見させていただいて、全体的に大人っぽくありながらもあどけない印象を受けました。ボーッとどこかを見つめている表情、ご飯を頬張っている表情に、取り繕っていないピュアさを感じたといいますか。
能條:おぉ〜、うれしいです! 実際、撮影中は、無理に笑顔を作ろうとか、カッコよくキメようとかは一切考えていなかったんですよ。楽しいと感じたときには楽しい表情をするし、別に笑いたい気分じゃないなってときは笑わない。写真集に写っているのは、全て、そのときどきに出てきた素直な表情なんです。それに、おっしゃる通り、わりと子どもっぽいんですよね、私(笑)。気持ちが顔に出やすいというか、嘘がつけない性格で。意識していたわけじゃないですけど、やっぱりそういう感じが本来の私なんでしょうね。
――素直な自分でいられるようになったのは、乃木坂46を卒業して約3年経った今だからこそなんでしょうか?
能條:そうですね。乃木坂46にいた7年間は、凄まじく目まぐるしい毎日で、自分とゆっくり向き合う時間もなかったですから。卒業して、ひとりの役者として舞台に立って、初めて自分の感情と素直に向き合えて。自分さえも知らなかった自分に気づかされたことによって、ようやく素の自分らしさを曝け出せるようになってきたのかなと思います。
あとは、コロナ禍の影響も大きいですね。舞台が中止になって、何をするでもなく、ひとりで家にいる時間が増えたのは、自分自身について深く考えるきっかけになりました。もともと得意じゃなかった料理や掃除も、コロナ禍を経て好きになりましたしね。いろんな意味で、自分には必要な3年間だったように感じます。
――写真家・熊谷直子さんとのコミュニケーションはいかがでした?
能條:私、かなりの人見知りなんですけど、熊谷さんとは、初めてお会いしたときから緊張せずに目を見てお話しできたんです。「何でも受け止めてあげるからね。遠慮せずに飛び込んでおいでよ」と言わんばかりのあたたかさが溢れ出ているような方だったので、終始、安心感がありました。ずっと昔から知り合いだったんじゃないかと思うくらい、一緒にいて心地良かったんですよね。
「自然と出てきた表情だけを撮ってもらった」とお話ししましたが、熊谷さんからも「こういう顔をして」とは何も言われなかったんです。リラックスした状態で何気ない会話をしていたら、いつの間にか撮影が進んでいた、みたいな。だから、自分らしい表情が詰まりに詰まった一冊になったんでしょうね。熊谷さんに撮影をお願いできて良かった。出会いに感謝ですね。また機会があったら、撮ってもらいたいです。