ジャニーズ、脈々と続く覆面ユニットの系譜 「せんせーションズ」は何を目指す?

映画『暗殺教室』公式サイト

 ジャニーズのグループはしばしば、別名義で作品をリリースすることがある。たとえば1992年にはSMAPがバラエティ番組『夢がMORIMORI』(フジテレビ)の中で『音松くん』というパロディ・コントを演じ、実際に音松くん名義でシングル『スマイル戦士 音レンジャー』をリリースした。関ジャニ∞もまた、舞台で披露していたコント『関ジャニ戦隊∞レンジャー』が2012年に映画化し、エイトレンジャー名義でシングル『ER』をリリースしている。

 Hey! Say! JUMPの山田涼介が主演を務める映画『暗殺教室』(3月21日公開)の主題歌DVDシングル『殺せんせーションズ』(3月18日リリース)もまた、そうした系譜のもとに生み出された作品といえる。

 同作は、映画のストーリーの核となる謎の超生物「殺せんせー」がプロデュースしたとされる9人組のボーカル&ダンスグループ「せんせーションズ」によるもので、映像ではHey! Say! JUMPにそっくりなメンバーたちが派手なアクションとともにパフォーマンスを繰り広げる内容になっているという。せんせーションズのメンバーはメディアでたびたび、「Hey! Say! JUMPに似ていると言われるけれど、違います」と発言しており、あくまで両グループは別物だとしている。

 グループにとってこのような“覆面ユニット”作品をリリースすることには、はたしてどんな狙いがあるのか。ジャニーズの動向に詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏は、次のように解説する。

「ジャニーズのグループが覆面ユニットで作品を出すメリットのひとつとして、まずはアイドルファン以外にも先入観なく覚えてもらえる、ということが挙げられるでしょう。実際にSMAPは、音松くん名義でCDをリリースしたことにより、ファンの大半を占める若い女性だけではなく、多くの人々に知られるようになったと言われています。また、どの作品にも共通するのは、その物語内のキャラクターが実際のメンバーの特徴を大きく反映していて、物語を通して各メンバーの個性や関係性もわかるように作られていること。今回のせんせーションズもまた、メンバーそれぞれの個性に合わせたキャラクター付けがされています。たとえば知念侑李さん似のメンバーは“ドクター”というコードネームが与えられていて、知性的な彼の一面を表していますし、八乙女光さん似のメンバーは“ソニックハンター”というコードネームで、彼の趣味のサバイバルゲームを彷彿とさせます。Hey! Say! JUMPはこれまで、9人組という大所帯のために各メンバーが認知されにくい部分もありましたが、『暗殺教室』というメジャーな作品と自分たちの個性を上手く組み合わせることによって、改めてアイドルファン以外にもグループとしての魅力をアピールしていこうという狙いがあるのではないでしょうか」

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