得意技が「水族館」ってなぜ⁉ フレンドリーなフルサイズミラーレス『Nikon Z5ⅡC』で君ならどう撮る、どう遊ぶ?

「写真はスマホで十分」と割り切る人がいる一方で、デジカメの撮影体験を通じて「やっぱりデジカメで撮ると全然違う!」と、禁断の世界を知ってしまう人もいる。意外や意外、初めてのデジカメに「フルサイズミラーレス」を選ぶ人は少なくないのだ。むろん価格も張るから誰でもとはいかないが、「どうせ買うなら最初からいいものを」という気持ちを抱く人は多いようだ。

昨今のデジカメ界のキラーワードはふたつ。「ミラーレス」と「フルサイズ」だ。いずれも昔ながらの一眼レフカメラにくらべて小型高性能を実現するポイントなのだが、近年ミラーレスに大注力する「ニコン」から「ミラーレス」で、「フルサイズ」で、しかも「フレンドリー」なカメラが登場した。


その名は『Z5ⅡC』。先行モデル『Z5Ⅱ』から電子ファインダーを省いたフラットトップデザインのニューフェイスである。
“撮りたい気持ち”に寄り添うミラーレス
単純にスペックを並べても記事としては退屈だろう。だから本稿ではスマホでも気になりそうな数字だけを記しておきたいと思う。

まず撮像素子は有効2450万画素のCMOSセンサー。撮影感度はISO100~64000。

ボディサイズ(約)は、幅134×高さ80.5×厚み72㎜。撮影可能状態のボディ質量約620gと、撮像センサーの大きいフルサイズミラーレスだけに小型軽量とまでは言えないが、グリップの造形と直線基調で引っかかりのないデザインとが相まって、手なじみがいい印象を受けた。

2026年のフルサイズミラーレスカメラの最前線に立つべき実力と個性の持ち主にして、いわゆるフルサイズビギナー、フルサイズ予備軍に最適な一台として開発されたモデルが『Z5ⅡC』だと言えるだろう。
キュンとくるフルサイズミラーレス
『Z5ⅡC』はスペック面で圧倒的な数字を叩き出すカメラではない。持ち歩きを躊躇しないデザイン、必要にして十分な撮影性能、そして「スマホとは違う!」と実感できる描写性能(ついでに言えば、ええい! と勇気を出して買ってしまえる価格設定も)。これらの肝心要をバランスよくまとめあげた、いわばフルサイズミラーレスの優等生である。

今回2週間ほどお借りしてあちこちに連れ出したが、とにかく持ち出すこと、撮ることをためらわないカメラだった。むろん気持ちまかせの撮影でも、しっかりと結果を伴う。また今回お借りしたシルバーボディはなぜか周囲の女性受け(ママ友ウケ)が良く、興味深くいろいろ質問されたことを加えておこう。どこかキュンとくるフルサイズミラーレスのようだ。
被写体認識「魚」という衝撃!
先に「優等生」と記したが、唯一ユニークさ際立つ特長がニコンカメラに初搭載となる被写体認識の「魚」だ。被写体認識では「人」や「乗り物」、「動物」などがあり、設定した被写体を検知し追尾してくれる。この被写体に「魚」が追加された。
聞けば、スマホで上手く撮るのが難しいシーンとして上位にくるのが、水族館、つまり魚なのだという。確かに水族館はそもそも暗い。しかも魚はちょっと読めない動きをするし、特にチビッコたちに人気のニモ(=カクレクマノミ)のような小魚になると機敏でとても追いきれない。

そこに被写体認識「魚」のニーズがあるというわけだ。しかし一言で「魚」と言っても、その姿カタチは多種多彩。人やイヌネコの比ではない。
なるほど「魚」! 釣果を実感!
あまりいろいろ考えずにシャッターを押す感じでも、けっこうな打率でピントの合った魚が撮れるのには驚かされた。

水族館はだいたい暗めだからカメラは「暗いシーンだから明るくしないと!」と判断しがちなので、露出過剰を防ぐべく、-2/3とか-1.0くらい暗い方に露出補正を掛けておくといいだろう。その分シャッタースピードも上がるので被写体ブレも防ぎやすくなるといいこと尽くめだ。

ローカル水族館なので種類は少ないものの、その中でも金魚などは泳ぎも優雅で撮りやすかった。カクレクマノミはややムズかしい、というかイソギンチャクに紛れている時間が多いし、やはり小さな魚は動きもクイックなのだ。

給餌のタイミングが合えば、テッポウウオが水を吐く瞬間を狙いたい。さすがに「一押必撮!」では打率が下がるので、こんな時はシャッターボタンを全押しする最大1秒前から記録できる「プリキャプチャー」機能を活かして決定的瞬間をモノにしよう!
ズームレンズか、単焦点レンズか?
まずはズームレンズキットを入手してあちこちに連れ出して撮影を重ね、自分の好みの画角などにピンときたら単焦点レンズを追加するのが王道のように思える。

『Z5ⅡC』に用意されたレンズキットは24-50㎜という約2倍ズームである。24㎜はかなり広い範囲を写せる広角域、50㎜はいにしえより“人の見る画角に近い”と言われる標準域だから日常を切り取るにはとてもいいズーム域だ。倍率を2倍に抑えたおかげでレンズ本体も小型軽量になった。
でも、である。
ズームのメリットはダイナミックな画角変化にあるとも言える。以前『Z5ⅡC』に先行する『Z5Ⅱ』を紹介した際には「相棒は24-200㎜ズーム」と書いた。この時、同時にお借りした40㎜については「単焦点はスナップ名人向けのレンズだ」とも。
※ニコン『Z5Ⅱ』レポートはこちら。本編と併せて読まれたし。
写真好きなら即決 「いまのニコン全部入り」なニコン『Z5Ⅱ』のスナップを撮って出しでレビュー!
「いまのニコン全部入り!」とでも言うべき、フルサイズZシリーズの新鋭機『Z5Ⅱ』が4月3日に発表された。「フルサイズスタンダード…二コンのフルサイズミラーレス機『Z5Ⅱ』はコスパにも優れた規格外の新鋭機
初代から4年半を経て「遂に登場!」と巷のカメラファンもわき立つニコンZシリーズの新鋭機『Z5Ⅱ』。「見た目があまり変わらないから…しかし『Z5Ⅱ』は電子ビューファインダーを備えた一眼レフスタイルであるのに対し、『Z5ⅡC』は背面液晶で撮るスタイルだ。日常の何気ないシーンから「わたしの傑作」「画像による物語」を紡ぎ出すイメージだろう。ならばむしろ、単焦点を勧めたい。
今回のレポートでは常に24-50㎜ズームと40㎜単焦点を同行したが、結局9割がたのシーンで使ったのは40㎜単焦点だったのだ。

40㎜はどこに向けても40㎜。画角の変化はないが、絞りの変化が楽しめる。
F2.0と明るいレンズなので、アウトフォーカスのボケはとても大きい。絞れば画面全域にピントがキマる。画角ではなく、絞りで変化を楽しむわけだ。


ただ画角の変化にはウラ技がある。「DXフォーマット」に切り替えることで約1.5倍相当の画角にクロップできるのだ。40㎜単焦点なら60㎜相当とちょっぴり望遠にシフト。ちょっぴりとは言え、思いのほか違って見えるから面白い。

もしズームレンズを求めるなら、やはりキットレンズの24-50㎜よりは、値が張ってもより高倍率を狙いたい。たとえばNIKKOR Z 24-105㎜ f/4-7.1などはいい落としどころだ。レンズ内に手ブレ補正機能をもたないため、価格も抑えられている。ただ、この細長いズームレンズを装着した『Z5ⅡC』の姿はいささか……?

『Z5ⅡC』は、いわば“肌触りのいい普段着”のようなカメラだ。だからこれに似合うレンズは小ぶりな単焦点だというのが筆者的な結論である。
さらに写真の仕上がりイメージを変える「クリエイティブピクチャーコントロール」の使用例の一部をご紹介したい。まずはノーマル。

続いて「ドリーム」。ふわっとやわらかく、あたたかく、夢み心地な仕上がりに。

そして「カーボン」。この墨絵の世界はさながら横溝正史?

中央の被写体に特に意味はないが、手前のぼやけたフェンスと、錆びの出た昭和レトロな鉄塔、とろけたような遠景が、単焦点を使う醍醐味を感じさせる。スマホとは明らかに違う表現。

ビールに転生した「金麦」でかんぱーい。しぼり開放F2.0に設定してふんわりと。「おお、いい画が撮れた! 気分がいいからもう一杯!」なんて、飲み過ぎ注意報発令中。

ひ弱そうな『ウルトラマンテオ』が出現(笑)! ISO400でF2.8、シャッター速度は1/13秒ですが、手ブレ補正機能のおかげでビシっと撮れた。
最近「団地が人気」なんて話題を耳にするが、ヤングファミリー層も地域の人や文化との接点を求めているのかも知れない。この祭りにも多くの子供連れが参加していた。画像はずいぶん赤みが強く見えるが、こういう照明だったので、ホワイトバランスはこれでドンズバ。
ニコン/製品ページ
https://nij.nikon.com/products/lineup/mirrorless/z5_2c/Z5ⅡCスペシャルコンテンツ
https://nij.nikon.com/cms/sp/z5_2c/




























