4人で冒険、装備集めに夢中! 『Minecraft Dungeons II』試遊で感じた「みんなで遊べるハクスラ」の進化

『マイクラダンジョンズ2』試遊

 一般に、「ハックアンドスラッシュ」(ハクスラ)というジャンルと言えば、『ディアブロ』や『Path of Exile』に象徴されるハードコアで血生臭いゲームという印象を抱くことが多いのではないだろうか。また、良い装備品がドロップされるまで何度も戦闘を続けるという時間泥棒のイメージも根強いだろう。両シリーズのプレイヤーとしては「だいたい合ってる」というのが一つの回答になるのだが、そもそもハクスラの本質は「冒険と宝探し」であり、より多くの人々が楽しめるであろう普遍的な魅力を持っている。一方で、そうした間口の広いハクスラというのは、なかなか出てこないのが実情だ。

 2020年に登場した初代『Minecraft Dungeons』は、まさに従来のハクスラをより気軽に、みんなでワイワイ楽しめるよう丁寧に仕上げられた良作だった。誰もが知る「マインクラフト」の世界を舞台に、とっておきの武器や防具を揃えて、みんなで力を合わせてダンジョンの深部へと向かい、手強いボスに立ち向かうのだ。その狙いは見事にプレイヤーのニーズと合致し、今では総プレイヤー数が2,500万人を超えるヒット作品となっている。

 あれから約6年を経て登場する待望の新作『Minecraft Dungeons 2』(2026年9月29日発売)では、そうした初代の魅力はそのままに、「Minecraft」において約15年ぶりとなる新ディメンション「Sift」、探索の自由度が増した広大なフィールド、装備周りの拡充や新アクション、待望のマッチメイキング機能を含むマルチプレイ要素の改善など、全方位的なバージョンアップを遂げた続編となっている。先日開催された東京ゲームショウ2026では、本作のブース出展に加えて、開発を手掛けたMojang StudiosとDouble Elevenの開発者を交えたメディア向けのプレビューが実施された。本稿ではその模様をお届けする。

Minecraft Dungeons II (マインクラフト ダンジョンズ 2):公式トレーラー

前作のプレイヤーの要望をもとに磨き上げられた、ストレスフリーなハクスラ体験

 今回、メインのスポークスパーソンを務めたMans Olson氏によると、前作を開発していた時点で、実際の作品には盛り込むことができなかったものの、実現してみたい世界の構造や機能が数多く残っていたという。これに、実際のプレイヤーから受けたフィードバックを加えたものが、本作の開発における土台となっているようだ。

Nathan Rose氏(左)とMans Olson氏(右)
左から、Mojang プロダクションディレクターのNathan Rose氏、ゲームディレクターのMans Olson氏

 その中でも大きな変更点の一つが、ゲーム全体の構造だろう。前作ではステージごとに与えられたミッションをクリアすることでストーリーを進めていくというリニアな設計になっていたが、本作では一つひとつのステージが繋がった、よりオープンなデザインになっている。ストーリー自体は前作同様に与えられたミッションを順番にクリアすることで進んでいくが、各エリアに隠された秘密を発見したり、まだ見ぬ場所を探索したりといった、冒険の自由度が大幅に増しているのだ。

 ここで活きてくるのが、本作から導入されたジャンプアクションである。これによって、縦方向のレベルデザインや、ある場所からある場所まで飛び移るといった動きができるようになり、その結果として、「実は、こんな場所にこんなアイテムが!」というシークレットも拡充されている。実際、プレビューの後半ではMans Olson氏による実演を見せてもらったのだが、木のてっぺんからてっぺんへと軽快に飛び移りながら、たくさんのトレジャーが眠るシークレット部屋に到達する光景は、まさに「その手があったか!」と笑顔になってしまうものだった。

Minecraft Dungeons II (マインクラフト ダンジョンズ 2): 公式ゲームプレイトレーラー

 シリーズの要でもある最大4人のマルチプレイ要素についても、大幅な拡充が行われている。前作のローカル協力プレイと、フレンドとのオンライン協力プレイに加え、「ローカル協力プレイ×オンライン協力プレイ(例.2人はローカル、2人はオンライン)」、「マッチメイキング(いわゆる野良マッチング)」、「パーティーコード」といった機能が追加され、誰かの家に集まってみんなでワイワイ遊ぶのはもちろん、ネット上の他のプレイヤーと一緒に冒険に出たり、ハードやアカウントの垣根を超えてフレンドと遊ぶことができる。マッチメイキング機能はプレイヤーからの要望が特に多かったそうで、これでより多くの新たな冒険者チームが生まれることだろう。

 また、実際のゲームプレイにおいても、主にQOL周りに大幅に手が入れられており、ハクスラにおけるマルチプレイ特有のストレス(誰の装備ドロップか分からない、プレイヤーごとの進捗や難易度が揃わない、etc.)がかなり緩和されている。特に「これは良い!」と感じたのは、装備周りが、メニュー画面を開かずとも、遊びながら各プレイヤー用のゲーム内ウィンドウから切り替えられるところだ。ハクスラといえばインベントリ整理との戦いでもあるため、他のプレイヤーを邪魔することなくクイックにそれができるのは本当に嬉しい(他のゲームにも入れてほしいくらいだ)。ちなみに、装備そのものに関しても、前作から装備スロットが増えており、ハクスラの醍醐味がさらに味わえるようになっている。

新ディメンション「シフト」へ 4人で挑む未知の世界と宝探し

 ここまで機能面を中心に書いてきたが、もっとも大事なのは「冒険」そのものだろう。今回は「マイクラダンジョンズ」らしく、プレビューに参加した(私を含む)4名がローカル協力プレイで遊び、その途中でMans Olson氏による解説が入るという形式で取材が進められたのだが、大の人見知りである私も、とても気軽に一人のプレイヤーとして楽しむことができた。今思えば特に操作説明はなく、「はい、どうぞ」とコントローラーを渡されるだけですぐにセッションが始まったのだが、それでもほんの数分で一通りの操作が分かってしまうのだから、本作の遊び始めやすさに唸らされる。

 ゲームプレイの根幹は、おおむね前作と同様だ。プレイヤーたちはお馴染みの「Minecraft」のキャラクターとなって、拠点となる村を飛び出し、次々と押し寄せてくるモンスターたちを各々の装備を駆使して倒していく。マイクラらしいボクセルで描かれた世界観は見ているだけで楽しいし、迫りくるクリーパーたちの脅威は本能レベルで恐ろしい(実際、何度も爆発するクリーパーの餌食になった)。ストーリーの合間にはリッチな3Dアニメーションによるカットシーンも展開され、隅々まで丁寧に作り込まれているのが伝わってくる。

 忘れてはならないのは、今作でなんと約15年ぶりに「Minecraft」ユニバースに追加されるという新ディメンションの「Sift」だ。普段、プレイヤーたちが暮らしているオーバーワールドには、至るところに謎の裂け目が開いており、そこから未知の世界へと飛び込むことになる。実は、今回のプレビュービルドでは、この「Sift」が初めてプレイアブルになったそうで、それはつまり、私たちがこの世界をいち早く体験したプレイヤーということになる。Mans Olson氏にとっても特別な瞬間ということで、さながらテープカットのようなムードで、私たちは裂け目の向こう側へと飛び出していった。

『Minecraft Dungeons II』の探索シーン

 オーバーワールド、ネザー、ジ・エンドに続く、第4のディメンション......。そこに広がっていたのは、極彩色の自然が織りなす、なんとも幻想的な空間だった。紅く染まった草木は美しく、奇妙でかわいらしい動物たちが大地を動き回っていて、心なしか空気も澄んでいるように感じられる。一方で、綺麗な水たまりが気になって近づくと、手痛いダメージを受けてしまった。「マイクラ」と言えば独特なトーンで描かれた自然の美しさも魅力の一つだが、「Sift」ではそうした自然の鮮やかさや危険性がさらに際立っているように感じられる。新ディメンションの制作に際しては、『風の谷のナウシカ』がインスピレーション源の一つになったと語られていたのだが、大いに納得だ。

色鮮やかな世界で繰り広げられる戦闘

迫り来る新たな脅威... | MINECRAFT DUNGEONS II (マインクラフト ダンジョンズ 2)

 つい見惚れてしまうが、画面の奥からモンスターの気配が漂ってくる。今作の戦闘は、前作同様に良い意味でカオスそのもの。大量のモンスターたちに対して、こちらも怒涛の攻撃で応戦すれば、あっという間に画面がさまざまなもので埋め尽くされていく。HPが尽きる前に回復薬を飲み、仲間が倒れたら助けに行く。スキルのチャージが溜まったら「ここだ!」というタイミングで発動して、通常攻撃も忘れない......と思っていたらいつの間にか倒れてしまい、「誰か助けて!」と声を上げる。そんなやり取りを繰り返すうちに、いつしかモンスターの量が減ってきて、キラリと光るアイテムが目の前に現れる。......これは楽しい!

スキルを駆使してモンスターに挑む

 もちろん、冒頭で例にあげたようなタイトルと比較すると、難易度自体はそこまで高くないかもしれない(とはいえ、終盤に待っていたボスにはコテンパンにされたけれど!)。だが、初めて触るにもかかわらず、ワチャワチャしながらなんとか生き残ってホッとするという体験ができるバランスは、これはこれで職人技なのではないだろうか。ちなみにゲーム内難易度については、プレイヤーごとに調整される仕組みを採用しているとのことで、熟練者と初心者がマッチングしても同等に楽しめるようになっている。

 今回のプレビューでは、4人のプレイヤーにそれぞれ役割が与えられていたのだが(私は弓による遠隔中心のビルド)、本作には大枠としてのクラスは存在せず、好きな装備や戦法に合わせて自由にビルドを組むことができる。それぞれが思う「これが最強!」を持ち寄って戦うのも楽しいだろうし、強敵を前に入念な作戦を練って立ち向かうこともできるというわけだ。

 さまざまな面において前作からの進化を遂げた今作だが、そのすべては、シリーズ最大の魅力だった「カジュアルに楽しく遊べるハクスラ」としての完成度をさらに高めるためのものだったのだろう。それくらい、隅々まで隙がないように感じられた。

 「Minecraft Dungeons」の面白いところは、初めて『Minecraft』でゲームの世界に触れた子どもたちが、次に遊ぶタイトルとして手に取る可能性が少なくないということだ。一方で、私を含むハクスラ中毒者もまた、本シリーズには熱視線を注いでいる。そんな両者のニーズを同時に満たすのは極めて困難なミッションだが、それを実現しようという野心もまた、シリーズの魅力に他ならない。今回のプレビューでは、無邪気に楽しく遊ぶと同時に、前作の成功を経てさらなる決定版を生み出そうという開発者たちの強い想いを感じることができた。

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