手軽に4K大画面を愛でる愉悦 AWOL Visionの超短焦点プロジェクター『Aetherion Max』で100インチの世界に没入
アメリカのAWOL Vision(エーウォルビジョン)の超短焦点プロジェクター『Aetherion Max』『Aetherion Pro』のクラウドファンディングが、本日(2026年8月18日)からMakuakeでスタートした。最近は大画面を手軽に楽しめるスマートプロジェクターが人気だが、両モデルはその最先端機能&高品質を備えたアイテムとして注目を集めるだろう。
AWOL Visionは2020年に設立し、RGBレーザープロジェクターを中心とする映像機器の開発・製造を手掛けている。創業者で社長を務めるアンディ・チョウ氏はもともと大画面マニアだったが、市場に期待に応えてくれるプロジェクターがなかったので、自分で開発することに決めたという。同社ではそれくらい大画面愛に溢れた製品を送り出しているわけで、現在は超短焦点タイプのAetherion(イーサリオン)と、長焦点タイプのValerion(ヴァレリオン)の2つのブランドを展開している。
『Aetherion Max』『Aetherion Pro』は、スクリーン(壁面)から15.8cm離すだけで100インチの大画面を楽しめる、超短焦点・床置きプロジェクターだ。一般的なプロジェクターは天井に取り付けたり、視聴位置の近くに置いて投写する長焦点タイプが中心だが、それらは取付け工事が必要だったり、使わない時は存在が目につくこともある。しかし超短焦点タイプなら、床やラックに置いて100インチクラスの大画面を再現できるわけで、テレビ代わりに活用するのもアリだ。
さらにどちらもWiFiやGoogle TVを搭載し、LAN環境につなぐだけでNetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスを視聴可能(それぞれの契約は必要)。スピーカーも内蔵しているので、一台で映画やライブを楽しめるのも嬉しい。
DLP方式ならではの、明るく、色鮮やかな映像を再現
投写デバイスはDLP方式で、0.47インチのDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)素子を使っている。DMDはその名の通り表面に微細な鏡を敷き詰めたデバイスで、ひとつひとつの鏡の反射率をコントロールすることで、明るく、色鮮やかな映像が再現できる。映像の表示速度が早いのも特徴で、ゲームなどの再生にも適している。
また『Aetherion Max』と『Aetherion Pro』は、光源にRGB Pureトリプルレーザーを採用しているのも特徴だ。RGBレーザー光源によって純度の高い色が再現できるし、DLPプロジェクターで指摘されやすいカラーブレイキングノイズ(字幕などの輪郭に尾引き状に色が出る)も抑えている。
独自のEBL(Enhanced Black Level)技術も搭載済とのこと。これは映像をフレームごとに解析し、レーザー光量をリアルタイムで最適化する技術で、黒の深みや暗部情報の再現に有利となる。
両モデルの違いは、明るさが『Aetherion Max』は3,300ISOルーメン、『Aetherion Pro』が2,600ISOルーメンという点で、その他のスペックはほぼ共通。つまり、どんな環境で大画面を楽しみたいか(明るいリビングで使いたいか、寝室で映画を見るのがメインかなど)によって選び分けてもいいということだ。
『Aetherion Max』と『VIVIDSTORM』の組み合わせもチェック
今回はリアルサウンドテックの社内スタジオで、日本に到着したばかりの『Aetherion Max』と、同じくAWOL Visionの床置き式電動スクリーン『VIVIDSTORM』(100インチ)を組み合わせてチェックした。
『VIVIDSTORM』は横幅2.5mほどのケースに入っていて、リモコンのボタンを押すとスクリーンが立ち上がってくる。立ち上げ式スクリーンは表面にしわができることもあるけれど、『VIVIDSTORM』はサイドテンション機構を採用することで平面性を確保している。
でも壁面に投写すればスクリーンはいらないのでは、と思う人もいるかもしれないが、実はそうじゃない。通常の住宅の白壁は光の反射率も低く、照明などの環境光の影響を受けやすいので画面が暗く感じられることが多いのだ。
これに対し『VIVIDSTORM』は、スクリーン表面に光の反射方向を制御する構造を採用して環境光の影響を排除、床置き・超短焦点プロジェクターからの光を視聴位置に戻してくれる。その結果、天井の明かりを残した状態でも映像に没入できるという。なおAWOL Visionでは、超短焦点用の他に長焦点用スクリーンもラインナップしており、プロジェクターに応じて選び分けができる。
理想的な設置を追い込んで、美しい4K/100インチ映像を実現
今回はスタジオの壁ぴったりに『VIVIDSTORM』を、さらに16cmほど離した場所に『Aetherion Max』を設置した。どちらも床置きで、『Aetherion Max』で投写される映像位置にスクリーンの高さを合わせている。
ここで注意点がひとつ。床置き・超短焦点プロジェクターの使いこなしでは、設置が一番重要になる。というのもこのタイプは、原理的に台形歪みがでやすい。もちろん『Aetherion Max』は台形補正機能を搭載しているが、高画質のためにはできるだけ補正量を少なくしたい。今回は両方のセンター位置を合わせ、さらにスクリーンとレンズが並行になるように設置を追い込んでいる。
こうして実現した100インチ映像は、4Kの細かさと、DLPプロジェクターらしい力強さを備えている。スクリーンがグレー系だったので色再現がどうなるか心配したが、映像を投写してみるとほぼ気にならなかった。それよりも、窓から外光が差し込むような環境(直射日光は別として)でも、映像が白飛びしないというメリットが大きい。
動画配信のドラマやアニメが、リアリティたっぷりに楽しめる
『Aetherion Max』をWi-Fiにつないで、Netflixのドラマシリーズ『ガス人間』と、アニメーション映画『超かぐや姫!』を再生する(事前にGoogleアドレス等を設定した)。
なお、Google TVの設定やアプリ操作、映像・音声メニューの選択などは付属リモコンで行っている。そのリモコンは手のひらに収まるサイズで、メタリック調の落ち着いたカード形を採用。ボタンの識別アイコンはちょっと独特だけど、クリック感も絶妙で使い勝手はとてもよかった
『ガス人間』はDolby Visionで配信されているので、映像メニューは「Dolby Vision Bright」「Dolby Vision Dark」「Dolby Visionカスタム」から選ぶことになる。冒頭のテレビ局内部やスタジオの照明の再現では「Dolby Vision Bright」が好印象。蒼井優の薄化粧風の肌も綺麗だし、ビルの窓ガラスの輝きも目に映える。もう少しコントラストを上げたい気もするが、からっとした映像が本作にあっている。
『超かぐや姫!』は映像メニューを「標準」にセット。HDからの4Kアップコンバートも上々で、手描き風アニメの柔らかさと、均一な着色の再現がいい。仮想空間に移ると、色数や描き込みの細かさが増してきて、『Aetherion Max』の表現力の豊かさを確認できた。
この作品で音声メニューも切り替えてみた。セリフの太さや音の広がりに違いがあるようで、本作は「音楽」モードとの相性がよさそうだ。
ライブBDやアニメの4Kブルーレイで、イマーシブ体験を堪能
4Kブルーレイプレーヤーをつないで、EAGLES『FAREWELL I TOUR LIVE FROM MELBOURNE』を、映像メニュー「FILMMAKER MODE」で再生する。「HOTEL CALIFORNIA」演奏シーンのドラムやギターの光沢、きらびやかな照明が落ち着いた映像として投写される。ここでHDRエンハンサーをオン/オフしてみると、人物や楽器のディテール表現に明確な差が出た。HDRエンハンサーは常時「オン」でいいだろう。
マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』では、「スリラー 3D」のシークエンスを選ぶ。映像メニュー「標準」ではゴーストが案外クリアーで、リハーサルシーンのライティングも眩しいくらいだ。「FILMMAKER MODE」に切り替えると、暗部階調が細やかになって黒も締まる。派手さはないが、こっちも悪くない。
4Kブルーレイでアニメ『THE FIRST SLAM DUNK』も見た。映像メニュー「Dolby Visionカスタム」では、オープニングバックの白い画用紙の質感が際立つ。体育館の試合シーンでは客席の描写まで緻密で、自然な輪郭が奥行き感を演出する。100インチの不思議な立体感に、思わず引き込まれる。
4Kブルーレイ『ボヘミアン・ラプソディ』は、「Dolby Visionカスタム」ではややビデオ映像的に感じるし、「Dolby Vision Bright」は暗部が単調に思える。そこでカーテンを閉めて部屋の照明を少し落とし、「Dolby Vision Dark」を選んだ。
クライマックスシーンでは、観客ひとりひとりの表情まで再現されるし、ステージからの俯瞰映像も広大だ。自分もライブに参加している気分になり、これこそ高品質大画面ならではの没入感、イマーシブ体験といっていい。
最近は100インチクラスの液晶テレビも登場しているが、価格や設置面でのハードルはまだ高い。『Aetherion Max』『Aetherion Pro』のようなスマートプロジェクターはその点でもメリットがあるし、使わない時はスクリーンを格納できるから、大画面空間のシーンチェンジを楽しめる。この快適さと楽しさは是非とも一度、体感してもらいたい。