いよいよ日本上陸へ Spotifyの現状と強みを改めて分析してみた

 先日、Facebookが日本のユーザー向けに新サービス『Music Stories』を実装した。2015年11月より米国などでスタートした同サービスは、外部の音楽ストリーミングサービスからFacebookに楽曲やアルバムを連動する形でシェアすることが可能で、ニュースフィード上で楽曲の再生が可能になるというもの。日本では現時点で『AWA』と『dヒッツ』『KKBOX』が連携対象のアプリであり、海外では『Apple Music』と『Spotify』が同サービスに対応している。

 そして、音楽ストリーミングサービスについては、国内でもう一つ大きな動きがあると予測されている。2014年に一度上陸が噂されたSpotifyが、再度日本国内での体制を構築中との記事が『Forbes Japan』『ITmedia』など複数メディアに掲載されたからだ。海外では圧倒的なシェアを誇るサービスだけに、日本上陸ともなれば、現在の勢力図に大きく影響がありそうだ。

 リアルサウンドでも2014年、Spotifyについての分析記事をいくつか掲載したが、ここにきてその機能はいくつか変化している。今回はParadeAllエンターテック・アクセラレーターであり、2014年に立ち上げた日本初の音楽xテクノロジーのカンファレンス、「THE BIG PARADE」のCo-Founderとして、国内外の音楽とIT事情に詳しい鈴木貴歩氏に、Spotifyがこの2年で遂げた進化について訊いてみた。

「Spotifyは2014年に音楽ビッグデータの大手企業であるEcho Nestを買収し、そのレコメンデーションエンジンを活用したサービスとして、『Discover Weekly』をリリースしました。同サービスは、毎週各ユーザーの志向にあったプレイリストが30曲くらい送られてくるというもので、その精度の高さが好評を呼び、世界中で毎週約4000万人が使っているといわれています。Spotifyが同社を買収したことにより、これまでEcho Nest社のサービスを利用していた競合他社がデータを使えなくなり、Spotifyがレコメンデーションの制度で大きくリードする形を取っています」

 では、現在、世界の音楽配信サービスの勢力図はどうなっているのか。。同氏は有料会員数を軸として、下記のように見取り図を描いた。

「有料会員の数でいうと、世界で一番大きいのがSpotify(約3000万人)、次がApple Music(約1300万人)、3番手がフランス発の音楽サービス『Deezer』(約650万人)ですね。ただ、これはオンデマンドに限ってのもので、ラジオ型の『Pandora』(有料会員約390万人)も含めるとこれらの4サービスが上位を占めているといえます(※数字は編集部調べ)」

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