骨伝導イヤホンって、究極の“スポーツに最適なイヤホン”かも! 『OpenRun Pro 2』徹底レビュー

 ユーザビリティはもちろん、音質に関してもいっさいの妥協がない、スポーツイヤホンの究極型と呼べる製品が登場した。それがShokzの新フラッグシップモデル『OpenRun Pro 2』だ。このモデルについて語り尽くしてみたい。

 Shokz(元AfterShokz)といえば、骨伝導イヤホンのブランドとして欠かせない存在であり、そもそもリスニング向け骨伝導イヤホンという新しいジャンルを開拓した立役者でもある。いまでこそ音楽鑑賞をメインに据えた骨伝導イヤホンをラインアップするメーカーは数多くあるが、その本家本元がShokzであることは確かだ。また、スポーツユースにも配慮されており、骨伝導スポーツイヤホンとして圧倒的な人気と信頼を得ているのも確かだ。

 そんな、骨伝導のオピニオンリーダーであるShokzから今秋、新フラッグシップモデルであるネックバンド型の骨伝導イヤホン『OpenRun Pro 2』が登場した。名前だけを見れば単に先代「OpenRun Pro」のグレードアップ版とも見えるが、実はドラスティックという言葉がピッタリと思えるくらいの画期的な進化を遂げている。

 なんと、『OpenRun Pro 2』は骨伝導ユニットに加え、ダイナミック型ドライバーを搭載するハイブリッド構成モデルへと生まれ変わったのだ。当然ながら、ハイブリッドドライバー構成のスポーツイヤホンはShokzとしても初の試みとなる。

 新システムをフラッグシップモデルに導入すること自体、かなりの勇気を必要としただろうが、先日登場したオープンイヤー型の完全ワイヤレスイヤホン『OpenFit』の開発にまつわるノウハウもあってか、なかなかに思い切った決断だと思う。その甲斐あって『OpenRun Pro 2』は音質もユーザビリティも、大いに魅力的な製品に仕上がっている。

 最も気になるのはそのサウンドだろう。先ほどから紹介しているとおり、ドライバーは骨伝導とダイナミック型のハイブリッド構成となっていて、このうち骨伝導は中高域を、ダイナミック型は低域を担当。それぞれ得意とする帯域に集中して補い合う独自のシステム「DualPitchテクノロジー」を採用している。

 実は、これまでの骨伝導イヤホンは低域までしっかり再生するためにかなり強い振動を発生させる必要があり、それが音漏れに繋がっていたり、人によって不快感をもたらす原因となっていたが、低域をダイナミック型に振り分けることで、これらの弱点を巧みに解消している。

 また、ダイナミック型ドライバーは骨伝導ユニットとは独立したユニットを採用しており、最適なレイアウトに配置しているという。結果として、仲間の声や周りの音がしっかり届く骨伝導イヤホンならではのメリットを確保しつつ、オープンイヤー型としての音漏れの低減を両立。さらに、自社のチューニングチームが作り上げたという4つのEQモード(スタンダード/ボーカル/低音強め/高音強め)を提供する。

 利用するシチュエーションや楽曲に合わせて、ベストなサウンドを楽しむこともできるのだ。ちなみに、EQはユーザーがカスタムできるモードも2つ用意されており、さらなるサウンドキャラクターの追求ができるようになっている。

 マイク性能にもかなりのこだわりが伺え、最先端のAI技術を活用したノイズリダクションアルゴリズムによって、明瞭な音声通話を実現。さらに、マイクを最適な位置に配置することで風切り音を低減。屋外やラインニング中でも良好なコミュニケーションを可能としている。

 そのほかの機能性に関しても、IP55の防塵防水性能やUSB-C充電コネクタの採用、12時間の再生時間、5分で2.5時間のリスニングが可能な急速充電対応、2台のデバイスをシームレスに切り替えられるマルチポイント接続など、最新モデルならではのインテリジェントさ、使い勝手のよさを確保している。

 なお、装着感に関しては、これまでに培ってきた人間工学に基づくイヤーフックやボディデザイン、ネックバンド部のNi-Tiワイヤー採用などとも併せ、滑りにくく安定した、それでいて快適さが両立されている。バリエーションとしては、ネックバンド部の長さが異なるスタンダードとミニの2モデルを用意。カラーバリエーションはスタンダードで4タイプ、ミニで2タイプがラインナップされている。当記事で紹介している2モデルはスタンダードの特別カラーであるマラソンランナーの「大迫傑モデル」と、「キプチョゲモデル」となる。

「大迫傑モデル」
「キプチョゲモデル」

 さて、実際に装着してそのサウンドを確認してみよう。結論としては、驚異的な“普通”に良質なサウンドを聴かせてくれた。

 本当に骨伝導なの? と思うくらい丁寧で緻密な中高域を持ち、低域の量感も(たっぷりとはいわないまでも)必要充分な量感を備えている。なによりも、音色の自然さが好ましい。女性ヴォーカルも男性ヴォーカルも声の特徴がしっかりと伝わり、それぞれの魅力を存分に味わえるのだ。Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」は歌い分けが十全に感じとれるのでとても楽しい。

 一方、宇多田ヒカルはほんの僅かにハスキーな、大人っぽい歌声。高域の伸びがよいので、坂本真綾や早見沙織など声優・歌手系も活き活きとした歌声が楽しい。やや意外だったのがロックギターとの相性のよさ。低域の締まりのよさが功を奏しているのだろう、Nirvanaはハスキーな歌声とキレのよいベース&ドラムが融合した疾走感あるサウンドを聴かせてくれた。芹澤優「JUNGLE FIRE」は(ユーロビート系だが)前奏の分厚いギターサウンドが楽しくて仕方なかった。

 いっぽうで、クラシックも悪くない。小林研一郎のドヴォルザーク「新世界より」では、音場が大きく広がり、スケール感ある演奏を楽しませてくれた。特にコントラバスやチェロなど伴奏よりの弦楽器や、木管楽器の音が活き活きとした演奏に感じられたので、溝口始めも聴いてみたが、こちらもなかなか。チェロはもちろん、ピアノの音も伸びやかだ。

 このように『OpenRun Pro 2』は、骨伝導とオープンイヤーを融合した“いいとこ取り”した結果、使い勝手とサウンドが巧みに両立された画期的な製品となった。スポーツユースはもちろんだが、カフェなどの屋外で使いたい、テレワークに活用したい場合などで重宝する、それでいてサウンドも遜色なく楽しめる、とても魅力的な製品に仕上がっている。

◯製品情報
価格:2万7880円(税込)
OpenRun Pro2製品ページ:https://jp.shokz.com/products/openrun-pro2

 また11月27日~12月6日のブラックフライデーではShokz 公式サイトとAmazonオフィシャルストアでShokzイヤホンが最大29%OFF!(OpenFit Air 20%OFF、OpenRun 29%OFF、OpenComm2シリーズ15%OFF)になるので要チェック! 販売サイトはこちら

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