姫乃たま&ベルハー宇佐美萌が語る地下アイドルの裏側 「嫌いになる前に辞めなきゃと思った」

 地下アイドル・ライターの姫乃たまによる初の単著『潜行』の発売を記念したライブ&トークイベントが、11月20日にdues新宿で開催された。

 同イベントは、ディスクユニオンが運営する書店・ブックユニオンによるライブ・トークイベントシリーズ『ブクドル・ユニオン』の第3回。ディレクターを務めるアイドル専門ライターの岡島紳士氏が、アイドルや音楽、本と関連した企画を展開していくもので、第一回はマンガ『ミリオンドール』、第二回はショートカット推進委員会写真集『0410』を題材にトークを展開した。今回は『潜行』の著者である姫乃たまと、BELLRING少女ハートのメンバーで、2月に卒業を予定している“もえち”こと宇佐美萌が登壇。ここではトークの一部を抜粋しつつ、イベントの模様を紹介したい。

 

 

 まずは宇佐美が同著について、「想像の中だけだと思っていたことが現実にも起こっているんだとわかった。パンストを売るアイドルについての話が衝撃的で。ちなみに、私のパンストを3万で買う人?」と冒頭から衝撃的な発言をしたかと思えば、続けて「私たち、汗つきタオルを5千円で売ったことがあります」「特典会とかで貼ってた湿布をあげたりしてたんですけど、売ればよかった」と明かし、会場を大きく盛り上げた。

 姫乃はそんな宇佐美に対し「『アイドルは3年目でやめちゃう説』というのがあるのですが(宇佐美も該当)。もえちさんもやってみて『思ってたことと違う』と感じましたか?」と質問。宇佐美は「本の中でもその言及がされていてギクッとしました。交通費は出ていたので感謝していますし、チェキのバック(特典会のチェキ枚数に応じてそれぞれのメンバーに収入がある仕組み)をいただいていたので、ファンの方にもお礼を言いたいです」と返答した。姫乃は「ライターとして原稿料をもらえるようになるまではファンの方からの収入だけに支えてもらっていて、3年目で精神科に通うようになった」と語ると、宇佐美は「ベルハーは田中さん(田中紘治。グループの楽曲制作・MVを手掛けるディレクター)に当たれるので、病んでる子がいない」と返し、姫乃は「運営が仕事している。ファンに叩かれる運営さんは大事」と、アイドル目線から運営の大事さを語った。

 イベント中盤、姫乃は同著出版後の反響について「父親と弟がともにインディーズのバンドマンで、特に父親とは時々ファン被りするのですが、本にこっそり書いたら吉田豪さんがツイートしていて、掟ポルシェさんまで反応してくれていました」とアーティスト一家ならではのエピソードを告白。続けて『潜行』で書かれていたことについては「ラジオ・テレビからは沢山連絡がきてインタビューを受けたけど、闇の部分に言及するものが多かった。地下アイドルの魅力って過激なところに見出されがちですが、それ以外のところをもっと伝えたいですね」と、これからの課題について話した。

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