LG、2026年有機ELテレビ新モデルを発表 AIと空間体験で“次のテレビ像”を提案

 LGエレクトロニクス・ジャパンは6月9日、有機ELテレビの2026年ラインアップを発表した。今回登場するのは、ワイヤレス接続対応の「LG OLED evo AI W6」、プレミアムモデルの「LG OLED evo AI G6」、ハイグレードモデルの「LG OLED evo AI C6」の3シリーズ10モデルだ。

高画質競争のその先へ

LGエレクトロニクス・ジャパン Marketing Teamの安藤康夫氏

 発表会ではLGエレクトロニクス・ジャパン Marketing Teamの安藤康夫氏が登壇。2013年に世界初の大型有機ELテレビを発売して以来、LGが積み重ねてきた技術革新の歴史を振り返るとともに、2026年モデルで目指す新たなテレビ体験について説明した。有機ELテレビ市場においてLGはこれまで、「黒の表現力」や「色再現性」といった画質面で業界をリードしてきた。

 ウォールペーパー型テレビや8Kモデル、FILMMAKER MODEなど、映像体験そのものを進化させる取り組みを続けてきたLGだが、今回の発表から見えてきたのは、単なる画質向上ではない。2026年モデルでLGが打ち出したのは、「AIによる個人最適化」と「空間との融合」という二つのテーマだ。

 テレビを視聴するデバイスとしてだけでなく、住空間の一部として、そして家族それぞれに寄り添うパーソナルデバイスとして進化させようという意図が随所に見られた。

ワイヤレスで復活した“ウォールペーパー”

 その象徴ともいえる存在が、最上位モデルとなる「LG OLED evo AI W6」だ。W6シリーズは、かつてLGが展開していたウォールペーパー型テレビの思想を受け継ぐモデルである。最大の特徴は、薄さ9.55mmという超薄型設計とワイヤレス化の両立だ。

 チューナーやHDMI端子などの接続機能はすべて「Zero Connect Box」に集約。本体にはケーブルを接続する必要がなく、ボックスも最大10m離れた場所に設置できる。大型テレビでありながら、まるで壁面そのものが映像を映し出しているかのような存在感を実現しており、テレビを家具ではなくインテリアの一部として捉えるLGの考え方が色濃く反映されている。

 近年はテレビの大型化が進む一方で、リビング空間との調和も重視されるようになっている。W6シリーズは、そうしたニーズに対するLGの一つの回答といえるだろう。

Hyper Radiant Colorが実現する新たな映像表現

 画質面での最大の進化は、「LG OLED evo AI W6」と「LG OLED evo AI G6」に搭載された新技術「Hyper Radiant Colorテクノロジー」だ。

 この技術は単純な高輝度化ではない。輝度向上、黒表現、色再現、反射低減を統合的に最適化することで、視聴環境に左右されにくい映像体験を目指している。

 さらにBrightness Booster Ultraとの組み合わせにより、従来比で最大約3.9倍の輝度向上を実現。明るい映像部分と有機ELならではの深い黒とのコントラストをより際立たせることで、映像に奥行きと立体感をもたらしている。

 加えて、Perfect Black、Perfect Color、Perfect Reproductionなどの認証取得に加え、映り込みを抑える低反射設計も採用。従来の有機ELテレビが得意としていた暗室環境だけでなく、明るいリビングでも高画質を維持できる点をアピールした。

AIがテレビ体験をパーソナル化する

オーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジ氏も出来栄えを称賛

 今回の発表では、新たに「アンビエント FILMMAKER MODE」も搭載された。

 周囲の明るさを検知しながら映像の明るさやトーンを自動調整し、制作者の意図を損なうことなく最適な映像を表示する機能だ。さらにGoogle GeminiやMicrosoft Copilotと連携するマルチAIサーチ機能も導入され、テレビ視聴中に気になった情報をその場で調べられる環境も整えられた。発表会場に居たオーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジ氏は製品群を見てこう評価した。「これまで有機ELテレビにあった暗いというイメージを変えてくれて、それが不自然な明るさでもない。これは同社の独自技術、今回投入されたAIの力も大きい。違和感なく明るい映像が楽しめる有機ELテレビ。それこそが、2026年モデルの魅力ではないかと思います」とコメントしてくれた。

 これまでテレビの進化は画質やサイズが中心だった。しかし2026年モデルから見えてきたのは、AIが利用者一人ひとりに合わせて最適化を行い、テレビそのものが生活空間へ自然に溶け込んでいく未来像だ。LGの2026年有機ELテレビは、高画質化の先にある“AI時代のテレビ体験”を提示するモデル群として位置付けられそうだ。

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