海外リスナーからも賞賛される新鋭シンガー RAKURA×Ra-U、二人三脚で歌にした“等身大の素顔”

国境を超えてどんどん発信していきたい(RAKURA)

ーーそして、最後にアコースティックのバラード「the song」が収録されています。

RAKURA:この曲は私のお母さんに向けた曲ですね。わかりますか? 

ーーわかりますよ。母への感謝の手紙にしか聴こえないです。

Ra-U:描いてる時に、「これ、分かられたらイヤや」って言ってて。絶対にわかるやんって。

RAKURA:お母さんに言ってないんですよ。まだ、この曲だけ聴かせてなくて。今、上京して、離れて暮らしてるんですよ。

Ra-U:実際のところ、お母さんの話がよく出ていて。「すごく感謝している。でも、うまく自分で表現できない気持ちがある」って。そういう話を聞いてるときに、「じゃあ、お母さんに曲を書けば」と提案して。「ありきたりな感謝の言葉なんか述べなくていいし、今の自分なりの言葉で書けばいいし、自分勝手な歌詞になってもいいから」って言ったんですね。この「In me」自体がそうですけど、RAKURAが何年もキャリアを積んだあと、何かに迷った時や困った時に一度、戻ってくるセーブポイントになればいいなと思ったんです。これは最初のコードを弾くところから、一緒にZOOMで作っていきました。

RAKURA:この曲の話をすると泣いちゃうから、あんまり話したくないんですよ。ちょっと……(と言いながら、涙を拭くティッシュに手を伸ばす)

Ra-U:まだ何も話してないのに(笑)。サウンド面は、他の4曲と明らかに違うので、普通は入れないと思うんです。ただ、RAKURAの歌声からは、草原で風が吹いているような感じというか、日本で育ったようには思えないような広さを感じていて。この曲はデビュー前にRAKURAがYouTubeに上げていたような、アコースティックギターで歌ってるだけの少女でいいんじゃないかと思って、曲にもカントリーテイストを少し入れました。もう一回、1曲目に戻って、このアルバムが聴きたくなるような曲になればいいなと思ったし、僕もチャレンジだったんですけど、けっこう振り切って作りましたね。

――歌詞に込めた思いを聞いていいですか。お母さんにはどんなことを伝えたかったですか。

RAKURA:私はもう家を出て、離れて暮らしていて。きっと寂しい思いをさせてしまうと思うんですよね。私、今までほんとに、やりたいことをさせてもらって、ここまで来れたので……お母さんへの気持ちを全部、詰めました。こんなにまっすぐ描書いていいのかなって言うくらい。そのまま作文みたいなものを歌詞にしました。比喩も使ってないし、濁してもない。直接、伝わる歌詞で、全部、日本語で、そのままの思いを書きました。

Ra-U:部屋に、“素直”っていう字を飾ってるんですよ。照れてたんだけど、それ、描書いちゃおうって。

RAKURA:ほんとに全部が実話で。それを描書いたらバレるじゃんって。嫌だったんですよ。

Ra-U:10年後の自分へのメッセージにもなるしね、その時に聴き直したら絶対に食らうと思う。あと、〈自分の声で行けるところまで行くよ〉って歌ってるじゃないですか。普通、母への感謝を伝える曲で、自分の意思の話はしない。でも、それが、ものすごくリアルで。いい意味で自分勝手でもあって。伝わる前提ではないけども、伝わることへの照れまで見えるのがいいなと。

RAKURA:最初にRa-Uさんが、「泣かせてしまった」って言ったのは、この曲ですね。深堀りされました。最初に話した時もずっと泣いていたし、レコーディング中も、エンジニアさんが泣いて、それにもらい泣きして歌えなくなって。ブリッジのところでは、泣いてる声をそのまま使ったりもしてます。

――5曲揃って、ミニアルバムが完成して、ご自身にとって、どんな1枚になりましたか。

RAKURA:私の大切なものを詰め込んだ作品になりました。本当に作詞から、レコーディングの声の出し方から、ジャケットもアー写も衣装やMVも、レコーディングが終わった後のミックスまで関わらせてもらって。最高の作品になりました。終わった後には、泣きそうなくらい感動しました。自分が伝えたいことを伝えて、それが形になっていくのを目の当たりにして。いろんな人たちが関わってくれていて、支えてくださって、いろんな人たちが動いてくださってるのを実感できて、感謝の気持ちでいっぱいです。

Ra-U:やるべきことを、RAKURAがちゃんとやったなっていう感じですね。プラス、このアルバムに関しては、僕が人生で作ってきたアルバムの中でも、初めて世に出した自分たちのユニットのアルバムくらい入れ込んで作ったなっていう思いがあります。今後のことを考えた時に、現時点では最高なんですけど、いい感じで高いハードルを設定できてよかった。超えるなら高いハードルの方がいいですからね。きっと、RAKURAは、僕たちが想像できない速度で伸びるんだろうなと思うので、振り落とされないように頑張るだけです。

RAKURA:めっちゃかっこいいので、ほんとにたくさんの人に聴いてほしいです! 5曲あるうち1曲は刺さってくれると思うので。

Ra-U:2021年前半の金字塔になってほしいです。

ーー最後に今後の目標を聞かせてください。

RAKURA:元々英語が好きで、洋楽が好きで。海外にも発信していきたいなっていう思いはあったんですけど、デビューしてから、海外の人の反応をもらったりしてから、届いちゃうんだって実感して。世界に対しての興味がもっと湧いているので、国境を超えて、どんどん発信していきたいです。ワールードツアーも実現したいし、世界に向けて頑張っていきたいです!

1stミニアルバム『In me』

■リリース情報
1stミニアルバム『In me』
2021年4月15日(木)配信リリース

<収録曲>
Teenage-Dream
Jewel in the Crown
Runaway
BIG FLEX
the song

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