K-POP、日本での受け入れられ方の変化 J-POPシーンに刺激を与えてきた韓国アーティストたち
日本でK-POPを根付かせたアイドルは今?
日本のK-POP第1次ブームを牽引してきた韓国アイドルといえば、少女時代やKARAだろう。彼女たちも日本のマーケットに合う形で活動を行って成功した例だ。日本の女性アイドル=可愛いと言うイメージだった中で、健康的なセクシーさをウリにしたことは、当時は新鮮に映った。特に少女時代は美脚を全面的に押し出したことで、日本のアイドルとは違うアピールをすることができた。
BoA以降の日本の韓国アーティストとして男性グループには東方神起がいたが、どちらかというと女性アイドルの人気が強かったように思える。筆者が知る範囲で当時を思い出しても、テレビでは少女時代やKARAを見ることが多かった。現在、少女時代は各メンバーが事務所がバラバラになるなどして実質活動休止状態、KARAは解散という形になってしまった。韓国において女性アイドルグループを長く続けることは難しいと言われており、日本のK-POPを引っ張ってきた彼女たちもその通りになってしまった。
一方、BoAは、現在も日本と韓国を中心に活動をしている。最新の楽曲の発表は2020年になるが、日本ではJ-POP、韓国ではK-POPとそれぞれの国のシーンに合わせた音楽性を貫いている。韓国での立ち位置は「日本で成功した歌姫」というレジェンドの扱いだ。彼女の成功を見て、K-POPが世界に羽ばたいていったからだろう。
日本のK-POPはJ-POPではなくなる
BTSが起爆剤となり、K-POPは日本のみならず世界的にも大きく広がっていっている。グローバルな展開を目指したK-POPの音楽性やパフォーマンスのレベルが高かったのもあるのだが、欧米にはないK-POPアイドル独自の世界観があったことも世界の人たちを惹きつけた要因だ。
そんな中で「第4次韓流ブーム」と言われている日本のファン層も大きく変わってきた。今までは一部のリスナーが好むニッチなジャンルだったK-POPは、一般層まで広がりメジャーなジャンルになった。新しいファン層は「K-POPをそのまま」受け入れている印象がある。そのため、韓国語の原曲も好んで聴く傾向があるのではないだろうか。これからはK-POPのままの音楽性で日本でも受け入れられていくことだろう。
また、日本では『PRODUCE 101 JAPAN』出身のJO1やその派生グループ、JYPエンターテイメントとソニーミュージックによる『Nizi Project』出身のNiziUをはじめとした、K-POPを意識したグループも多く出てきているのも面白い。今まではK-POPのアイドルたちがJ-POPを意識してきたのに、今はその逆の現象が起きているのだ。実際、K-POPアイドルに憧れを抱き、自分もそうなりたいという夢を見ている若者も多く、韓国で活躍する日本人も増えてきている。
ネットで世界中の音楽に気軽に触れられるようになり、J-POPやK-POPなどの世界中の音楽の垣根は低くなりつつある。そういう意味で、これからの日本の音楽シーンの変化が楽しみだ。
■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等