ブルーノ・マーズが世界中を魅了する理由ーー櫻井翔、星野源とのTV対談などから読む
「音楽は見て楽しむものでもある」ーー最新作『24K Magic』の爆発的ヒットにより世界中を賑わせたブルーノ・マーズが先日、プロモーションのための緊急来日を果たした。その際に出演した1月23日放送の『NEWS ZERO』(日本テレビ系)で彼が発言したこの言葉にこそ、ブルーノ・マーズのパフォーマンスにおける本質がこめられているように思う。そして、来日中に出演したその他のテレビ番組でも見ることができた姿からは、世界中が彼に魅了される理由が伝わってきた。
ブルーノの魅力のひとつが、ジャンルにとらわれない“ブルーノ・マーズ・ミュージック”を生み出していることだ。これは、『NEWS ZERO』にて嵐・櫻井翔が「ジャンルで分けるのがすごく難しい」とその音楽性について評したところ、ブルーノが「自分でもわからないよ。“ブルーノ・マーズ・ミュージック”かな」と笑いながら自身の音楽について表現した言葉である。
1月24日放送の『ZIP!』(日本テレビ系)では、「世界一美しいと言われるメロディ」がブルーノの魅力として挙げられ、自身のラジオ番組で紹介するほど彼のファンである星野源とブルーノの対談が実現。その中で、星野に自身のターニングポイントになった曲を尋ねられたブルーノが挙げたのは、切ない別れを歌ったラブソング「Grenade」だった。「歌詞が特別なんだ。魂のこもった辛い歌詞」「<君は美しい~>という歌詞ばかりは書きたくなかったんだ」と語り、代表曲のひとつでグラミー賞を獲得した「Just the Way You Are」の人気や評価に甘んじず、新たな作品を生み出そうとしたというエピソードが明かされていた。
また、番組の紹介映像では星野が「踊り出したくなるような楽しい曲が作りたい」というビジョンをもっていることも明らかに。「みんなが自由に音楽で踊るためには?」という星野の質問にブルーノが「原始人のイメージ。ドラム(リズム)がすばらしければ多くの人を踊らせることができる」と答える場面も見られ、“ブルーノ・マーズ・ミュージック”の秘密のひとつが分かった気がした。
ブルーノのもうひとつの魅力は、冒頭に引用した発言や『ZIP!』のVTRで「ライブパフォーマンス」がブルーノの魅力として挙げられていたことからもわかるように、“目で見て楽しい音楽”を追求しているということだ。1月20日放送の『ミュージックステーション 2時間スペシャル』(テレビ朝日系)で披露した「24K Magic」ではダンサーと1列に並んで腰をくねらせ、1月17日放送の『スッキリ!!』(日本テレビ系)でもダンサーたちと息のあったパフォーマンスを見せるなど、視覚的にも視聴者を楽しませてくれた。
『NEWS ZERO』では、「(ブルーノの)パフォーマンスがすごく好きで」と嬉しそうに語った櫻井が印象的だった。櫻井は「Chunky」のパフォーマンス前には期待を隠しきれない表情に。曲中には番組での落ち着いた姿とは違った、笑顔で身体を揺らして楽しむ姿を見せるなど、ブルーノの音楽に対する愛情が伝わってきた。櫻井の「自然と笑顔になるし、心が躍るパフォーマンスでした」という言葉に対し、ブルーノはフランクに「音楽はそうあるべきだ」と回答。そして、番組では「曲を作るときは曲を作ってからパフォーマンスを考えるのか、パフォーマンスを含めて楽曲を作るのか、どちらですか?」と曲作りの秘密に迫る場面も。ブルーノは「全部決まってるよ」、「自分たちも楽しくなきゃいけないから、パフォーマンスの部分は曲を書くときから大事だよ」とキッパリ。櫻井がさらに「楽曲だけ作ってパフォーマンスが思いつかないことはないですか」と尋ねると、「曲を書いたら絶対ダンスも決まっているんだ」と断言していた。
『ZIP!』では自身のルーツにジェームス・ブラウンらの名を挙げたブルーノ。ジェームス・ブラウンが出演した映画『ブルース・ブラザーズ』に憧れたという星野にとって、メロディや詞にとどまらず、ダンス、MVの制作までトータルプロデュースを務め、世界中のリスナーを躍らせるブルーノは“理想”だという。その一方で『NEWS ZERO』ではダンサーを集めて「またすぐに会おうね」と呼びかけたり、『ZIP!』では「日本に来たら痩せようと思ったんだけど…ムリムリ」と笑わせるなど、親しみやすい雰囲気が伝わって来た。そんな愛すべきキャラクターでありながら、「目で見て楽しい音楽」と「ブルーノ・マーズ・ミュージック」を武器に世界を牽引するエンターテイナー、ブルーノ・マーズ。今回の来日を通して、彼が唯一無二の存在であることが改めて示されたようだった。
(文=村上夏菜)
■リリース情報
『24K・マジック』
発売:2016年11月18日
価格:¥1,980 + 税
<収録曲>
1. 24K Magic / 24K・マジック
2. Chunky / チャンキー
3. Perm / パーマ
4. That's What I Like / ザッツ・ホワット・アイ・ライク
5. Versace On The Floor / ヴェルサーチ・オン・ザ・フロア
6. Straight Up & Down / ストレイト・アップ・アンド・ダウン
7. Calling All My Lovelies / コ-リング・オール・マイ・ラヴリーズ
8. Finesse / フィネス
9. Too Good To Say Goodbye / トゥー・グッド・トゥ・セイ・グッバイ(さよならは言えなくて)