最後に『ラブライブ！』シリーズからは、Aqoursが3月1日以降、過去のライブ映像を積極的に公開している。5月9日と10日には、2018年夏に開催された『Aqours 3rd LoveLive! Tour ～WONDERFUL STORIES～』より、複数公演の映像を楽しめるそうだ。また、彼女たちの後輩である虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会も、4月10日から3日間にわたり、ユニット結成から間もない頃に開催したイベント映像を届け、多くのファンを喜ばせていた。

　本題からは外れるが、μ’s・三森すずこも4月18日と19日に、同シリーズに関連した企画を開催。μ’sが2016年春に開催したファイナルライブの映像作品を、全国・全世界のファンが決まったタイミングからそれぞれで再生するというもの。それが、「みもりんと一緒にμ'sのファイナルライブ観てくれませんか？企画！！」。略して「ミミミ」だ。

　この企画は『ラブライブ！』運営主導ではないものの、三森以外のμ’sメンバーもTwitterなどで当時を懐かしんでいた様子。そのやり取りに、自宅で過ごすファンもほっこりさせられるなど、時間と場所が離れていても、μ’sとの確かな“繋がり”が今なおあることを実感させてくれた。

　本稿で紹介した以外にも、同様な企画を実行している声優アーティストらはたくさんいる。予定していた作品リリースやイベント開催が止むを得ずに延期／中止となっている現状だが、これらの企画は、音楽活動の歩みを止めないという彼らの意思表示でありながら、それ以上にむしろ、ファンのために“何かをせずにはいられない”という優しさから生まれるものではないだろうか。そんな声優アーティストからの贈り物を楽しみながら、自宅でのひとときを過ごすのも悪くはないだろう。

◼︎一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも選ばれしシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter：@kota_ichijo