odolの音楽は身体を踊らせ、胸を躍らせる 『往来』ツアーファイナル公演を振り返る

 6人組ロックバンドのodolが、12月16日に東京・渋谷WWWで、ツアー『odol TOUR 2018 “往来”』のファイナル公演を行った。これは、約2年半ぶりの最新アルバム『往来するもの』のリリースを記念して全3公演開催したツアーで、12月1日の福岡・INSA公演ではゲストにAttractions、12月2日の大阪・CONPASS公演ではゲストにLILI LIMITを迎えている。ワンマンライブとなったこの日は、「僕らのすべてをお見せします」とアルバム全曲を披露。ロックバンドという既成概念を覆す、この1年の集大成とも呼べるファイナル公演となった。

 ニュー・オーダーやディスクロージャーなど、早川知輝( Gt )が選曲した楽曲が迎える中、観客が続々と入場し客席を埋め尽くしていく。ステージには、キーボードやドラム、アンプ、さらにデジタル機材が所狭しと並んでいる。期待に胸を躍らせる観客の視線の先で、さまざまな機材のインジケーターランプだけが、薄暗い中でチカチカと点滅を繰り返していた。その様子は、まるで秘密基地か宇宙船の内部のようで、昔観たYMO(YELLOW MAGIC ORCHESTRA)のワールドツアーの映像もこんな感じだったかなと、ふと思い出す。

 「大人になって」のループするフレーズが流れ、メンバーが順番に現れると、観客の大きな拍手が、彼らを迎え入れた。あまりに静かなライブの始まりに意外さを感じていると、静寂をぶち破るように楽器の音が鳴り響き、ライブの始まりを告げた。1曲目の「大人になって」は、速くも遅くもない淡々としたビートの中で、ミゾベリョウ(Vo/Gt)の透明感ある特徴的な声が際立つ。やがてビートは変則的になり、エッジの立ったギターが裏で暴れまわるように鳴り響いた。

 続けて「four eyes」では、井上拓哉(Gt)とShaikh Sofian(Ba)が、楽器を抱えたままシンセを、早川がサンプラーを操り始める一方で、森山公稀のピアノと、垣守翔真のドラムの生演奏が、スリリングさを醸し出す。曲の後半はバンドサウンドのターンで、ミゾベはビートに乗って、ジャンプしたり客席に向けて手を伸ばしたりしながら、クールながらも熱さを内包した歌声で観客を圧倒した。

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