液晶テレビがもっと美麗に! RGB Mini LEDバックライトを搭載したハイセンスの『U9S』シリーズをオーディオ評論家がチェック
液晶テレビの高画質化技術として、「RGB MiniLEDバックライト」が注目を集めている。毎年1月にアメリカ・ラスベガスで開催される世界的な家電・電子機器の見本市「CES」(Consumer Electronics Show)で、ハイセンスが2025年に技術発表し、同年に中国やアメリカで製品が発売された。今年に入って日本国内でも、各テレビメーカーから続々搭載製品が登場している。
ハイセンスも既に日本でRGB MiniLEDバックライトを搭載したトップモデル『UXS』シリーズを発売していて、さらに8月末から『U9S』シリーズ4モデル(85/75/6/555インチ)がリリースされているが、先立ってメディア向けに『U9S』シリーズを間近に体験できる視聴会が開催された。
RGB MiniLEDバックライトを搭載した、セカンドライン
冒頭、ハイセンスジャパン株式会社 副社長 兼 商品管理部部長の季 建波(リ ジャンボ)氏が登壇し、同社のRGB MiniLEDバックライトテレビの展開について紹介してくれた。上記のように、ハイセンスは他に先駆けてRGB MiniLEDバックライトを提案・発売している。それにとどまらず、今回はラインナップを充実、「RGB MiniLEDバックライト技術を展開し、日本のテレビ事業も拡大していきます」と、今後の抱負を語っていた。
続いて、同社 商品管理部 商品プロモーションG 課長の趙 明昊(チョウ メイコウ)氏が、『U9S』シリーズについて解説してくれた。
そもそも液晶テレビでは、バックライトからの光を液晶パネルとカラーフィルターを通して調整を行って映像を再現している。従来の液晶テレビのバックライトでは、青色LEDと蛍光体や量子ドットフィルター等を組み合わせて白色の光を得ていた。
高画質のために、多くの技術的メリットを活用した
これに対しRGB MiniLEDバックライトでは、光源にRGB 3色のLEDチップを搭載することで、より自然でリアルな色が再現できるようになっている。表現できる色の範囲(色域)も、4K/8K衛星放送やUltra HD ブルーレイ、デジタルシネマなどで採用されているBT.2020規格の最大100%をカバーしている(従来のバックライトは75%ほど)。
他にも優れた発光効率を備えているので、同じ明るさなら省エネになるし、消費電力が同じなら明るい画面(ピーク輝度)を実現できる。もうひとつ、ハイセンスのRGB MiniLEDバックライトではブルーライトを50%低減しているので、目に優しいテレビということになる。
もちろんこういった高品質のためには優れた信号処理も必要で、『U9S』シリーズには、新しい映像エンジン「Hi-View AIエンジンRGB」が搭載された。従来の映像処理チップの他に、バックライトを制御する専用チップを追加したWエンジン構成で、映像の立体感再現や動きの滑らかさが向上しているとのことだ。
液晶パネルはVA方式で、コントラスト再現に優れているのも特徴だ。一方でこの方式は視野角が狭い(斜めから見た場合に色味が変わってしまう)といわれるが、『U9S』シリーズでは「広視野角パネルPro」を採用し、数人が並んで見ても違和感のない映像を実現した。またパネル表面には低反射ARコートも施され、室内の照明などが反射しにくいように配慮されている。
「Tuned by Devialet」スピーカーで、大画面に相応しい音を目指す
大画面テレビの映像が綺麗になると、音のよさも重要になる。そこで『U9S』シリーズでは、2.1.2チャンネルスピーカー(フロントフルレンジ✕2とサブウーファー、トップスピーカー✕2)を搭載して、迫力と包囲感に優れた音を実現している。最大出力は85/75インチが80W、65/55インチが60Wだ。
搭載されたスピーカーは「Tuned by Devialet」で、フランスのハイエンド・オーディオブランド「デビアレ」の監修を受けたバランスのいいサウンドを楽しめるそうだ。
ハイセンス独自の「VIDAA OS」には、新たに生成AIも搭載された。話しかけるだけで動画再生や音量調整が可能なボイスアシスタントはもちろん、生成AIを使って番組内容に関する質問や、関連情報の検索にも対応、“会話できるテレビ”になっている。
今回の視聴会にはオーディオビジュアル評論家の野村ケンジ氏にも同行いただいている。会場ではハイセンスのデモ映像や映画コンテンツも確認してもらったので、以下で野村氏のインプレッションを紹介する。
「リビングでもシアターでも、使いこなし甲斐があるテレビ」(野村氏)
視聴会で、ハイセンスのRGB MiniLEDバックライト搭載『U9S』シリーズを確認できました。RGB MiniLEDバックライトは、その名の通りRGBのLEDチップを搭載しているのが最大の特徴です。光源がRGBの3色になることで、色再現と高輝度を両立でき、テレビの画質にもひじょうに大きなメリットをもたらしてくれます。
例えば、画面も明るければいいみたいな作り方ではなく、階調などを含めて人間の視野に近い自然な見え方、色合いを追求している感じがすごくいいと思います。今回はデモ用CGで、色が誇張された映像も見ていますが、そんなコンテンツでも色の細かさを丁寧に出していました。RGB MiniLEDバックライト搭載機は、他社製品を含めて赤色がやや強めになる印象がありますが、『U9S』シリーズは比較的赤色が落ち着いて見えるのが面白いところですね。
上位モデルの『UXS』では、もっとダイナミックレンジ訴求というか、画面全体の輝度が高い印象なのですが、『U9S』はそれに比べるともう少し落ち着いた映像として感じられました。といっても、リビングでも楽しみやすい十分な明るさを持っており、破綻のない絵作りを心がけているかと
暗いシーンが多い映画ブルーレイの『マリアンヌ』を、「映画」モードで見ましたが、こちらも全体的に明るめの画作りで、情報が見えないといったことはありませんでした。逆に、黒が浮いていると感じる人もいるでしょうが、その場合は「コントラスト感調整」メニューの「ルミナンスブースト」を調整してみてください。
ここは『U9S』の使いこなしポイントでもあって、初期値の「オート」はリビングなどでの視聴を想定して、画面輝度が高めだそうです。でも映画作品だったらもっと黒を沈めたいこともあるでしょう。その場合は10段階の中からちょうどいい明るさを選ぶといい。このように、ユーザーが好みに合わせて調整できるのは嬉しいですね。
『U9S』シリーズは、どちらかというと平均輝度が高めの映像が得意そうな印象もありましたので、地デジや配信のドラマをリビングでみんなでワイワイ見るといった使い方にもぴったりかもしれません。もちろん1人暮らしやパートナーとふたりで、推しのコンテンツを色鮮やかに楽しみたいといった用途にもお勧めします。
『U9S』は売れ筋の65インチでも40万円を切っています。RGB MiniLEDバックライト搭載機で、しかもハイセンスのセカンドラインがこの値段で手に入るなんて、本当にすごいことですよ。
●参考情報
商品名:RGB Mini LED液晶テレビ
型名:『RGB85U9S』『RGB75U9S』『RGB65U9S』『RGB55U9S』
発売日:8月末
価格:市場想定価格66万円、46万2000円、36万3000円、28万6000円(すべて税込)
https://www.hisense.co.jp/tv/