草なぎ剛はなぜ人を引き寄せるのか? 神木隆之介、吉沢亮、ユースケ・サンタマリアらの発言から考える

 この春、草なぎ剛の嬉しいニュースが続々と舞い込んでいる。4月14日からはサントリー『GREEN DA・KA・RA』ブランドの新たなキャラクター“やさしいマン”として新CMに登場。稲垣吾郎、香取慎吾と共に送る月に一度のレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA、※以下『ななにー』)にもゲスト出演した、空気階段とも同CMで再共演を果たすことに。

GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶『やさしいマン-大工-』篇 長尺 18秒 草なぎ剛 空気階段 サントリー

 そして、4月28日からは電子書籍レンタルサイト『Renta!』の新CMにも出演。壁を突き破ってスマートフォンの胴体を差し出し、「レンタルチェック!」と漫画のレンタルを勧めるキャラクター“レンタ”に扮する。「小さい時からお仕事をしている」という神木隆之介とのコミカルな掛け合いにも注目だ。

Renta! レンタルチェック篇

 またCMだけではなく、昨年10月に特番として始まったバラエティ番組『草彅やすともの うさぎとかめ』(読売テレビ)が、5月15日よりレギュラー化。ゆったりとした草なぎにチャキチャキとツッコんでいく海原やすよともこ、という初対面とは思えない同世代の絶妙なトークが復活する。さらにオンエアに先駆けて4月27日には草なぎのInstagramでインスタライブを実施するというから楽しみだ。

 「はじめまして」も「お久しぶり」も、必ず再会につながっていく草なぎ剛の持つ“引力”。草なぎ剛という人は、共演者から見たらどんな人なのだろうか。改めて発言から振り返ってみたい。

神木隆之介の思い出話から見る、作品への愛情深さ

 まずは『Renta!』でのCM共演を受けて、「ハッキリ覚えています。超びっくりしました」と神木が披露した草なぎとの思い出話が非常に興味深い。道端で急に草なぎから「あのー、もしよかったら映画観てください」と声を掛けられたのだという。しかも、そのとき草なぎは神木だと認識しておらず「え、草なぎさん?」と驚いて声を上げたところ、「あ、神木くん!」とようやくわかったというのだから、なんとも草なぎらしいエピソードではないか。

 一時期、自身が出演する映画のチケットを購入して渡していたのだという草なぎ。テレビ番組などで告知関連の仕事をこなすだけではなく、そうした地道な活動を人知れず行なっていたとは驚きだ。だが、振り返ってみれば草なぎはこれまでも出演作品をこよなく愛してきた。『ななにー』のフリートークでも、事あるごとに自身が関わった作品や商品名を出し、ロングヒットとなった場合には何度もその感謝を伝えていたことを思い出す。

 とはいえ、「(声を掛けられたのは)雨の日でした」という神木に、「え、雨の日? じゃあ(記憶と)違うかなー?」なんて笑ってみせる、なんともフラットなところも草なぎの大きな魅力。なにかに媚びているわけでも、その場の空気を読んでいるわけではなく、自然体に自分が関わったものへ愛情を注いでいくのが、草なぎスタイルと言えそうだ。

吉沢亮が明かした、ミステリアスで心揺さぶられる存在感

 近年、草なぎのキャリアにおける大きな仕事としてNHK大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)を思い浮かべる人も少なくないはず。長期に及ぶ撮影、そして主演を務めた吉沢亮とは、渋沢栄一と徳川慶喜という特別な関係性を築いたことでも記憶に新しい。

 そんな吉沢から見た草なぎの印象を対談で以下のように語っていた。「慶喜は多くを語らないから、ミステリアスで、草なぎさんのお芝居もミステリアス。どんな役者さんにも役と本人のはざまが見える瞬間があって“こういう芝居をやりたいんだな”と分かるものですが、草なぎさんには全くそれがない。何を考えているのか、本当に分からない。だからこっちは不安になるし、すごく感情を揺さぶられるんです。慶喜と重なるその魅力に引っ張られています」(※1)。

 たしかに草なぎという人はつかみどころのない部分がある。『GREEN DA・KA・RA』新CMのインタビュー映像でも空気階段の2人から「ミステリアスだなー」と言われている場面があった。これは「今食べたいもの」を草なぎが空気階段に聞いて場を和ませたにも関わらず、聞き返されると「そんな簡単に教えないよ」と頑として明かさなかったことから。そんなライトなおふざけを見せたかと思いきや、「一緒にリニューアルしていこうよ、自分の人生を」とキレのあるコメントを披露する。そんな切り替えの素早さも草なぎがミステリアスと言われる理由だ。

 何を考えているのか見えない。どんなものが出てくるかわからない。掛け合うたびに飛び出す一面に驚かされる。同時に、それに反応していく共演者側の新しい顔も引き出すことができる。その予定不調和な表現力が、常に進化の求められるエンターテインメントの世界における貴重な存在として重宝されているのだろう。

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