DracoVirgoが表現する“スチームパンク”は世界へーー海外エンジニアのリミックスに感じる独自性

 彼らはこの「スチームパンク」を、日本だけではなく世界にも精力的に発信。オフィシャルサイトにおいては、英訳した歌詞を掲載するなど(プロフィールは、中国、フランス、韓国語もある)、楽曲同様に枠を設定せず、多くの人々が世界観を共有しやすくなるような活動を追求している。ゆえに、海外とのミュージシャンとのコラボレーションにも積極的で、今回発表された2曲のリミックス「hanaichimonme - Bri-Bri-Boo MIX -」と「阿弥陀の糸- Bri-Bri-Boo MIX -」は、ともにニューヨーク在住のエンジニアで、これまでパティ・スミス、オジー・オズボーン、ホイットニー・ヒューストンなどそうそうたるミュージシャンを手がけている、Brian Sperberによるものである。「hanaichimonme」においてはホーンを、そして「阿弥陀の糸」ではストリングスの音などを加え、より彩りが豊かで、スケールの大きな「スチームパンク」を構築。どちらも、日々さまざまな国や概念を持った人が行き交うニューヨークの喧騒が伝わってくると同時に、楽曲そのものが持つ洗練性、そして強烈なビートの奥にある流麗な旋律が、原曲とは異なる角度から轟く仕上がりになっていると思う。

DracoVirgo「hanaichimonme」-Lyric Video Short ver.-
DracoVirgo「阿弥陀の糸」-Lyric Video Short ver.-

 DracoVirgoが繰り広げる、洗練と崇高を絡めあわせた「スチームパンク」は、時間や場所などあらゆる概念を取り込んで柔軟に変化しながらも、根底にある鮮烈や美しさは、どんな音色を加えようが変化することはないことを、今回のリミックスを耳にして感じることができた。ゆえに彼らの音楽は、日本の音楽という枠を超えて、地球規模で熱狂を呼ぶことになるに違いない。

(文=松永尚久)

■リリース情報
『hanaichimonme - Bri-Bri-Boo MIX -』
発売:8月23日(金)
iTunes

『阿弥陀の糸 - Bri-Bri-Boo MIX -』
発売:8月23日(金)
iTunes

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