Evi選手から“若手最強”に向けたメッセージも 情報量が多すぎた『LJL 2026』決勝戦を振り返る

『LJL 2026』決勝戦を振り返る

Eviを受け継ぎ、超える者——

 では、ここからはEvi選手の言葉のとおり、新しいレジェンドたちの戦いを振り返っていこう。

■FENNEL
TOP: kkkkkkkkk選手
JG: Elim選手
MID: Dice選手
ADC: MayR選手
SUP: Bruce選手

■New Meta
TOP: tol2選手
JG: HRK選手
MID: Enapon選手
ADC: L1mit選手
SUP:R0se選手

Game1

 早速、kkkkkkkkk選手が暴れまわる。15分時点で、6キルを持ったカミールが爆誕して、そのまま「FENNEL」が先制した。

Game2

 やはり勢いは「FENNEL」、序盤のオブジェクトの有利を得ていく。しかし、中盤のバロンバフを「New Meta」が有効活用し、スコアは1-1となった。

Game3

 3戦目は「FENNEL」の戦術およびマクロ面での巧さが光った。最速で4つ目のドラゴンを取るのではなく、あえてドラゴンを相手に渡して集団戦に勝つ選択をとる。2-1で王手をかけた。

Game4

 ここで「New Meta」の“新たなメタ”が炸裂する。レイトスケールのチャンピオンが4体という構成で挑むと、育ったナサスとケイトリンをで「FENNEL」を圧倒。2-2となりフルセットへ。

日本の競技シーンでは3年ぶりの“テレーレ”(Silver Scrapes)
最終戦には、コスプレイヤーさんたちも勢揃い
こういった試合間のパフォーマンスも、オフライン観戦の醍醐味だろう

 余談であるが、現地では、会場のエントランスでもコスプレイヤーたちとの交流が楽しめた。インターバル中もLoLの世界観に浸りながら、次の試合に向けてテンションを高められる一日だった。

 以前から感じていたことだが、LoLのコスプレイヤーさんは、各チャンピオンの理解度と愛情だけでなく「どうすれば自分たちがLJLの盛り上げに貢献できるか」という意識がひと際、高いように感じる。もはやパフォーマーとしての領域に達しているように思うほどだ。

Game5

 運命を決める第5戦。今回の大会ルールは、フィアレスドラフト(一度ピックしたチャンピオンは次のゲーム以降で使用できない)なので、5戦目にもなると、技術力だけでなく、各メンバーのチャンピオンプールの豊富さも勝敗に影響してくる。

 そんな運命の第5ピック、構成に明確な違いが表れた。

 「New Meta」はCC(行動阻害)スキルを持つチャンピンを豊富に選択しているが「FENNEL」はCCの数にやや不安が残る構成。スロウは豊富だが、アッシュとセラフィーンのウルトぐらいしか強力なCCがなく、やや戦いづらそうな印象を受ける。

 だが、実際に試合がはじまると、そんな懸念は消え失せた。2つのドラゴンを獲得した「FENNEL」は、12分段階でADCとサポートをTOPに送り込む判断。

 kkkkkkkkk選手の見事なベイト(おとりになる行為)に、MayR選手のウルトが決まって、kkkkkkkkk選手にキルがもたらされた。

 そして、ここでついにkkkkkkkkk選手がしびれを切らした。

 「Eviのあとは俺だ」「いや、俺はEviを超える」

 そう言わんばかりの勢いでkkkkkkkkk選手のオラフが大暴れすると、試合後半にさしかかったタイミングで「New Meta」のネクサスを破壊。この戦いを終わらせた。

 5戦目までもつれ込む激戦の末、3-2 でFENNELが勝利を収め、今年のLJL全大会を制覇する“完全優勝”を達成し、LCP Promotion & Relegationへの出場権を獲得した。

 次なる国際的な大舞台へと挑む彼らの更なる飛躍に、大きな期待が寄せられる。

Evi選手からkkkkkkkkkk選手へのメッセージ

 ここで最後に(ご厚意で答えていただいた)Evi選手から、kkkkkkkkkk選手に向けたメッセージを紹介したい。

 1点留意いただきたいのは、これは正式なインタビューというわけではなく、Evi選手と筆者のオフレコ雑談中に、媒体に載せることを承諾いただいて、いただいたメッセージである。現場のノリもあった上での回答・メッセージであることをあらかじめご理解いただきたい。

ーー後継者と呼ばれているkkkkkkkkkk選手に、何かメッセージはありますか?

Evi:(LoLの実力的には)洞察力がすごいですよね。 一つのことから深ぼっていって、物事を理解するみたいな能力がすごいなと。 なので、「(実力があるのはわかってるから)あまり調子に乗らないようにね」と(笑)。(周囲の)みんなは君のこと褒めるかもしれないけど「うぬぼれず精進するように」。(プロゲーマーとしては)「ゲームするだけじゃないぞ」「人として成長しないといけないよ」というのは伝えたいです。

 でも、そういうのも自分で気づかないとわからないことだと思うので、いつかわかると思います。 たとえば、炎上したあととかに「あ、Eviさんが言ってたのはそういうことか」みたいな形で(笑)。

 以上で今回のレポート・振り返りを終わる。

 これは余談だが、筆者は5年前にもEvi選手にインタビューしたことがある。

 その頃から、Evi選手は自身のYouTubeチャンネル「えびンモTV」にて、若い選手を動画で取り上げたり、アマチュアのプレイヤーを集めた大会「えびンモカップ」の主催し、次世代の育成に力をいれていたように感じた。

 当時、筆者がインタビュー中に「なぜそこまでするんですか?」と聞いたところ、5年前のEvi選手はこう答えていた。

「ぶっちゃけ、僕が楽しいからですね(笑)。自分がやっていることに高尚な理由を追加したくない。もちろん人材育成も兼ねていますが、基本的には僕が楽しいからやっている。それが結果的に、日本のコミュニティにプラスになれば一石二鳥かなと思ってます」

 ここ数年、国内シーンの黎明期を支えた選手の多くが現役を退いた。プロを目指しながらも、志なかばで去ったプレイヤーも多いだろう。Evi選手も競技シーンからは退くことになるが、これからもコミュニティに必要な人物であることは間違いない。

 Evi選手は、日本のLoLコミュニティの中でも、早い段階で「世界で戦うこと」、いや「世界で勝つこと」を見据えていたプレイヤーだった。彼の野望がどこまで達成されたのかはわからない。

 だが、これからもEvi選手が「楽しい」と思う限りは、また私たちの前にきっと現れるはずだ。

「道半ばで力尽きる者もいるだろ。敵を葬るたび、倒れていった者達を思い出せ」

——カ・サンテ

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