長渕剛は40年、アレンジにこだわり続けてきたーー“男のロマン”体現する魅力を改めて考察

 1978年のデビューから今年で40年を迎えた長渕剛が、本日5月23日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)に生出演する。5月16日には配信限定で「Don't Think Twice~桜並木の面影にゆれて~」をリリースするなど、今なお精力的な活動を続ける長渕。長年彼のライブに足を運び、度々取材も行ってきた音楽ライターの冬将軍氏に改めて魅力を聞いた。

長渕剛「Don’t Think Twice ~桜並木の面影にゆれて~」

 冬将軍氏は長渕を表現者として高く評価し、「40年のキャリアがあり、ヒット曲も多いアーティストですが、常に新たな曲を作り続けています」と語る。ライブでは、瞬間的なものを重視し、アレンジや歌い方だけでなく曲のキーやコード進行すら変えることがあるという。弾き語りのイメージが強い長渕だが、実はツアーなどでは豪華なサポートミュージシャンとともにパフォーマンスすることが多い。

「実力派ブルースギタリスト・ichiro、Co/SS/gZやYEN TOWN BANDなどの個性派ギタリストとして知られる名越由貴夫、といったバラエティ豊かなミュージシャンとの共演も、長渕さんの飽くなき音楽探求の現れだと思います。昨年末のライブや今回のシングルにも参加している、矢井田瞳からSUGIZOまで務める凄腕ベーシスト・FIREの参加も、思わずニヤリとしてしまうような絶妙な人選ですね。長渕さんは唯一無二の歌声や強いメッセージ性に注目されがちで、音楽性について評価される機会はこれまで少なかったのかもしれません。でも実は、ライブでのアレンジメントなどにもこだわりが強いアーティストなんです」

 楽曲アレンジにおいても、一回限りのライブとは異なるこだわりを持っているようだ。冬将軍氏は、新曲を例に以下のように語る。

「近年の楽曲にしてはコード進行などは比較的シンプルですが、繰り返し聴くためのスタジオ作品として成立させるため、アレンジにとても凝っている印象です。もともと、大衆性を考えながら“耳馴染みの良さ”に重きをおいた、型にはまらない幅広いアレンジが長渕さんの作風。今回は特にそれが顕著に現れています」

関連記事