SWANKY DANKが47都道府県ツアーで得た充実と課題「自分たちの“思い”がライブには必要」

 2007年にYUICHI(Gt/Vo)とKOJI(Ba/Vo)の兄弟を中心に結成した4ピースポップパンクバンド・SWANKY DANK。彼らが2016年夏にリリースしたミニアルバム『it is WHAT it is』を携え、9月から自身最長である初の47都道府県ツアー『"it is WHAT it is" TOUR』をスタートした。各地、さまざまなバンドとの対バンで、パンクやラウド・シーンの百戦錬磨のライブ猛者や、草の根のライブ活動でタフに鍛え上げているバンドとしのぎを削る本ツアー。その充実感は、話を聞いたYUICHI、KOJIの精悍な佇まいや、次々に飛び出してくるエピソードからも伝わってきた。キャッチーでアップリフティングなサウンド、親しみやすくエネルギーのあるメロディやハーモニーに定評のあるバンドだが、このツアー経験やバンドや観客との濃厚な時間は、次の活動に確実に反映していくものだと思う。現在、ファイナル・シリーズのワンマン公演を前に、初の超ロングツアーの手ごたえやライブへの思い、バンドとして今掴んでいるものを、ふたりに訊いた。(吉羽さおり)

(※最後ページに1月28日渋谷TSUTAYA O-EASTライブご招待情報あり)

今やらなきゃ意味がないなと思った(YUICHI)

ーー9月からスタートした47都道府県ツアーが、あとは沖縄とファイナル・シリーズのワンマンライブ、振替公演を残すのみとなりましたが、体感としてどうですか。

KOJI(Ba/Vo):初日の千葉LOOKがはるか昔のような(笑)。4カ月前なんですけど、歩んできましたね。

YUICHI(Gt/Vo):47都道府県回っていく中で、初めて行った土地で初めて来てくれたお客さんにも出会えて。それがとても良かったです。

ーーバンドとしてのキャリアは2017年で10年目を迎えます。そのなかで、昨年この最長となるツアーを打つことになったきっかけは?

YUICHI:ツアータイトルにもなっているミニアルバム『it is WHAT it is』には、“それが現実さ”みたいな意味があるんです。レコーディングしている最中も、前回のツアーを回っている時も、「いつか47都道府県ツアーをやってみたいよね」という話はずっとしていて。でも、それは「いつか、できる時にやればいいか」で止まってしまっていたんです。その後レコーディング中に、アルバムタイトルは『it is WHAT it is』でいこうとなった時、ずっと話していた47都道府県ツアーも、いつかやろうじゃもう遅いんじゃないかと思って。『it is WHAT it is』には“それが現実さ”って諦めるんじゃなくて、“これが現実だ”に変えてやろうぜっていう思いもこめていたから。じゃあ、47都道府県ツアーも挑戦してみようと、スタートしたんです。

ーーこれまではそのような機会がなかったんですか。

YUICHI:なかったですね。なかったですし、やろうとも思っていなくて。いつかやれればいいやみたいな。でも、今やらなきゃ意味がないなと思って。自分たちの未来のためにも、自分たちのライブの力や自分たちのいろんな気持ちを試すことは、バンドが10年に入る前にやっておかないと、っていう思いでしたね。

ーーSWANKY DANKはパンク・シーン、ラウド・シーンで活動をすることが多いと思うんですけど、となると周りはライブ猛者みたいなバンドばかりですよね?

YUICHI:そうなんですよね。今回のツアーでも最終タームはとくに猛者揃い。Dizzy Sunfistから始まって。

KOJI:Crystal Lake。

YUICHI:SHADOWS、MEANINGっていう、怒涛の戦い(笑)。しかも、ヘトヘトになっての最終タームでその感じで。

KOJI:1カ月旅に出っ放しだったところで、猛者と戦うみたいな(笑)。

YUICHI:そのほかにも、KNOCK OUT MONKEYとか、ライブがすごいENTHとかともやってきたので、自分たちも地力が上がったというか。2013年にスプリット・アルバム『BONEDS』をリリースして回った『BONEDS TOUR』の時と近いかもしれない。

ーーMY FIRST STORY、BLUE ENCOUNT、AIR SWELLとのスプリットで4バンドで回ったツアーでしたね。

YUICHI:それが、自分たちが井の中の蛙だったことがすごくわかったスプリットツアーだったんです。今回の47都道府県ツアーでも、自分たちに足りないものをいろんなバンドと回ることで気づけたというか。楽しませるだけのライブではダメなんだなというのが、すごくよくわかりました。

ーー今回のツアーの対バンはまずどうやって選んでいったんですか。

YUICHI:自分たちでやりたいバンドをピックアップしていきました。47都道府県を回るからには強いバンドじゃなきゃダメだろうと、ライブがすげえかっこいいと自分たちで思うバンドをホワイトボードに書き出して。片っ端から電話していくっていう(笑)。ブッキングは本当に大変でしたね。

ーーNOISEMAKERとは北海道公演の全6カ所を共にしましたね。彼らとはそれ以前にも多く対バンしていたんですか。

YUICHI:もともと仲がよくて。結構今回も熱い話をしましたね。

KOJI:約10日間一緒だったので。

YUICHI:そういうこともなかなかないですしね。一緒にホテルの部屋で飲んだりして。

ーーそういう時ってどんな話をするんですか。

KOJI:彼らとは境遇が似ている部分があるんですよ。音楽の話は結構しましたね。曲作りにおいてとか。

YUICHI:バンドの今の状況、自分たちの立ち位置についても話しましたね。

YUICHI(Gt/Vo)

ーーその現状というのは、ご自身ではどういうものだと感じているんですか。

YUICHI:……赤裸々になってきちゃうかもしれないですけど。まだまだ先があって、すごく足踏みしている状態だっていうのは自分たちでも感じていますね。それは曲にしても、ライブの仕方にしても。今回47都道府県ツアーで気づいたことがうまく出せれば、進んでいけるんでしょうけど。ツアーをやっている最中に、自分たちがどこにいるのかわからなくなるような状況になったことがあって。そんな中、NOISEMAKERと自分たちが今こういうところで足踏みしてるよねとか、ストレスに思っていることとかを話したりして。まわりからどう見られているは正直わからないですけど、自分たちがここから先に行くために、今は満足してないけど次に進むために留まっている状態なんだというか。

ーー確認できたことがあった。

YUICHI:すごく悔しかったんですけどね。ミニアルバム『it is WHAT it is』は自分たちにとっても思い入れがあったし、期待を込めた作品で。作品が悪かったということじゃないんですけど、でもすげえ悔しい思いもしたし、出したことで感じたことがあったんです。

ーーもっといけるはずだと。

YUICHI:そうですね、もっといけたはずじゃないかって。そういう話とか、留まっている自分たちがここから先に行くために何が必要なのかっていう話はしました。本当に赤裸々ですけどね。

ーーそこでしっかり話をして、一緒にライブができるというのはいいバンドメイトができたという感じがしますね。

KOJI:ギターのHIDEには、髪の毛も切ってもらったしな(笑)。

関連記事