THE CHARM PARK、大橋トリオ×WOWOWオリジナルライブ 担当プロデューサーが語る音楽・ライブ映像への愛情
有観客ライブではできないことをやりたい
ーーコロナ禍のなかで急増した配信ライブですが、THE CHARM PARK、大橋トリオをフィーチャーしたWOWOWオリジナルライブは、演出、映像を含めて他とは一線を画しています。まずはこのプログラムの基本的なテーマを教えてもらえますか?
松井菜穂(以下、松井):オリジナルライブを制作する際に自分の中でベースとしていることが二つあって。一つは、“延期や中止となったライブに行けなくなった人たちに、WOWOWを通してライブを体感してもらうこと”。もう一つは、“アーティストが表現できる機会を作ること”なんですね。なので、どのアーティストにもまずはご興味があることやご希望を聞くようにしているのですが、今回は大橋トリオさんから“自宅で撮るのはどうですか?”、THE CHARM PARKさんからは“有観客ライブではできないことをやりたい”とアイデアをいただいたので、そこからそれぞれ広げていった感じです。また、個人的にではありますが、どんなものを作るときも愛をこめて制作する、というのを基本的なテーマとして掲げています。
ーーTHE CHARM PARKのライブでは、60年代、70年代、80年代、そして現代にフォーカスを当てたパフォーマンスを披露。このアイデアを映像にするために意識したところ、こだわった部分はどこでしょうか?
松井:衣装や髪形はもちろん、演奏もそうですが、撮影方法、映像化したときの画角や、テロップにもとてもこだわっています。「もっとダサくしてほしい」と何度もご本人からオーダーがあるくらい時代感を意識し、“この当時のMVってこんな感じだったよね”と納得できるまで監督には何度も作業をしてもらいました。見ていただくと分かると思いますが、かなり挑戦的なテロップや画面構成となっているので、今が一体いつの時代かわからなくなることもあるかと思いますが、それこそが狙いなので、驚きながらも最後まで見ていただければと。
ーー確かに各時代とも、ビックリするほど作り込まれてますよね。撮影時に印象的だったことは?
松井:一番印象的だったのは、ご本人とメンバーのみなさんがノリノリで撮影に臨んでいたことでしょうか。ご本人の「有観客ライブではできないことをやりたい」という言葉から始まったオリジナルライブで、衣装チェンジやヘアメイク時間などを考えると確かに有観客のライブでは難しいだろうなという内容でしたが、あまりにやりすぎるとMVのようになってしまう。こちらからは“ライブであることも感じられるように”というオーダーを出していましたが、あんな風に楽しんでいらっしゃるお姿を見ると、ついなんでもOKしてしまいそうな自分がいました(笑)。
ーー松井プロデューサーから見た、THE CHARM PARKの魅力とは?
松井:一つの音楽ジャンルの括りには収まらない、とても自由なアーティストだなと常々思っていて。WOWOWの視聴者には、邦楽はもちろん、洋楽が好きな方も大勢いらっしゃるので、そういった方々に、一つの音楽ジャンルを飛び越えたTHE CHARM PARKの音楽が響くに違いないと思ってオリジナルライブのお声がけをしました。今回はご自身の好きな洋楽をオマージュして世界観を創り上げていただきましたが、ベースとなっている彼の楽曲は、その柔らかい声もそうですが、どの曲も聴いた後に心がじんわりするような優しさに包まれている魅力があるとずっと思っています。また、今回映像化して思ったのが、どんな時代の格好でもお似合いになる! ということ。まだまだ私たちの知らないTHE CHARM PARKさんの魅力があるんだろうなと思うと、これからの活動も楽しみです。