リリー・アレン、新作『Sheezus』でビヨンセ、ガガらを挑発! 過激なリリックに込めた真意とは

現在、二児の母でありながらアーティスト活動を継続しているリリー・アレン。

「作曲やレコーディングの作業は、子供たちのためにも自宅で行うようにしたの。スタジオで作業せざるを得ないときは、早い時間からセッションを始めて、午後4時半には必ず作業を終えて、子供たちが夕食を食べる5時には自宅に戻るようにしていたわ。

 これまでの私の作品と比べると、歌うテーマにも変化が起きたわね。ショッキングで下品なセックスについての描写は、以前ほどはなくなったかしら。子供たちが大きくなったときに、恥ずかしがらせてはいけないものね」

 さすがママ。かつてのお騒がせ娘のイメージからは、だいぶ成長した様子。そして、アルバム本編についても「私の曲のほとんどは、社会論評であり、ソーシャルメディアやポップカルチャー全般」と語る通り、これまで以上に多彩なトピックを扱っているのも特筆すべき点。

 「ビッチ」という過激な言葉を使いながらも、女性同士、エールを送り合う「Hard Out Here」然り、「みんなのSNSを見ていると、大騒ぎしている様子が伝わってくる。かつては私もそこにいたのに、今は育児に追われて仲間外れみたい」と、二児の母ならではの視点で語る「Life For Me」や、「インスタグラムで晒してるアンタの家や不細工な子供になんて興味ない。私にもっと稼がせてよ」と暴露する「Insincerely Yours」に共感できる女子も多いはず。

 音楽業界における女性アーティストに対し、ライバル意識を歌った表題曲「Sheezus」では、ビヨンセやレディー・ガガ、リアーナらの名前を歌詞に登場させ、「王冠は私のものよ」と高らかに歌い上げ、「URL Badman」はティーンの男の子に扮し、いわゆる「ネット弁慶」を揶揄する内容に(ここではアメリカのヒット・ラッパーたちの名前がズラリ!)。

リリー・アレン -- エア・バルーン(日本語字幕付きver.)

 やもすると世界中からひんしゅくを買いかねないけれど、決してそうならないのがリリーの魅力。だって、みんな同じことを考えているに決まってるんだから。全世界の女性を代表する存在、“Sheezus”として、私たちの本音を代弁してくれる存在、それこそがリリー・アレン。背伸びしすぎず、等身大の私たちの本音、これからも発信し続けてよね。

(取材・文=渡辺志保)
Twitter
Blog

■リリース情報
リリー・アレン
『Sheezus』
発売:5月7日
価格:2,200円(+税)

関連記事