BTS、2019年の“泰然”とした活動ぶり 日本でのファンミーティングやポップアップストアから考察
一方、11月24日に行われた『アメリカンミュージックアワード(AMA)』では、昨年受賞した「Favorite Social Artist」の二冠と「Favorite Duo or Group Pop/Rock」、「Tour of the Year」をそれぞれ受賞した。『AMA』は2006年以降インターネット上の投票によって授賞が決まるアワードになったため、ファンドムが強いアーティストが有利なアワードである。特にアメリカでもウェブ上のファンドムによる投票力の強さに定評のある存在となったBTSにとっては、危なげのない受賞だったと言っても良い。
今年のBTSの活動ぶりは、韓国・日本・アメリカ(あるいはその他の国)のいずれにおいても「泰然」と表現しても良い時期に入った。ある程度の“不完全体”での活動、あるいはグループとしての休止期間などは韓国の男性アイドルであれば避けては通れないが、いずれにしろ、そこに向かって自分たちの役割を誠実に果たしていくフェーズに入ったということなのだろう。一方で、一部をのぞいてマーチャンダイズのほとんどにメンバー本人の写真などが使われていないというのも新たな試みと言える。「HOUSE OF BTS」のメインコンテンツのひとつは“二次元化 (3Dアニメではあるが)されたメンバーたち”であるが、こちらは以前からBTSがコンテンツ的に繰り返し好んで見せてきた展開である。メンバーのキャラクター化はすでに様々な韓国アイドルが行なってきているが、特にコミックやLINE FRENDS化等、パラレル的なキャラクター化をされる機会の多かったBTSにとっては、アイドルである本人をそのまま“ちびキャラ化”した「HOUSE OF BTS」は究極の二次元化とも言えるだろう(参考:映像から日記、ウェブトゥーンまで BTSが『花様年華』で展開する“二次元と三次元の融合”)。Big Hit版TwitterのようなWeverseや、BTS版Wikipediaとも言えるARMYPEDIAなどのように、必ずしもメンバーがフルで参加して関わらなくても成り立つコンテンツの開発は、韓国の男性アイドルが長く活動するための戦法としてますます重要になっていきそうだ。
■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
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