軽さは正義、重さ1キロ未満のハイエンドモデル。VAIOのモバイルワーク特化型PC『VAIO SX14-R』の実力

 VAIOの新製品『VAIO SX14-R』が2024年10月31日に発表された。『VAIO SX14-R』は同社のラインアップの中でも「ハイエンド」「軽量」「大画面」を特徴とした、モバイルワークに適したノートPCだ。

 現在トレンドとなっている“AI PC”をはじめ、各メーカーの性能、機能の伸長にフォーカスしている。そんな中、VAIOが目指したのは、「モバイルワーク」への適正と、ユーザーの「気持ち」に寄り添い、モチベートする製品づくりだ。

 ちなみに製品名の「R」は「Revolution」の頭文字を取ったもので、「VAIO SX」の後継機ではなく、新たなプラットフォームとして売り出していくものだという。

モバイルワークに適したプロダクト設計

 「モバイルワーク」に適したPCを語るうえで重要となるのが、「持ち運びのしやすさ」と出先での「仕事のしやすさ」だろう。

 本体は天板と底面に、新開発の熱可塑性カーボンプレートを採用している。アルミやマグネシウム合金と比べても強度が高く、多少雑に持ち運んでも問題ない。さらにカーボンは軽い。重量はなんと最軽量モデルで948グラムとなっている。開発にあたって1kg未満に抑えることを目指し、製造工程の見直しから行ったという。家を出るタイミングで、「もしかしたら出先で作業するかも……」とPCをカバンに入れるか悩む人も多いはず。重さや損傷についてほとんど気にすることなく持ち運べるのは、仕事へのモチベーションにもつながる要素だ。

 バッテリーは購入時に、標準バッテリーと大容量バッテリーで選択可能。標準バッテリーの場合、連続動画再生時間は約10時間、なにも操作しないアイドル時間は26時間から27時間程度。大容量バッテリーは連続動画再生時間は16時間、アイドル時間は38時間だ。なお大容量モデルの場合、重量が約1020グラムと1kgを少しだけ超えてしまうのでご注意を。本体左右両方にUSB Type-Cポートを備えているので、どちらからでも充電が可能だ。

 さらに別売りの「VAIO VISION」シリーズを仕様すれば、全部で約1.5kg未満の超軽量デュアルディスプレイ環境を整えることもできる。

 スペックにも触れると、プロセッサーはIntel Core Ultra7プロセッサー155HとCoer Ultra5プロセッサー125Hから選択可能。RAMは16GB〜64GBで選択できる(64GBはCore7モデルのみ)。ストレージは最大で2TB SSDまでカスタム可能だ。ディスプレイは1920×1200ピクセル、2560×1600ピクセル+タッチ対応、2560×1600ピクセル+タッチ対応+ペン対応の3パターンから選べる。通常モデルとタッチ対応モデルはアンチグレア。ペン対応モデルはフラッシュサーフェスとなる。

オンライン会議に特化した機能を搭載

 また今回注目したいのは、オンライン会議時に活躍するさまざまな機能だ。「オンライン会話設定」というアプリケーションと、それをワンタッチで呼び出すキーも実装されている。

最上段右から4つ目のキーでオンライン会話設定を呼び出せる

 『VAIO SX14-R』本体には、合計3箇所にマイクが搭載されており、4つのモードに応じて、集音範囲を変えられる。

 例えば、「プライベートモード」を使用すると、集音範囲は中央から左右約45度に限定されるため、マイクが音を拾う範囲を自分ひとりに集中させられる。さらに集音範囲を狭めたければ、「プライバシーモード」で約20度にまで限定できる。加えて、かなり小さな声で喋っても、まるで口元にマイクを当てたかのように、はっきりとした音声として集音してくれることにも驚いた。

 反対に、オフィスの会議室から複数人でオンライン会議を行うときは、ハウリングなどを回避するため音声は1台のPCのみに絞ることが多い。たいてい全員の声をきれいに届けることは難しいものだが、「会議室モード」を使えば、360度から集音するだけでなく、全員の声を等しい音量に調整してくれる。さらに部屋の反響音といったノイズも低減し、オンライン会議の相手にきれいな音声を届けてくれる。

 オンライン会議時の映像も、言うまでもなく大きく印象を左右する。921万画素ともはやデジカメレベルの画素数のカメラを搭載。画面内で露出(明るさ)に差が生じている複数箇所をリアルタイムで合成することで、自然な印象のまま明るさの調整ができる「HDR明るさ補正」や、4つのピクセルを1つにまとめて感度を高める「ピクセルビニング」によって、暗所からでも問題なくオンライン会議に参加できる。

明るさ調整機能のデモンストレーション。左は「VAIO SX14-R」のカメラでオンライン会議に参加している様子で、右画面はそのときの室内を別のカメラで映したもの

 ほかにも、オンライン会議中の離席や飲食をしていることを相手にさとられないために、一時的にカメラの映像を静止させる「カメラ一時停止」といった変わった機能も備えている。音声、映像機能ともに現場の声をダイレクトに反映したような印象がある。時代の節目だからこそ、新しい機能を意欲的に導入しようという姿勢は好感が持てる。

仕事へのモチベーションを高めるデザイン

 スペックシートには表れない、手触りや操作感、印象などにも気を遣って設計したという。本体の縁はや上向きに傾斜しており、下から指を入れやすくなっている。画面を開くと、キーボードをタイピングしやすいように適度な傾斜がつく、チルトアップヒンジ構造となっている。

 キーボードは日本語配列だが、「かな刻印」がなくすっきりと美しい。極端にキーを削ったり、分かりづらい表記になっていることもなく、操作感とデザイン性を両立したちょうどい塩梅だ。

 カラーリングは、ディープエメラルド、アーバンブロンズ、ファインブラック、ブライトシルバーの4色に加えて、全面を黒で統一した「ALL BLACK EDITION」と「勝色特別仕様」の合計6色がリリースされる。

ムーミンモデルも登場

 また『VAIO F16』『VAIO F14』へムーミンに登場するキャラクターのイラストを施したモデルも10月17日から受注開始となっている。サテンゴールド、ウォームホワイト、ネイビーブルーの3色のモデルに、リトルミィ、ムーミン、スナフキンの3キャラクターのいずれかを組み合わせることができる。もちろん外箱もムーミン仕様。こちらの愛らしいノートPCも是非、チェックしてもらいたい。

©Moomin Characters TM

◯参考情報

https://vaio.com/

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