BLUE ENCOUNT『はじまり』インタビュー

BLUE ENCOUNT、新曲「はじまり」でネクストステージへ「“安定の不安定”で振り幅を提示したい」

「核は、情緒不安定ということですね(笑)」(田邊)

――ニューシングル『はじまり』のカップリングである「パラノイア」は、まさにそういう曲になってますよね。このタイミングだからこそ、バンドから離れていこうとするリスナーにヘヴィなサウンドで中指を立てるような曲で。

田邊:「パラノイア」は今まで抱きしめていた人を離すような曲になってますね。それをこのタイミングでやらないでいつやるんだと思ったんです。僕の考え方として、SNSとかで不満をつらつらと綴りたくないんですよね。もちろん、SNSでムカつくことを吐き出して、そこで完結して音楽だけを届ける人もいるし、それもいいと思うんですけど、僕の場合は全部曲にしてやろうと思うんです。この曲は2時間で書きました。

――一筆書きのように。

田邊:まさに書き殴る、とはこういうことだと思いますね(笑)。

――でも、ネガティブには着地してない。

田邊:そうなんです。結果的に居酒屋で友だち同士がケンカしてるような感じの曲になりましたね。最終的には夜明けの駅の改札で「がんばろうな」って言い合ってるような感じ(笑)。ケンカするほど仲がいいというか。バンドもそうだし、ブルエンのお客さんもそういう人が多いんです。だからこそ、細かいことを気にしないほうがロックという価値観が僕はイヤで。

――いちいち気にしたい。

田邊:そう、そういうバンドなんです。

――「はじまり」と並べるからこそ「パラノイア」も効きますよね。

辻村:そうそう、そうなんですよ。

田邊:そこは意識しましたね。

――「はじまり」と「パラノイア」は音楽的な振れ幅が大きい2曲で、この振れ幅こそがBLUE ENCOUNTらしさだと思うんですけど、それを踏まえてこのバンドの核はどこにあると自覚してますか?

田邊:核は、情緒不安定ということですね(笑)。親に曲を聴かせると「おまえは大丈夫なのか?」って聞かれるくらい不安定というか。

江口雄也(Gt/以下、江口):曲作りに関して、結成当初から変わってないのは、やりたいことをやる、だからこそ振れ幅が広くなる、という感じなんです。みんないろんなタイプの曲が好きで、それぞれにやりたい曲があって。「カッコよければよくない?」という4人なんですよね。

高村佳秀(Dr/以下、高村):メロディが強いからこそ、いろんなサウンドを鳴らせるんだと思います。

辻村:その遊びの仕方が各々の課題でもあって。手癖を排除することを意識したり。

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