自作PCがこんな簡単になったとは…10年ぶりに組んでみたら、ケーブル周りがスッキリしすぎて感動した話

裏配線に未来のデスクトップデザインを垣間見た

 今回の組み立てで筆者が特に感動したのが、配線のスッキリさだ。こちらの写真を見てもらいたい。

 マザーボードの周囲に、ほとんどケーブルが見えない。筆者が知るデスクトップの中はもっとケーブルで溢れかえっている印象なのだが、近年は「裏配線」なるスタイルがトレンドなんだとか。

 ケースの反対側(マザーボードの裏側)を見てみると、ここに配線が集められているのがわかる。今回使ったマザーボードは今年4月にASUSが発表した『BTF(Back-To-the-Future)』シリーズのひとつで、バックの名の通り配線を後ろに隠せるデザインになっている。さらにPCケースもBTFに対応しており、つまりは最先端の裏配線を体験できる組み合わせでもあるのだ。

 裏配線の利点は、マザーボードの上面をスッキリさせてエアフローや美観に貢献できるだけではない。どのケーブルをどの場所に接続するかが確認しやすく、スパゲッティな状態になるのを防いでくれる。筆者は裏配線を初めて体験したが、この快適さを知ってはもう通常の配線には戻りたくない。

 もうひとつ、裏配線に貢献する仕組みがある。それがマザーボードに用意されている『Graphics Card High-Power Slot』だ。

 GPUを差し込むPCIeスロットの右側に設けられた、第2の小さなスロット。ここからGPUに600Wの電力供給が可能で、これによりGPUにケーブルを接続する必要がなくなる。GPU側はこのスロットに対応するため『GC-HPWR Gold Finger』を搭載している必要があるが、現状はASUSのGPUシリーズが対応している。スロットを持っていないGPUを使う場合は、GPUに補助電源ケーブルをつなぐかたちとなる。

 細かい部分だと、本ケースは通常は個別に用意されているフロントスイッチ類が『F_PANEL』としてひとつに集約されている。これもまたケーブル管理をスマートにする、素晴らしいアイディアだ。今回の組み立ては、マザーボードとPCケースの完成度の高さに助けられた部分が非常に多かった。

高いスペックを確認すべく、いざベンチマーク

 それでは、組み上げたPCの性能を確認するべく各種のベンチマークソフトを試していこう。自分が手塩にかけて組み上げたマシンが、いかほどのパワーを秘めているのか。それを確かめるのも自作PCの醍醐味だろう。

 まずはGeekBench 6の結果から。CPUスコアとGPUスコアをまとめて表示する。

 CPUのシングルスコアは2,795、マルチスコアは18,481。GPUスコアは228,093となった。やはりGPUスコアが目に見えて高得点で、Geekbenchのランキングを確認してもGeForce RTX 4080の真下につけている。映像編集やゲームを行うにはうってつけの構成だ。

 続いてグラフィック性能のテストに特化した、3DmarkのTime Spyをテスト。スコアは23,679と出た。こちらも極めて高スコア。

 Cinebench 2024の結果は、CPUのシングルコアが118pt、マルチコアが1,889pt。GPUは24,504と出た。Core i7-14700は、Pコア8+Eコア12の合計20コア28スレッドというハイエンドな構成。最上位のi9でなくとも十分な性能だ。

 最後は重量級のPCゲーム『サイバーパンク2077』で、画質設定を『レイトレーシング:ウルトラ』にしてベンチをとった。解像度は4Kだが、最低FPSでも60を超えており、快適なプレイが保証されている。

令和の自作PCは怖くない!

 約10年ぶりの自作PC制作となったが、最新の自作PC事情に驚かされるばかりだった。特にASUSのBTFシリーズによる裏配線の設計は、関心を超えて感動すらしたものだ。こうした配線のシンプル化は、自作PCの初心者にとってもプラスにはたらくに違いない。

 また、改めてデスクトップPCのパワフルさを実感した。近年、PCといえばノートPCがメインストリームだが、例えばPCは家でしか使わないという人であれば、コンパクトなノートPCよりも大きくパワフルなデスクトップを選ぶのも現実的な選択肢だ。サイズの大きさは冷却性能やスペックの高さの証でもある。カスタムも容易で、ストレージやGPUを置き換えて長く使うこともできるだろう。

 筆者としては、今回の自作体験で裏配線の素晴らしさを体験できたのは得難い収穫だった。今後、自分用にPCを組むのであれば、迷うことなく裏配線に配慮したパーツを選ぶだろう。裏配線、最高!

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