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オリヴィア・ロドリゴ、ザ・キッド・ラロイ、ゲイル……新世代の躍進　2021年グローバルチャート動向・音楽ニュースを振り返る

文＝Kaz Skellington (Steezy, inc.)

7月

　7月8日付のチャートでは、Måneskinの「Beggin’」が1位を獲得。2017年にリリースされたThe Four Seasonsのカバーである「Beggin’」が、リリースから4年経った2021年に大ヒットし、話題になった。

　また、2020年アーティスト収入ランキングが発表され、1位はテイラー・スウィフト、2位はポスト・マローンとなった。（※8）

Måneskin - Beggin’ (Official Video)

8月

　8月5日付のチャートで、ザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーの「STAY」が1位にチャートイン。その後「STAY」は11週にわたり1位の座を維持。リル・ナズ・Xの「INDUSTRY BABY」と、Måneskinの「Beggin’」が、数週にわたり2位と3位の熾烈な争いを繰り広げたことも印象的であった。

　8月上旬にはカニエ・ウェスト『Donda』のリスニングパーティーがアトランタにて行われ、宙に浮いて退場するカニエ・ウェストの姿も話題になった。また、牛乳ケースを積み上げ、その上を渡り切る「ミルククレート・チャレンジ」がSNS上で流行した。（※9）

The Kid LAROI, Justin Bieber - STAY (Official Video)
カニエ・ウェスト『Donda』

9月

　9月9日付のチャートでは、アルバム『Certified Lover Boy』をリリースしたドレイクの楽曲が多数チャートインするが、ザ・キッド・ラロイの「STAY」が1位をキープ。9月中旬にはGlass Animalsの「Heat Waves」が上位にランクインし、現在も上位をキープしている。

　9月下旬には、エミネムが「Lose Yourself」にちなんだレストラン「Mom’s Spaghetti（母さんのスパゲッティ）」をオープン。中指を立てたエミネム本人がドライブスルーを担当したことが話題になった。（※10）

10月

　ザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーの「STAY」が、10月21日付のチャートでついに2位にランクダウン。アデルが「Easy On Me」で1位にチャートインするまでの11週間、1位の座を保持し続けた。

　またタイラー・ザ・クリエイターが、BETアワードで「Rock The Bells Cultural Influence Award（文化影響賞）」を受賞した。（※11）

Adele - Easy On Me (Official Video)

11月

　11月18日付のチャートではテイラー・スウィフトが「All Too Well (Taylor’s Version)」で1位にチャートインしたが、その翌週にはアデルの「Easy On Me」が1位の座に返り咲いた。

　11月5日、トラヴィス・スコット主催の音楽フェス『Astroworld Festival』で死亡事故が起きた。11月17日にはメンフィス出身のラッパー、ヤング・ドルフが銃撃され亡くなる。11月28日にはルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクターであり、OFF-WHITEの設立者としても知られるヴァージル・アブローが、がんのため逝去。11月は音楽業界にとっても、悲劇的なニュースが多い月となった。

　また、11月末には第64回グラミー賞のノミネートが発表され、ジェイ・Zが歴史上で最も多くノミネートされたアーティストになった。（※12）

12月

　12月16日付のチャートでは17歳のシンガーソングライター、ゲイルのメジャーデビューシングル「abcdefu」が1位に輝いた。12月23日付のチャートでは、マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」が1位になり、Wham!の「Last Christmas」などのクリスマスソングが上位に浮上した。

GAYLE - abcdefu (Official Music Video)

（※1）https://www.billboard.com/music/rb-hip-hop/lil-nas-x-old-town-road-riaa-history-14-times-platinum-9509238/
（※2）https://hiphop-n-more.com/2021/01/drake-becomes-first-artist-to-reach-50-billion-streams-on-spotify/
（※3）https://www.glamour.com/story/the-weeknd-put-7-million-dollars-of-his-own-money-into-that-super-bowl-halftime-show
（※4）https://hiphopdna.jp/news/14317
（※5）https://hiphopdna.jp/news/14529
（※6）https://www.rollingstone.com/music/music-news/lil-nas-x-call-me-by-your-name-1146925/
（※7）https://hiphopdna.jp/news/15069
（※8）https://www.billboard.com/music/music-news/musician-us-money-makers-highest-paid-2020-9602078/
（※9）https://hiphopdna.jp/news/15510
（※10）https://hiphopdna.jp/news/15881
（※11）https://hiphopdna.jp/news/15910
（※12）https://www.forbes.com/sites/marisadellatto/2021/11/23/jay-z-becomes-most-grammy-nominated-artist-ever/

Kaz Skellington (Steezy, inc.) Follow on SNSFollow on SNS

カリフォルニア州オレンジ・カウンティ出身のアーティスト／音楽ライター／スケーター。HIP HOP DNA編集／ライターや、Playatunerの代表として、ケンドリック・ラマーを含む数々の海外アーティストのインタビューやライナーノーツを担当する。J-WAVEのヒップホップ番組「Booze House」のパーソナリティも務めていた。アーティストとしてはルイス・コール、ノウアー、アノマリーなどのオープニングアクトを務めた経験もある。
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