「Juden」インタビュー

Kroi、独自のファンクネスとユーモアはいかにして生まれている? 多くの人を惹きつける5人のパーソナリティに迫る

「進化や変化を恐れない」内田のマインドがKroiの軸に

内田怜央

――では、最後にボーカル内田さんはどんな人ですか?

益田:LINEの返事が遅いです。

千葉:ほんっとにLINE見ないよね?

長谷部:3回くらい追いLINEしないと返事くれない。

内田:……(苦笑)。

――他の話題もお願いします(笑)。

益田:怜央は、めちゃくちゃ考えていますね。Kroiで歌詞をメインに書いている人間だからっていうのもあると思います。歌詞のテーマについても、ネットで収集した情報だけだとどうしても薄っぺらいものになるじゃないですか。そうじゃなくて、自分が歌いたいテーマについて、論文や書籍までちゃんと読んで調べて、自分の中にちゃんと落とし込んでから歌詞に転換していくっていうことをちゃんとやっている。そうやって見えないところで勉強しているし、インプット量も多いけど、それをちゃんと楽しみながらやっている印象もあります。

関:インプットに関していうと、歌詞の面だけじゃなくて音楽もそうですね。僕らはそれぞれ、音楽をディグるタイプではあるんですけど、怜央は中でも段違いのインプット量なんですよね。掘るジャンルも幅広いし、それぞれについて納得するまで突き詰めていくから、デモが上がってくる段階で薄味じゃないんですよ。しっかりジャンルを理解したうえでそのテイストを取り入れている。あと、これは益田の話にも通じますけど、怜央は、今はボーカルという立場ですけど、そもそもドラムをやっていたし、ギターも弾けるし、楽曲作りのうえで鍵盤を軽く弾いたり、デモの段階でベースも入れてくれる。なので、それぞれのパートに対しての理解力があるんです。音楽的なブレーンである怜央がそういう人であることは、Kroiの強みだと思いますね。

長谷部:音楽だけじゃなくても、新しいことが好きだよね。

関:そうだね。そういう怜央のマインドも、バンドの方向性にすごく生きているなと思います。「進化や変化を恐れない」ってインタビューでよく怜央は言うんですけど、それがちゃんとKroiの軸になっている。なので、「え、こんな曲出すの?」と周りに思われそうな曲が生まれたとしても、そこに躊躇しない。それができるのは、フロントマンである怜央が変化を恐れないマインドで曲を作り、バンドを引っ張ってくれているからだと思う。

長谷部:あと、怜央は人に届けることに関して、「届けた先」にあるものまでちゃんと意識している感じがしますね。

――ご自分ではどう思いますか?

内田:そうですね、曲を聴いてもらっても、曲の中だけで完結するものではあってほしくないというか。僕らは、曲を聴きながらその周りのカルチャーにも影響を受けてきたんですよね。Kroiを聴いている人たちにも、そういうものを感じ取ってもらいたいなという気持ちはあります。曲を超えた、曲の周りにある空間さえ芸術にしたい。例えば、さっき千葉さんが「すべてを言いすぎないことが大事だ」って言いましたけど、そういうことを実践していくことで、聴いてくれた一人ひとりの中で完成する音楽が生まれると思うんです。そうすると、曲を聴いてくれた人たちがいる空間が、曲に対するいろんな価値観が存在する空間になる。そうやって、気持ち悪い妄想みたいなものが広がっていくのが好きなんです。妄想が好きなんでしょうね、僕は。妄想癖です(笑)。

――その「妄想する」という行為が、生きることにとってポジティブなものを生んだりするんですよね。

内田:そうですね。妄想できていないと、人っておかしくなっちゃうんじゃないかと思うんですよ。辛いことがあるから、人間は神話を生んだりしたわけじゃないですか。芸術の発端ってそういうところにあると思うんですけど、今でも、芸術はそういうものだと僕は思っているんです。自分の中から毒素を出すというか、世の中にあるよくないことや苦しいことに対抗する手段として、芸術は大きいものだと思ってます。

新曲「Juden」リリース 第2章に入ってもKroiはブレずに好きなことをやる

――では、他己紹介はここまでにして、新曲の話を。11月にリリースされるEP『nerd』に先行して、新曲「Juden」が配信リリースされます。この曲は、音楽的にはどのようなテーマを持って制作されましたか?

内田:正直、この曲に関しては作っているときにはあんまりなにも考えていなかったです。

関:でも、「Kroiの第2章とは?」っていうのはあったよね? 前作『LENS』を出したときに、怜央はインタビューで「一旦、ここでKroiの第1章が終わる。次からは第2章だ」と言っていて。この「Juden」っていう曲、デモのタイトルはまさに「第2章とは?」だったんですよ。「第2章とかいって、結局またファンクやるんかい!」みたいなことを、実は曲の頭でモゴモゴと怜央が喋っているんです(笑)。

――そうなんですね、気づかなかった……。

関:結果として、これからもブレずに自分たちの好きなことをやるっていうスタンスが見せられる曲になったんじゃないかと思います。第2章に入るとはいえ、自分たちがその時ファンクを好きなら、ファンクをやる。そういうことを表現できた曲になったんじゃないかと思う。

千葉:裏を返すと、ここまでファンクな曲も今までのKroiにはなかったよね? だから、すごくいいと思う。しかも今、世の中に主流なジャズファンクって、音数が少なくて、いなたい、スカッとしたファンクというよりは、もっと重たくなってきている印象が僕にはあって。ドシッとしたビートでくるファンクが今はキテいるんじゃないかっていう気がするから、そういうものをKroiとして表現できているんじゃないかと思う。

――たしかに、ここまで真っ向からファンクっていうのも、逆にKroiにとっては珍しいのかもしれないですね。僕は、ライブでのKroiの熱量を閉じ込めた曲のようにも感じました。「Juden」は、歌詞にはどのようなイメージがありましたか?

内田:昔の自分は、日常に足りていない明るい要素を、表現からもらっているような感覚があったんです。でも最近は、グロテスクな映画を観たり、怖い話を聞いたり、ちょっと憂鬱になるようなものが、自分にとっていい感じに作用するっていうことに気づいたりして。新しい価値観が自分の中に生まれてきている感じがするんですよね。なので、暗い話を1本のストーリーとして書いてみて、「それに触れることで、あなたたちは充電しているんだよ」っていうことを書けたらいいなと思いました。要は、人生において「憂鬱を充電することもある」ということですね。そういう歌詞を書こうと思いました。

――なるほど……面白いです。EP『nerd』、全体を通して聴くのも非常に楽しみなのですが、どんな作品になりそうですか?

内田:作品の評価って、世に出して1カ月くらい経ってから自分でわかってくるものなんですけど、今の時点で言えるのは、新しいEPは1曲1曲がめちゃくちゃカッコいいです。絶対に聴いてほしい。

――楽しみにしています。では、今日の取材はここまでということで、ありがとうございました。

5人:ありがとうございました。

益田:……あ、お菓子いかがですか?

――いただきます(笑)。(スニッカーズをいただきました)

Kroi - Juden [Official Video]
Kroi『nerd』
 

■リリース情報
「Juden」
配信はこちら

『nerd』
CD:physical.lnk.to/Kroi1stEP
配信:https://lnk.to/nerd_KroiPR
特設サイトはこちら

発売日:11月17日(水)
CD Only ¥1,650(税込)
CD+DVD ¥3,300(税込)

【CD収録曲(全6曲)】
01. Juden
02. pith
03. Rafflesia
04. blueberry
05. おなじだと
06. WATAGUMO

【DVD収録内容(全19曲)】
Major 1st Album『LENS』Release Tour “凹凸” from 2021.08.27 LIQUIDROOM
01. dart
02. Mr. Foundation
03. Balmy Life
04. sanso
05. shift command
06. a force
07. Monster Play
08. ichijiku
09. Custard
10. selva
11. Page
12. 帰路
13. Pirarucu
14. 侵攻
15. 夜明け
16. Network
17. HORN
18. Shincha
19. Fire Brain

【CDショップ 予約購入先着特典】
・TOWER RECORDS全店(オンライン含む):マスクストラップ
・Loppi・HMV全店(HMV&BOOKS online含む):缶バッチ
・Amazon:メガジャケ
・楽天ブックス:アクリルキーホルダー
・その他法人:ミニステッカー

Kroi HP/ECサイト
HP:https://kroi.net
ECサイト:https://store.kroi.net

Kroi SNS
Twitter:https://twitter.com/KroiOfficial
Instagram:https://www.instagram.com/kroi_official/

Kroi official YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCc9CJVSnJx5WTq8E9T4bIoA


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<締切:11月6日(土)>

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