2PM ジュノ、“明るい余韻”を残したソロ活動集大成のコンサート 武道館公演最終日をレポート
「泣かないつもりだったのに……」ファンの前で流した涙
「SAY YES」が終わると、「みなさん楽しかったですか? 本当に楽しかったですか?」の問いに大きな声で「はーい!」と答えるファンに、「僕も本当に楽しかったです」と、ジュノ。「全てが終わりました」と言うと、温かい拍手が続いた。「全部が終わって寂しくなります」「言いたいことばかりなので、準備してきたものがあります」と用意した手紙を取り出し、ゆっくりと読み始めた。
「本当に最後ということは存在するんですね。以前は最後というと本当に終わってしまうんじゃないかと思い不安でした。でも、今のように毅然としていられるのは、みなさんと『一緒に過ごした時間』のおかげだと思います」とファンへの思いを述べ、最後には「これがジュノのベストです。僕をベストにしてくれてありがとうございます」と感謝し、「最後だからとあまり悲しまないでください。僕がいつも言っているように、終わりは新たな始まりで、また会える日までの時間が、僕たちにとってドキドキとワクワクを与えてくれると思います。もっと成長したジュノになって、必ず戻ってきます」と決意を明かした。
代表曲のタイトルを混じえ綴った手紙に、途中ファンからは少しの笑いがこぼれ、ジュノも「みなさんのおかげで笑いながらお別れできると思います」と微笑んだ。
そして温かい拍手と歓声で包まれる会場を見回しながら名残惜しそうに「何か言いたいですね……。ただ見ることだけでもいいです」とファンを見回し、「次の曲がありますけど歌いたくない! コンサートなのに」と本音を漏らした。
次の曲「Zero Point」が紹介された後、スクリーンに2PMで日本デビューをしてからのダイジェスト映像が流れ始めた。この映像が流れることを知らなかったジュノは、“野獣アイドル”時代の自分に大きな声で「アンデ〜!(やめて〜!)」と叫びながらも、懐かしそうに眺めていた。そして映像が終わると、会場からのサプライズが。
「いつまでも待っているよ」
と、書かれたジュノのカラー、イエローのスローガンで武道館は埋め尽くされていた。それはファンだけでなく、ステージのバンドや、バックステージを守るスタッフまで、スローガンをあ掲げていたのだ。「イ・ジュノ!」コールが会場中に響く中、客席を見たジュノの目からは涙が。「泣かないと思いましたけど、みなさんの前では正直になりますよね」と、素直な気持ちを吐露。ファンからは「待っているよー!」「大好きー!」という声が次々と上がった。
ファンとの最後の記念撮影の後、「Zero Point」と「一緒に過ごした時間」を2PMメンバーの声、そしてファンの合唱と一緒にパフォーマンスした。
曲が終わると、ステージを隅々まで周りファンに挨拶。「2PMのジュノでした!」と大きな声で叫ぶと、たくさんのハートを作りながら、名残惜しそうにステージを去って行った。
トリプルアンコールで明るい余韻を残して終わったコンサート
終わらない「イ・ジュノ」コールが響く中、ステージに明かりがつく。ダブルアンコールだ。ステージに飛び出してきたジュノにファンは盛り上がる。「君がいれば」を力いっぱいパフォーマンス。ジュノがステージを去ると、暗闇になったスクリーンにはエンドロールが流れ、最後に「You are JUNHO’s Best Hottest(君はジュノの最高のホッテスト=2PMファン)」と言う言葉が映し出された。
エンドロールが終わり、これが最後の曲だと思っていたところで、ステージがパっともう一度明るくなる。まさかのトリプルアンコールだ。思いがけないジュノの登場にファンの声はさらに大きくなる。
イントロが始まり、ダンサブルでアグレッシブな「HYPER」をパフォーマンス。バンド、ダンサーも一緒になり最高の盛り上がりを保ったまま、会場が暗転。明かりがついたときにはステージにジュノはいなかった。悲しい気持ちではなく、明るい余韻を残し、今回の『JUNHO THE BEST』コンサートは終わった。
周りを見回すと、ファンも「ジュノらしい終わり方だね」と明るく話していた。約3時間20分を走り抜けたコンサート。これがジュノなのだ。そんな全力投球なステージだった。
最初のMCの中で「今日は僕の全てを感じることができるライブです」と今回の公演について紹介していたが、先にも書いた通り、今回の公演はジュノのソロ活動約6年間の集大成。そういう意味でもステージのセッティングにこだわり、LEDやライティング、レーザーでの演出まで、とにかく目を離せないものになっていた。時に鎖に繋がれたり、冬の凍てつく世界を表現したり、ピアノ演奏だけで歌を披露したり……、様々なジュノの姿を見せてくれた。もちろんセットリストも新旧織り交ぜた構成で、初めてジュノのコンサートに来た人でも楽しめる内容だった。
そして、何よりも時折ファンから自然発生的に起きる「イ・ジュノ!」コールに、彼がファンに深く愛されているアーティストなのだと感じた。
2PMで“一番のアイドル”でありエンターテイナー・ジュノの姿
以前、リアルサウンドのコラムでも「2PMのメンバーの中で一番王道アイドルらしいメンバー」だと書いたが、今回のコンサートを見て、さらにその実感が増した。“ダイヤモンドのように輝くアイドルであるジュノ”を何年経っても貫き、ファンと向かい合いながらも、自分の気持ちを素直に表現する。それがジュノの魅力で、多くの人たちが惹かれていく部分なのだろう。
「必ず戻ってきます」と言ったジュノ。その言葉を胸に、さらに成長した彼の姿に会えるのを楽しみにしていたい。まだまだ“JUNHOのすべて”を私たちは感じきっていないはずだから。
■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等
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