活動8年目のVTuberが構想する、自身の“電脳化” 犬山たまきが「AI玉姫」を披露

VTuber・犬山たまきの活動8周年記念配信で「AI玉姫」がお披露目され、TrippyとDon't DisturbがAIキャラクターの生配信を実現する配信システムを共同開発したことが発表された。
お披露目は、9月22日23時から配信された「【#犬山たまき8周年】チャイナ服・部屋着 新モデルお披露目& AI玉姫デビュー」内で行われ、「AI玉姫」が犬山たまきとの掛け合いや、視聴者コメントへのリアルタイム応答を披露した。「玉姫」は、犬山たまきが女性に生まれ歌を歌う人生を歩んでいたらというIFコンセプトから生まれたキャラクターで、今回はそのAI版として登場している。


犬山たまきはこれまで、自身の声や存在をデジタル技術によって残し拡張していく「電脳化」の構想に取り組んできた。「AI玉姫」ではその取り組みをさらに広げ、玉姫自身がAI VTuberとして生配信に参加し、犬山たまきとのリアルタイムな掛け合いや視聴者とのコミュニケーションを行える体験を目指したという。開発は犬山たまき監修のもと、TrippyのAI・キャラクター領域における開発知見を活かし、Don't Disturbが開発プロジェクトを推進しながら、会話AI、コメント処理、音声、Live2D連動などを一つの仕組みでつなぐ形で進められた。

本システムの主な特長として、YouTubeの配信コメントを取得し配信の話題に沿ったコメントを選んでキャラクターの口調で応答する「リアルタイム応答」機能を搭載。同じコメントへの重複反応や話題の繰り返しを抑える仕組みも組み込まれている。スーパーチャットについては優先的に読み上げてお礼を伝え、高額のものを優先して反応するなど、金額に応じて読み上げの優先度を調整する。
配信者との掛け合いでは、配信者の声を認識して会話に参加し、発話のタイミングを調整することで自然な掛け合いを実現。発話内容や感情に合わせてLive2Dモデルの表情・モーションを切り替え、声の表現とあわせたキャラクターらしい反応を行う。コメントの選択や発話タイミング、表情・モーションの切り替えなどは自動化されており、配信者一人でも運用可能。Windows向け操作アプリから手元で管理することもでき、音声生成失敗時の自動リトライや自動アップデートにも対応している。
なお本配信で使用している「AI玉姫」の音声は、市販のテキスト音声合成ソフト「VoiSona Talk 玉姫」とは異なる技術・データを用いて制作されたもので、「VoiSona Talk 玉姫」で本配信と同じ声質・表現を再現することはできないとしている。
今後は、今回開発したAI玉姫の配信システムや運用で得た知見をもとに、他のVTuberやキャラクターIPへの展開を進めていく予定。AIキャラクターと配信者との共演に加え、AIキャラクター同士のコラボレーションや、複数の配信者によるコラボ配信へのAIキャラクターの参加、配信サポートツールとしての活用など、さまざまな配信体験への展開を目指すという。
■コメント
犬山たまき
この度、株式会社Trippy、Don't Disturb株式会社のご協力を経て、「AI玉姫」をお披露目することができました!
VTuberとして犬山たまきがデビューした時から、自分の喉の弱さにはずっと悩んできました。実際に声帯結節で活動休止したこともあり、こうした経験が電脳化を目指したきっかけの一つです。
自分の声やキャラクターを永く残していくこと。そして、自分自身が活動できない時にも、キャラクターが生き続けられる未来を作ること。
「AI玉姫」は、そんな夢を形にする大きな第一歩だと思っています。
まだまだ成長途中の玉姫ですが、これから皆さんとの交流を重ねながら、どんな存在に育っていくのか、ボク自身もとても楽しみにしています!
漆原陸(株式会社Trippy 代表取締役CEO)
今回、たまきさんが進めてこられた「電脳化」の第一歩となる「AI玉姫」の開発に携われたことを、心から光栄に思います。
自分の声やキャラクターを永く残し、自分が活動できない時にもキャラクターが生き続けられるようにしたい。そのお話を伺ったとき、これは単に「AIが話す」仕組みではなく、玉姫がたまきさんの隣で、ファンの皆さんと一緒に配信をつくる「共演者」として成立しなければ意味がないと感じました。
開発では、コメントへの反応の速さや選び方、たまきさんとの発話のかぶり、声や表情・モーションの細かなニュアンスまで、たまきさんやDon't Disturbさんとテストとフィードバックを何度も重ね、一つずつ調整してきました。玉姫らしさを形づくっているのは、イラストや声、キャラクターを生み出してこられたクリエイターの皆さんの表現です。私たちの技術は、それを損なわずに生配信の場へ届けるためのものだと考えています。
Trippyは、テクノロジーとクリエイティブの力で、キャラクターの世界観をファンが参加できる体験へ広げることをミッションとしています。まだ成長途中の玉姫が、皆さんとの交流の中でどんな存在に育っていくのか。私たちも楽しみにしながら、その成長を技術の面から支えていきます。
中川卓也(Don't Disturb株式会社 代表取締役)
今回、たまきさんの「自分の声やキャラクターを永く残していくこと」「自分自身が活動できない時にも、キャラクターが生き続けられる未来を作ること」という「電脳化」の第一歩である「AI玉姫」の配信システムの開発に携われたことを、大変光栄に思っております。
配信システム開発のプロデュース・プロジェクト推進を担う中で、テスト、フィードバック、改修・調整を重ねながら、少しずつ形になっていく過程そのものにも関わることができました。その過程で、一つひとつの表現や体験のクオリティを細部まで追い込みながら形にしていくクリエイターやエンジニアの皆さんへのリスペクトも、改めて強く感じています。
AIとクリエイティブの関係には、まだセンシティブな部分や向き合うべき課題もあると思っていますが、今回の取り組みでは、AIありきではなく、クリエイティブやコンテンツづくりにおける表現や活動を支える手段の一つとしてAIを活用する、一つの形になったのではないかと思っています。
「やりたい」を、思うだけで終わらせず、実現につなげていくことも、弊社が大切にしていることです。これからも、「起業家・クリエイター・アーティストの、本質と向き合う時間を邪魔させない」という姿勢を大切にしながら、その挑戦に寄り添い、実現までともに歩むパートナーでありたいと考えています。
■関連リンク
犬山たまき公式サイト:https://noripro.jp/talent-inuyama/
Trippy公式サイト:https://tr1ppy.com/
Don't Disturb公式サイト:https://dont-disturb.notion.site/top






















