『Future Dance TOUR』初日公演
ストレイテナーの音楽によるコミュニケーション 『Future Dance TOUR』初日公演を見て
今年で結成20周年を迎えたストレイテナーが6月12日、東京・Zepp DiverCity TOKYOにて全国ツアー『Future Dance TOUR』の初日公演を行った。
セットリストはもちろん、5月にリリースされた通算10枚目の最新アルバム『Future Soundtrack』を中心に、新旧さまざまな楽曲を満遍なく配置。まだツアーが始まったばかりなので詳細を記すことは控えるが、コアなファンから最近ファンになったビギナーまで、一緒に楽しめる内容となっている。
例えばメジャー3枚目のシングル曲で、ライブではお馴染み「KILLER TUNE」のイントロが鳴り始めると、フロアは一気にヒートアップ。音源ではシンプルな、90年代ローファイ〜オルタナ的サウンドだったこの曲だが、ステージを重ねるごとに進化を遂げ、ナカヤマシンペイのタイトな四つ打ちキックの上で、オートワウをかました日向秀和のベースが唸るファンキーなアレンジとなっていた。まるで宙を切り裂くように、ザクザクとエレキギターをかき鳴らしながらシャウトするホリエアツシのボーカルは、最新作でも感じたのだが非常にエロティックだ。後半は目の眩むようなストロボの中、大山純のギターと日向のベースが交互にソロを取り、フロアを大いに沸かせていた。
「改めまして、俺たちストレイテナーっていいます。今日はアルバムから、初めてやる曲ばかりだけどついて来れるか?」とホリエが呼びかけ、大きな声でそれに応えるオーディエンス。実際、すでにアルバムを聴き込んで来た人たちばかりで、新曲が演奏されるたびに歓声が上がり、サビを一緒に口ずさむ人たちの姿が多かった。例えば、逆回転ギターのループに導かれ始まる「タイムリープ」では、Bメロの掛け合いコーラスをシンガロング。EDMの要素を取り入れたユーフォリックな楽曲「The Future Is Now」では、まばゆい光に包まれながら、両手をかざし踊る人々でいっぱいだった。
「ここから上げてくんですが、ついて来れますか!」
ホリエがそう呼びかけ後半戦へ。メジャー5枚目のシングル曲「Melodic Storm」をはじめ、アップチューンを次々と繰り出していく。日向も大山も時おりステージの端まで移動し、まるでファンと会話をするかのように笑顔で目配せしたり、手を振ったりしている。そうかと思えば、ドラムセットを中心に4人がぎゅっと集まり、顔を見合わせながら楽しそうにキメを合わせる。そう、ストレイテナーにとって音楽はコミュニケーションなのだ。
「20周年イヤーはまだまだ続きます。色んなところでライブをするので、色んなところで会えたら嬉しいです」とホリエが挨拶し、初日のステージは無事に幕をおろした。
最新作『Future Soundtrack』は、ストレイテナー史上もっともソング・オリエンテッドなアルバムと思っていたが、こうして過去曲の中で聴くとそのことがよりはっきりと分かった。メロディもフレーズの一部となって、激しくせめぎ合うようなこれまでの楽曲に比べると、今作はまずホリエのボーカルとメロディを引き立てるアレンジになっているのだ。
この日の終演後には、10月17日にファン投票で選曲を決めるベストアルバムをリリースすること、来年1月19日に幕張メッセ イベントホールにて『21st ANNIVERSARY ROCK BAND』を開催することが発表された。20周年を迎えた彼らは今後、どのような方向へと進んで行くのか。そんなことにも思いを馳せた一夜だった。
(写真=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER))
■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。
■リリース情報
BEST ALBUM『タイトル未定』
10月17日(水)発売
ストレイテナー BEST ALBUM特設サイト
■ライブ情報
『21st ANNIVERSARY ROCK BAND』
2019年1月19日(土)幕張メッセ イベントホール
開場16:00/開演17:00
チケット価格¥6,000
一般発売日:10月6日(土)
<チケット最速先行受付実施中>
受付期間:6月12日(火)22:00 ~ 7月11日(水)23:59
詳しくはオフィシャルモバイルファンクラブサイト「テナモバ」にて
■リリース情報
『Future Soundtrack』
5月23日(水)発売
【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,800+税
【通常盤(CDのみ)】¥3,000+税
・iTunes配信リンク
<CD収録曲>
1. Future Dance
2. タイムリープ
3. After Season
4. Boy Friend(テレビ朝日系 春のミステリーナイト『静おばあちゃんにおまかせ』主題歌)
5. 灯り ストレイテナー×秦 基博(「ハウステンボス 2017 星のクリスマス」CMソング)
6. もうすぐきみの名前を呼ぶ
7. The Future Is Now(アプリゲーム『デジモンリアライズ』主題歌)
8. Superman Song
9. Last Stargazer
10. 月に読む手紙(『シャープさんとタニタくんRT』テーマソング)
11. Our Land
<DVD収録曲(初回盤のみ)>
ONE-MAN LIVE テナモバ presents‘STRAIGHTENER MANIA’ 2018.02.20 at STUDIO COAST
※13曲/54分収録
REBIRTH
Stilt
STAINED ANDROID
Dead Head Beat
AFTER THE CALM
WHITE ROOM BLACK STAR
星の夢
BLACK DYED
KINGMAKER
LOVE RECORD
放物線
TRIBUTE
BERSERKER TUNE
■ツアー情報
『Future Dance TOUR』
6月12日(火)Zepp Diver City Tokyo
18:00open/19:00start
6月14日(木)名古屋DIAMOND HALL
18:00open/19:00start
6月15日(金)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
18:00open/19:00start
6月17日(日)新潟LOTS
17:15open/18:00start
6月23日(土)福岡DRUM LOGOS
17:15open/18:00start
6月24日(日)なんばHatch
17:00open/18:00start
7月7日(土)札幌ペニーレーン24
17:30open/18:00start
7月14日(土)仙台Rensa
17:00open/18:00start
チケット代¥4,500(税込)
※小学生以上チケット必要、18歳以下、当日身分証提示で¥500キャッシュバック