Flowerが作り上げる、ステージでの“総合表現” 『たいようの哀悼歌』収録ライブ映像を見て
一方では「Theater」の中で存分に世界観を作り込みつつ、他方で終盤にはステージ上と観客席との垣根を取り払うような、「ライブ」としての醍醐味をメドレーで魅せる。この振り幅もまた、見逃してはならないポイントだ。「Dolphin Beach」から「Dreamin’ Together」、「Imagination」そして「Flower Garden」へと続くメドレーはライブ最終盤、比較的短い時間の中で展開されるが、一曲ごとにはっきりと段階を踏んでオーディエンスとの距離感を狭めて盛り上げてゆく流れは、機能的なほどのスムーズさを感じさせる。映像としてあらためて観ることで、その無駄のなさを確認できるのもまた面白い。
そうした最終盤の「ライブ」としての姿があってこそ、それまでに描いてきた世界観の作り込みの深さがまた対照的に浮かび上がる。今回収録された2ndツアー『Flower Theater 2016 ～THIS IS Flower～ THE FINAL』のライブ映像は、Flowerの単独ライブが映画的なだけでもフィジカルなパフォーマンスの強調だけでもない、「Theater」の語義を存分に広げてみせる総合表現に育っていることを知らしめてくれる。この完成度を堪能した上で、その先に続く進化をまた期待したい。
（文＝香月孝史）
■リリース情報
『たいようの哀悼歌』
2017年8月23日（水）発売
・初回生産限定盤A（CD + DVD）￥4,850（税込）
＜CD収録曲＞
1. たいようの哀悼歌
2. Stranger
3. 熱帯魚の涙 （Asiatic version）
4. たいようの哀悼歌 instrumental
＜DVD収録内容＞
1. 「たいようの哀悼歌」 Music Video
2. Flower Theater 2016 ～THIS IS Flower～ THE FINAL (約110分)
・ 初回生産限定盤B（CD + DVD）￥1,850（税込）
＜CD収録曲＞
1. たいようの哀悼歌
2. Stranger
3. 熱帯魚の涙 （Asiatic version）
4. たいようの哀悼歌 instrumental
＜DVD収録内容＞
1. 「たいようの哀悼歌」Music Video
・通常盤（CD）￥1,000（税込）
＜CD収録曲＞
1. たいようの哀悼歌
2. Stranger
3. たいようの哀悼歌 instrumental
・期間生産限定盤（CD）￥1,000（税込）
※アニメ描き下ろしジャケット仕様
＜CD収録曲＞
1. たいようの哀悼歌 (Another version)
2. たいようの哀悼歌 (Another version TV edit)
3. たいようの哀悼歌
■ライブ情報
『Flower Theater 2016 〜 THIS IS Flower 〜』
10月21日(金) 福岡 アルモニーサンク北九州ソレイユホール
10月23日(日) 広島 広島文化学園HBGホール
10月25日(火) 兵庫 神戸国際会館こくさいホール
10月27日(木) 宮崎 宮崎市民文化ホール
10月30日(日) 千葉 市川市文化会館 大ホール
11月02日(水) 岩手 奥州市文化会館Zホール
11月3日（木祝）青森 八戸市公会堂
11月09日(水) 福岡 福岡サンパレス
11月11日(金) 三重 三重県文化会館大ホール
11月15日(火) 石川 本多の森ホール
11月21日(月) 東京 東京国際フォーラム ホールA
11月23日（水祝）福島 いわき芸術文化交流館アリオス
11月25日(金) 宮城 仙台サンプラザホール
11月30日(水) 大阪 オリックス劇場
12月02日(金) 愛媛 松山市総合コミュニティセンター・キャメリアホール
12月09日(金) 静岡 静岡市民文化会館大ホール
12月11日(日) 奈良 なら100年会館 大ホール
12月12日(月) 和歌山 和歌山県民文化会館大ホール
12月16日(金) 愛知 名古屋国際会議場 センチュリーホール
12月18日(日) 北海道 ニトリ文化ホール
12月21日(水) 神奈川 パシフィコ横浜国立大ホール
〈追加公演〉
2017年
1月16日(月) 東京 東京国際フォーラム ホールA
