BOOM BOOM SATELLITES 川島道行のお別れ会で中野雅之がコメント「改めて大きい存在だった」
11月15日、東京・新木場STUDIO COASTにて、BOOM BOOM SATELLITESの川島道行(Vo./Gt.)のお別れ会が行なわれた。
川島は複数回にわたって脳腫瘍を発症しながらも音楽活動を継続し、2016年10月9日の午前5時12分に脳腫瘍のため逝去。ファンへ向けたお別れ会の会場となった新木場STUDIO COASTには、沢山のファンが参列した。
中野雅之(Prog./Ba.)は開場前、記者からの取材に対し「僕と川島は大学の同級生。学生の友達と一緒に演奏した延長がこうやって形になるのはとても幸せなことだと思いますし、川島くんの人生は短かったかもしれませんが、とても充実したものだったのではないか」と話したあと、会場であるSTUDIO COASTについて「たくさんこの会場で演奏して、ファンと触れ合ったので、寂しい気持ちも正直ある。川島くんも名残惜しんでいるんじゃないかな」とコメント。続けてファンに対し「(BOOM BOOM SATELLITESが)音楽活動を最後まで全うできたのは、ファンの皆さんが支えてくれたから。僕も川島くんも感謝してもし尽くせない気持ちでいます」と語った。
また、改めて川島が旅立ってしまったことについて質問された中野は「ここ数年は病気も深刻な状態の中で音楽活動を進めてきていたので、こういうときがくることは十分覚悟していたはずなんですけど」と前置きしつつ「やっぱり生きている間の存在感はすごかった。大事な友人というか、いろんな意味で戦ってきた戦友でもあるので、個人的な感覚としては、喪失感が大きい。改めて大きい存在だったんだな」と振り返った。さらに、「いま、川島さんに言葉を送るとしたら?」という質問に対し、「最近は不自由な生活を強いられて苦しんでいた時期が長かった。だからゆっくり休んで、リラックスしてほしいという気持ちと、またどこかで出会って一緒に音楽を作ったり演奏したりしたいし、帰ってきてほしい、かな。そういう言葉をかけたいですね」と続けた。
最後に、自身の今後について「このバンドを通じて音楽に関する全てのことを学んできたので、僕にとっては大きな財産。政治や経済のような具体的に目に見えるものではなく、人の心の奥底から原動力になるような力が音楽にはある。自分の力、経験を使って、音楽の力が大きい影響力を持っていることを示していきたい。具体的にはまだなにも決まっていないですが、そうやって貢献していけたら良いと思います」と前向きなコメントを残し、会見が終了した。
なお、会場には献花台のほか、巨大スクリーンへのミュージックビデオやライブ映像の投影、デビュー当時からの巨大な写真パネルの数々、これまでの楽曲制作で残された川島直筆のメモやノート、資料などを展示。メインステージには、川島が使用していた制作/ライブ用の機材などがセットされており、涙を浮かべながら別れを悼むファンが多数見受けられた。また、出口ではパートナーである中野が参列者一人一人に、ポストカードを手渡し、まっすぐな眼差しで感謝の気持ちを伝える姿が印象的だった。
(取材・文=中村拓海)