5th Album『BRIGHT NEW WORLD』インタビュー
Little Glee Monsterが語る、“輪”を広げるための新しい挑戦「今年もリトグリを好きって人たちをもっと増やしたい」
ニューアルバムは「これから開けていく物語」を意識(manaka)
ーーここからはニューアルバム『BRIGHT NEW WORLD』の話題に入りたいと思いますが……いやあ、すごい作品に仕上がりましたね!
全員:ありがとうございます!
ーー前回のEPでのインタビュー(※参照:Little Glee Monsterが語る、Earth, Wind & Fireとの共作で得た自信「自分たちが目指すところはこれなんだ」 )で「『これはまだやってない』というものに今、まさに挑戦しかけている」という発言がありましたが、どういうものが出てくるんだろうと楽しみにしていたら、アルバム後半からの流れがまさにそれなのかなと。
芹奈:まさにそうですね。
ーーかつ、そういった新たな挑戦と既存の楽曲が見事に馴染んだ作品になりました。
かれん:そうなんですよね。
MAYU:既存曲は何かしらのテーマソングになっているものが多いので、リトグリを知らない人でも1曲ぐらいは聴いたことがあると思ってもらえそうだし。しかも、アルバム収録曲のうち4曲をアメリカでミックスしてもらっていて。そういうことも初めてだったので、また新しいリトグリ像を作りだせたのかなと思います。
ーー実際にアルバム用の新曲をレコーディングしていく過程で、皆さんの中で全体像って見えていましたか?
manaka:事前にアルバムのイメージや構成をスタッフさんから聞いてから録り始めたので、このアルバムのコンセプトを意識しながらレコーディングに臨んでいました。
かれん:収録する楽曲もレコーディング前に聴かせてもらって、みんなで「これいいね」とか言いながらアルバム制作に入れたので、イメージしやすくてよかったなと思います。
ーーちなみに、今回どういう説明を受けましたか?
manaka:まさに『BRIGHT NEW WORLD』というタイトルどおりで。「ECHO」から始まって「In Your Calling」で終わるように、「ひとつの完結した物語」というよりも「これから開けていく物語」を意識してアルバムを作っていこうという話だったと記憶しています。
「これを今のリトグリで歌ったら絶対カッコよくなる」(芹奈)
ーー先ほどMAYUさんが「4曲をアメリカでミックス」したと言っていましたが、それはLAでレコーディングした「I Feel The Light featuring Earth, WInd & Fire」と……。
MAYU:あとは「Love Yourself」と「SPIN」と「move on」です。
ーーなるほど。確かにこのあたりは、海外を強く意識した作風ですものね。アルバムの構成的にも「ECHO」から力強く始まり、そのまま前半は耳馴染みのある楽曲が続くので、従来のファンや初めてリトグリに触れるリスナーにも親しみやすい作風ですが、後半の「move on」と「SPIN」で雰囲気が激変します。
MAYU:そうですよね(笑)。
ーーこの2曲はBTSやホールジー、ケイティ・ペリー、デュア・リパなどを手掛けるチームが作曲やトラックメイキングを手がけているんですよね。
MAYU:みんなで候補曲をいくつかチェックしていく中で、聴いた瞬間に「カッコいい!」と5人の意見が一致したのが、まさにこの2曲だったんです。
ーーここで鳴らされているサウンドって海外のヒットチャートを席巻している楽曲と同じ枠に入るものだと思うんです。先ほど皆さんは聴いている音楽の話題を5人でしないと言っていましたが、そういう人たちが満場一致でこの2曲を選ぶという事実に今びっくりしました。
芹奈:やっぱり、「これを今のリトグリで歌ったら絶対カッコよくなる」という感覚を全員共有できているのかもしれませんね。
manaka:うん、「リトグリでやってみたい音楽」というか。「今の私たちがこの2曲を歌ったら、ライブでもより幅を広げられるよね」という意味でも新鮮だなという気がしたので、みんな好反応だったのかなと思っています。
ーー確かに「今のリトグリ」がこの2曲を歌う姿はすごく想像しやすいですよね。逆に、これが2年前だったらちょっと背伸びしている感が出てしまうかもしれないですし。それはそれで面白いんでしょうけど、今だからこその「満を辞して感」があるのかなと。
かれん:本当にそうだと思います。
ーー歌に関しても曲調に合わせてか、かなり大人っぽい表現が見受けられます。
manaka:デモの時点でそういう大人っぽい歌い方が合ってるのかなという感じだったので、たぶんみんなそれに合わせて歌っていったのかな。
かれん:だからなのか、歌うことに関しては特に苦労したことはなくて。自分自身こういうジャンルがすごく好きだし、歌うのもわりと得意なほうなので楽しかったんですけど、英語の発音と英詞の節回しが速いところだけは苦戦しました。
ーー以前も英詞のときは発音に苦戦するとおっしゃっていましたよね。
かれん:そうですね(苦笑)。やっぱり作品としてちゃんとしたものをお届けしたいし、スタッフさんもすごく丁寧にディレクションしてくださるので、そういう思いにしっかり応えようと毎回頑張っています。
MAYU:私は個人的にはどっちも好きなんですけど、特に「move on」のちょっとラテンっぽい感じの音が気に入っていて。なので、レコーディングも気持ちよく臨めました。
アサヒ:今までのリトグリにも全編英詞の楽曲はあったけど、以前はどちらかというとパワフル系だったんですよ。でも、今回の2曲は落ち着いた雰囲気なので、新しい自分の歌声を見つけられたらいいなと思いながらレコーディングしました。
かれん:引きの要素が強いですからね。
ーー前作『FLAVA』の時点で“大人のリトグリ”が少しずつ顔を覗かせていましたが、今回この2曲で開花した感が強いですよね。
芹奈:まさにそうだと思います。
これまで歌ってきた楽曲とは少し違う“キャッチーさ”(かれん)
ーーさらに、「Symphony」ですが、こちらはダニエル・パウターのほか、Red Velvetなどを手掛けるソングライター陣とのコライト作。落ち着いた雰囲気ながらも「SPIN」「move on」とも異なる、カントリーテイストの楽曲に仕上がっています。先にEPで発表した「I Feel The Light featuring Earth, WInd & Fire」もそうですが、海外のソングライターによる書き下ろし楽曲とこれまで国内の作家さんたちが書き下ろしてきた楽曲って、それぞれ歌ってみて違いを感じることはありますか?
MAYU:どうだろう……。
芹奈:私はそこをあまり意識していないかもしれません。どの曲もいただいたら自分なりに、普段どおりに歌うって感覚ですね。
かれん:私が歌っていて感じるのは、日本語詞の楽曲にもキャッチーなものはたくさんありますけど、どちらかというと歌詞が深かったりとかメロディが凝っていたりするものが多い一方で、特に「SPIN」や「move on」は同じフレーズの繰り返しが多いので、一度聴いただけでも歌えるようになるキャッチーさがあるなと思います。
ーーJ-POPっていい意味で細部まで作り込まれた印象が強いけど、海外のヒット曲に目を向けると実はシンプルなメロディ&構成という楽曲が多いですものね。
かれん:AとBの繰り返しだけとか。
MAYU:そこに中毒性があるよね。
かれん:うん。そういう部分がこれまで私たちが歌ってきた楽曲とは少し違うのかなと思います。
manaka:ビートもちょっと違う印象を受けるし。
かれん:あと、音数の違いもね。そこも含めて、いつものトラックとは違うのかな。
ーー「Symphony」もまさにそういう楽曲ですものね。で、その「Symphony」から「夢がはじまる」「In Your Calling」というエンディングの流れもすごく綺麗ですよね。中でもエンディングの「In Your Calling」は、オープニング曲「ECHO」と対になっているような印象も受けました。音の質感が近いものがあるのか、「In Your Calling」でアルバムを終えて再び「ECHO」に戻ると不思議なループ感があるんですよ。
かれん:なるほど。それは同じ作家さん(今井了介)が書いてくれているの大きいかもしれませんね。