『コロコロ』がVTuber事業を始動、ホロライブは2名が活動を終了 新規参入と去就が相次いだ一週間

新規参入と去就が相次いだVTuber業界の一週間

『コロコロコミック』と大丸松坂屋百貨店がVTuber事業に参入

 ここ最近はエッジの強い展開が増えつつある『コロコロコミック』が、VTuberプロジェクト『ゾンちゅう~ゾンビJKはゲーム配信中~』を始動させた。モンスターモチーフの3人のVTuberによるゲーム配信と、ショートアニメ、『週刊コロコロコミック』での連載と、マルチメディア展開を見据えたプロジェクトのようだ。

 キャラクターデザインにはイラストレーターのMika Pikazoを起用し、YouTubeでアニメチャンネルなどを運営するPlottもプロジェクトに参画。配信だけでなく、露出機会の増えるショート動画を仕込むなど、かなり戦略的な展開だ。

 ことしの4月には『ちゃお』が「女子小学生が好きなVTuber」を調査し、『ホロライブ』だけでなく2022年デビューのイラストレーターVTuber・甘狼このみが上位ランクインした件が話題になったが、いまや小学生の間でも「VTuberのファン層」の基盤が生まれつつあることを本件は示しているようだ。

 さらに、昨年『VRChat』向けの3Dアバター制作でメタバース事業に参入した大丸松坂屋百貨店は、VTuberプロジェクト「EchoVerse」を立ち上げ、2025年春よりVTuber事業にも参入することを発表した。1月24日までオーディションが実施予定で、合格者はゲーム配信や歌動画といった、純粋なエンターテインメント路線での活動が見込まれているようだ。

 もともと、同社は2021年よりTikTokを基点とするインフルエンサー事業にも取り組んでおり、これまでの人脈・ノウハウをフル動員したVTuber事業になると推測される。いずれも、クリエイター支援・共創が文脈として根ざしており、アートやファッションのキュレーションや発信を手掛ける百貨店の立ち位置を拡大するものと捉えれば、納得のいく展開と言えるだろう。

サンリオはVTuber×VRChatが合流するグリーティングイベントを発表

 サンリオは『VRChat』を舞台にしたグリーティングイベント「サンリオバーチャルグリーティング!! In PURO MEET & GREET TERRACE」の開催を発表した。VRイベント『SANRIO Virtual Festival』に登場するバーチャルピューロランドに、新規エリアを開設。VTuberやサンリオキャラクターと対面できるイベントとなる。1月の初回開催には、桃園りえるとシナモロール、因幡はねるとポムポムプリンの組み合わせでグリーティングが実施予定だ。

 これまでの『SANRIO Virtual Festival』でも、『VRChat』内で実施されるサンリオキャラクターとのグリーティングは好評を博していた。VRメタバース空間でおこなうグリーティングは、キャラクターやVTuber、そして参加者が同じ場所・同じ次元に立てる点が特徴だ。とりわけVTuberは、モニター越しに映る姿ではなく、“目の前にいる存在”として出会える点で、リアルでは生み出しにくい体験だ。有料イベント化によって、サンリオの『VRChat』事業における新たな収益経路が生まれることも期待できそうだ。

ホロライブ・沙花叉クロヱが配信活動を終了 活動に区切りや変動が見られるタレントたち

 11月29日、ホロライブ所属の沙花叉クロヱが、2025年1月26日をもって配信活動を終了することを発表した。YouTubeでの配信デビューからちょうど3年目の節目で、彼女が所属する6期生「秘密結社holoX」全員が100万登録達成に至ったタイミングでの発表に、驚かされた人も多いだろう。

 さらに、「ホロライブ English」所属のセレス・ファウナも2025年1月4日付けで卒業することが明かされた。彼女もまた、デビューから3年が経過したタイミングでの活動終了となる。

 そして、ホロライブにおける「卒業」と「配信活動終了」の差異について、初めて詳細な説明がなされた。アメリア・ワトソンも該当する「配信活動終了」は、基本的には「卒業」と同様の扱いだが、限定的な活動の可能性が残される形式だという。その「可能性」が、IPコンテンツにおける声優の新規収録のような形式なのか、周年記念におけるゲスト参戦なのかは、タレント側の事情などに左右される、と読み取れる。

 いずれにせよ、完全に関係が絶たれるわけではない離籍、と考えておくのがベターだろう。こうした新しい形の離籍が、今後のホロライブにどう影響していくかは注視していきたい。

 師走に差し掛かるタイミングで、グループ全体の整理・変動の動きも見られた。スクウェア・エニックスプロデュースの「GEMS COMPANY」は、12月7日のオンラインライブをもって、現体制での活動に区切りをつけると発表した。具体的な個々の進退などは明かされていないが、2018年から走ってきたバーチャルアイドルにもピリオドが訪れる形となった。

 同じく、2018年より運営されてきたVTuber事務所「Re:AcT」は、運営会社のmikaiがライブ配信プラットフォーム「17LIVE」の17LIVE Group Limitedへの参画を発表した。経営統合となるが、今後も独立した企業として運営が続けられるとのことだ。配信プラットフォーム運営企業の傘下になるのは異例だが、グローバルな成長が続く「17LIVE」との接続は、どちらかと言えば前向きな展開だろう。

 キズナアイの「AI Channel」は、12月1日で8周年を迎えた。それだけの時間が流れた以上、タレントも業界も、変化が訪れるのは当然のことだ。そして、スリープ中のキズナアイにも、なにやら変化が起きている様子。その結果が明らかになるのは、年が明けた2月末になりそうだ。

ホロライブ・沙花叉クロヱが活動終了を発表 カバー社は「配信活動終了」の扱いにも言及

カバー社が運営するホロライブプロダクションは、秘密結社holoXに所属するタレント・沙花叉クロヱ(さかまた くろえ)が2025年…

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